2012年 100km Walk

 
◆中島 久美子(一般参加・ゼッケン:233)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2012年5月18日
「わたしの24時間100km歩行」




 24時間100km歩行の話を聞き、半分迷いながらも「楽しそうだな」と思い、申し込みました。何度か自主練習をするうちに、一人で歩くには1時間すら長く、少し不安を感じるようになっていました。
 とりあえず目標は100km完歩すること。そして、脱水になると後半がしんどくなるので、しっかり水分補給して体重を減らさないようにすること。あとは、陽が昇ると暑くなるので、6時くらいまでにゴールを目指そう。そう考えて本番に臨みました。

 本番当日、いよいよ後楽園を出発。ペースもよく分からないまま周りの人たちに合わせて歩き、10kmのチェックポイントを順調に通過。一緒に参加した職場の同僚たちは、あっという間に前の方へ。「24時間もあるしそのうちまた会えるかな」と思いながら、ひたすら20km、30kmと歩き続けました。

 30km-40km間の山道では、元々痛かった右足の外反母趾の痛みが強くなり・・・。右足をかばって歩くせいか、今度は左膝裏に違和感を感じるようになり・・。さらに左踵がピリピリと痛くなり水泡ができている予感・・。ちょっと心が折れそうになっていたところへ、職場の先生が来て声をかけてくれ、気分も足も軽くなりました。通過していくサポーターの車からも声援をもらい、近所の小学生らしき子供達にも「頑張ってください」と励まされ、いつのまにか足の痛みも和らいでいました。

 炊き出しをしていた50kmのチェックポイント伊里漁協まで来ると、ついに同僚の二人に再会。50km歩いた疲労も吹き飛ぶほど、嬉しくなりました。とっても美味しい水餃子とおにぎりをいただき、チオビタドリンクを飲み、「途中で食べてください」とゆで卵をいただき、休憩もそこそこ一緒にまた歩き出しました。その後は何人かで閑谷学校まで歩き、一番心配していた閑谷学校のトンネルも薄暗いうちにみんなと歩けて一安心。閑谷学校では職場の友達・先輩が応援に来てくれ、さらに疲労も吹き飛び不思議なほど足が軽くなりました。そこから70km地点のリバーサイドまでは足が痛いのもほとんど忘れ、左踵の水泡もかなり大きめのシューズ(+2cm)を履いていたおかげかほとんど気になりませんでした。

 普段2交代勤務で夜勤もしている私は、「本当に忙しい時は、これくらい歩きっぱなしで走りまわった夜勤もあったなぁ(実際は病院の平らな廊下だしそこまでハードではないですが)。来年もまた参加しようかな。」なんて思いながら、夜風を涼しく感じながら歩いていました。

 本当にしんどかったのは、80km-90km、90km-100km区間。これまでは気付いたら辿り着いていた10kmごとのチェックポイントも、10kmの長いこと長いこと・・・。80kmを過ぎた頃から右足の外反母趾と左膝裏の痛みが強くなり、ペースダウン。その頃には「痛い。痛い。」という言葉しか頭に浮かばなくなっていました。やっとの思いで辿り着いた90kmのチェックポイント。練習会でお世話になった方にまたお目にかかることができ、励まされて少し元気を取り戻しました。それでも90kmを過ぎると足を引きずるようにしか歩けなくなり、ちょっとした坂道も何とか足が上がる程度。誘導ポイント区間もかなり長く感じ、「道を間違っていたらどうしよう、もし間違っていたらもうやめようかな、こんなんで後楽園まで歩けるかな。」と、そんなことしか考えられなくなっていました。

 そんな時、職場の先生がひょっこり現れて声をかけてくれ、それまで重かった足が不思議なほど軽くなりました。あとは街中まで来たら、見たことのある景色。またまた練習会でお世話になった方のいる誘導ポイントをいくつか通り過ぎ励まされながら、100km完歩しゴールすることができました。

 感動的な選手宣誓から始まった24時間100km歩行。24時間100km歩行を終えて、「人っていいな。」と改めて思います。痛くて重くてどうしようもなかった足も、応援してくれる人たちの笑顔と声で、不思議と軽くなり心も元気になりました。取り分け知った顔に合うと、魔法のように痛みもひいて軽くなり、頑張れることには自分でも驚きました。大袈裟かもしれないけど、人生も同じ。自分一人でできることなんて本当に限られているけど、目に見えるもの見えないものを含め、人はたくさんの人に支えられているからこそ頑張れるんだと実感しました。

 事前の準備から当日に至るまで、手厚いサポートをしてくださったスタッフ・サポーターの方々。応援してくれた方々。忙しい時間帯にも関わらず温かく迎えてくれた病棟(職場)の人たち。練習会でお世話になったサポーター・チャレンジャーの方々、そして一緒に歩いてくれたチャレンジャーの方々。みんなのおかげで歩けた、とっても価値ある100km歩行でした。
 お礼を言うのが遅くなってしまいましたが、本当にありがとうございました。