2012年 100km Walk

 
◆サポート隊長: 小山 宣彦(岡山政経塾 事務局長)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2012年5月15日
「全員が無事に完歩することを願って」




 私たちは、リーダーの育成こそ混迷する我が国、岡山の緊急課題であるとの認識に立ち、岡山政経塾を設立しました。
 塾生は、素直な気持ちで自らを高める努力をする人、自ら研鑽する自立した人だけが有意義な時間を持つことができる、と設立趣意書に記した。
 
 カリキュラムの中で、24時間・100キロ歩行を企画する前、松下政経塾の100キロ行軍の発案者やマラソンの有森裕子氏にご指導を仰いだ。
 たどり着いた先は、「心」と「身体」と「物」の準備をすれば歩ける。そして、「限界は準備によって遠のく」と言う過去の体験でした。
 コースは、岡山の先人・津田永忠の足跡をたどるルート。人の幸福は、富の豊かさと心の豊かさによって実現する。その富の創造に尽力し、庶民ための閑谷学校の設立などに貢献した津田永忠に学ぶために。

 多くの人は人生の中で、自らの限界に挑んだ経験が意外に少ない。自らの限界を無意識の内に近くに置き、経験したことの無いことは、出来ない、と短絡的に考えてしまう人が多い。しかし、未来に大きな夢を描いて、目的と目標を持ち、限界を超えて勝利することを繰り返すことによって成長し続ける人間へと生まれ変わることができる。

 「全員が無事に完歩」を目標とし、1年前から自らを犠牲にして取り組んだ多くのサポーターに心から敬意を表したい。
 サポーターとしての参加を目的とした人と、完歩して頂くことを目的としたサポートでは、その人が得る成果は大きく異なる。チャレンジャーもサポーターも、目的を持った行動か否かはレポートで明確に判別できる。
 サポート組織は、目的と目標と期限と責任を明確にするとやる気と能力の無い奴が去り、有能者が残る。目的と目標と責任と期限を不明確にするとやる気と有能者が去り、無能者が残る。これが、成功・不成功の分かれ道。

 100キロ歩行が終わると、多くのチャレンジャーから感謝の言葉が寄せられる。その言葉は、翌年のサポートによって行動で表して欲しいと願っています。
 完歩で学んだ人の多くがサポーターとして加わって頂いた。だからこそ高い完歩率となり、岡山政経塾生は、心と身体と物の準備を怠らなかったからこそ、7期生・10期生に引き続いて11期生は全員完歩という偉業を成し遂げた。岡山政経塾の「24時間・100キロ歩行」の伝統として、この精神を次世代に送り届けたい。

 今回、「100キロを無事に完歩」という目標を持たないチャレンジャーやサポーターがいたことが残念である。原因は我が身にあり。その人たちを事前に見抜いて、指導しなかった自分に反省。目的が無ければ、手段は無い。目標がなければ、努力は無い、結果は無い。

 人が心を授かっているのは、人を愛するためである。
 100キロを完歩する「人は、人からの愛によって生きる(歩く)力を得る」
 100キロをサポートする「人は、人を愛することで生きる意味を知る」

 私は、スタートラインに立っている人たちの笑顔とゴール時の涙に、生きる喜びを感ずる。来年の5月、後楽園で笑顔のあなたにお会することを楽しみにしています。