2012年 100km Walk
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◆野田 佳宏(一般参加・ゼッケン:144)
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晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート 2012年5月10日
「24時間100km歩行レポート」
《参加理由》
私が24時間100q歩行に参加したきっかけは、100km歩行経験者であり会社の上司でもある兄が、「新入社員研修に100q歩行を取り入れたい」と言った一言でした。私は悩みました。と言うのも、今年の新入社員は全員が未成年の女性です。果たして未成年の女性を24時間歩かせて大丈夫か?両親が許してくれるか?等々。そこで、まずは自分が身を持って体験することで、来年以降の研修に取り入れるか否かを判断すべく、参加することを決めました。
ただ、ちょっとした誤算が。私以外にも何人かの社員が挑戦したいと言い出しました。こうなると、チームとして参加となるので、全員完歩が目標となってしまいます。自分だけならまだしも全員完歩が目標となると、準備やら練習やらで周りを引っぱっていかないといけなくなりました。
ただ、そのうち1人はわが社の生産の要であり、GWの繁忙期に2日(下手をすれば3日以上)も現場を抜けるわけにはいかず、泣く泣く断念してもらいました。その社員を来年参加させてあげるために、しっかりと準備をすれば100q歩いた後でも仕事ができることを私が証明すると決めました。(5月4日の昼からは普通に仕事ができる状態にすることが目標の一つになりました。)
このように、私の100q歩行は「誰かのための挑戦」になりました。「誰かのための挑戦」だからこそ、自分の限界以上のものが出せたと思っていますし、それ相応の覚悟と準備ができたと思います。
《準備》
(1)体の準備
「時速7q以上で1時間」を「延べ200qの歩き込むこと」を練習目標として、週2〜3回を歩きました。最終的には1時間で8q以上歩けるようになりました。
説明会で教わった通り、ある程度のスピードで1時間掛けて練習することで、自分のマメ・靴ズレができやすい箇所が分かるし、その箇所の皮膚を鍛えられます。スタート前にその箇所に予め大きめの絆創膏を貼っておくことで、マメなどの防止ができました。
練習で心がけた事は、
・本番を想定して常にリュックを背負って歩く。リュックの重量は本番よりも重くする
・ランニング用アプリを使い、1q毎のペースを意識する(練習毎に少しずつペース速くする)
・ダイエットが目的ではないので、練習前後の栄養補給(特にアミノ酸系)を補給する
(2)物の準備
〔シューズ〕
何より大切なのはシューズです。しかし世の中には100q歩く事を想定して作られたシューズは存在しません。ランニング用のシューズはカカトのホールド性が良すぎて逆に擦れて何度も靴ズレをしてしまい、仕方なくホールドの弱いシューズを買い直しました。
〔栄養補給〕
アプリで測ると、私の場合10q歩くのに約800kalを消費することが分かりました。単純計算すると100qで8,000kcal!!成人男性の4日分のカロリーです。これは道中で相当量の栄養補給をしなければ必ず体は動かなくなるとと気付きました。そこで、リュックが重くならないように、
・ザバスが出している高濃度のゼリー系の栄養補給食品(よくあるタイプの半分の重量)
・水に溶かす粉末系のアミノ酸
を数個ずつ用意して、コンビニでの補給やでも足りない部分を補いました個人的な感想ですが、10q毎にオニギリを1個食べたとしても全然足りないのではと思っています。
(3)心の準備
上記の通り「誰かのための挑戦」をすると覚悟していたので、万全だと思っていました。前日に兄からお守りをもらうまでは。
《本番前日》
100q歩行経験者の兄からお守りを貰いました。その時に気付かされました。こうして応援してくれている人たちの存在を。色々とアドバイスをしてくれた兄や、心配を掛ける家族、応援してくれる仲間、サポーターの方々への感謝が欠けていたと反省させられました。肝心の“心の準備”ができていませんでした。明日は関わってくれる全ての人に感謝の気持ちを持ちながら、強い心を持って完歩しようと改めて気合が入りました。
《本番》
「順位は意識せず、ひたすら歩き続けること」を目標に、本番がスタートしました。
練習の甲斐あって、まずは10qのCPを順調に通過。
20qまでの間にゼッケンNo.3の岩村くんと一緒になり、30qのCPまで一緒に歩きました。
40qの備前までは一旦別々になったのですが、その後50qの伊里漁協までまた一緒に歩きました。
伊里漁協でソックスを履きかえ、いざ閑谷越え。ここでも岩村君と一緒に歩き、60qの閑谷CPまでは本当に順調でした。
なんだかんだで半分の距離を岩村君と歩いた事になります。一緒の歩いてくれる仲間を見つけられたことが幸運でした。ありがとう。
また、この間、応援ポイント毎に家族が先回りして待ってくれていたのも力になりました。黄緑色のウェアを来た私を見つけるたびに、「パパガンバレー」と声が聞こえたのは力になりました。

ただ、この時点で気付けば2位になっていると聞いてしまい、やはり欲が出てしまいました。
休憩も取らずに飛び出して、70qのリバーサイドでついにトップに。しかし完全なオーバーペースです。なのにここでも更に欲が出てしまい、これまた休憩もそこそこに飛び出して、「あと30q!」などと思った瞬間でした。急に体が動かなくなり、あれよあれよと順位が下がり、大げさじゃなく完歩できるかと不安になり始めました。
その時です、会社の仲間が深夜の瀬戸に応援に駆け付けてくれました。これは嬉しかったです。再び体に力が入るのが分かりました。「もう順位は意識せず、とにかく完歩を」と心に決め、残り10qのCPまで来ました。
ラストの10qは本当に辛かったです。ベンチに何度も座ってしまい、その度に歩き始めるのが苦痛でした。クレドを過ぎてからは更にきつかったのですが、このとき伊里漁協でもらったゆでたまごの「後楽園で待ってるよ」と言うメッセージを見ました。
何と言うタイミング!おかげでもう一度力を振り絞ってゴールする事ができました。それはもう自分の持っている全ての力以上のものを出し切りました。
家族や仲間、サポートスタッフの方々の応援、一緒に歩いた岩村君の存在など、関わってくれた全ての人たちのおかげで、限界以上の力が出せました。その証拠に、ゴールした途端に体が動かなくなりました。
ただ、私のゴールはここで終わりではありません。会社の仲間のゴールを見届けなければなりません。どうなる事かと心配しましたが、なんとか全員が24時間以上に完歩できました。みんなでゴール後に撮った記念写真は一生の思い出です。
しかし、私の本当のゴールは昼から会社に行く事です。なんとか出社し、さすがに仕事はほとんどできませんでしたがギリギリ目標達成としました。
《最後に》
振り返ってみると、私の100q歩行は「誰かのための挑戦」ではなく、「誰かのための挑戦ができるかどうかの自分への挑戦」だったように思います。その自分への挑戦がやり遂げられたのは、やはり関わってくれた全ての人たちへおかげでだと感謝しています。本当にありがとうございました。
新入社員研修に取り入れるかどうかは、、、時間を掛けて結論を出したいと思います。(さすがに身体的な負担が大きいので)
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