2012年 100km Walk

 
◆藤田 法宏(岡山政経塾 11期生・ゼッケン:76)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2012年5月18日
「悪魔のささやきにも」




晴れの国おかやま・24時間・100キロ歩行に於いて、完歩された事を証明します。
果てしなく続く道のりを悪魔のささやきに打ち勝ち、見事、後楽園のゴールにたどりつかれました。おめでとうございます。来年、後楽園での再会を楽しみにしています。

2012年5月3日、4日に行われた24時間100キロ歩行の完歩証明書です。

事実、悪魔は私の心に幾度となくささやいてきた。

5月3日午前6時起床。前日早くに就寝したこともあり実に目覚めの良い朝。カーテンを開けるとまさに晴天。「中止はないか・・・」この時すでに私の中に悪魔が存在していた。

朝食を済ませ、後楽園へ。午前7時30分に到着した時にはすでに多くの方々が開会に向け準備をしていました。「本当に100キロ歩くのか・・・」そんなことを呟いているうちに関係者、サポーター、チャレンジャーが集い、スタートの時間が迫ってきました。スタート直前、チャレンジャー同士での談笑中も正直気が気ではありません。これから訪れる24時間は今までの人生で経験したことのない時間になるであろうことは容易に想像がつき、その場から逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。

開会式を経てたくさんのフラッシュが焚かれる中、ついに悪魔との戦いは始まりました。30キロ地点までは天候に恵まれ、頬を伝う汗が気持ち良くもあり、奴はまだ身を潜めていました。が、35キロを越えた辺りで奴がささやき始めます。「もういいじゃん」「やめちまえ」これまでの私の人生で幾度となく戦い、敗れるに至った甘い誘惑。道程のアップダウンも手伝い、それまで保っていたペースは徐々に落ち込み、すでに足の痛みは事前の想像を遥かに超えていました。

そんな中、一筋の光明が差し込みます。「痛くない人なんていない!みんな痛いんだよ!」言葉を放ったのは同期の女性チャレンジャー。彼女の言葉に救われました。
前に踏み出すことを拒んでいた両足も少しだけ協力的な姿勢を示し、そこから70キロ地点までは思いのほか順調な道のりが続きます。

75キロを越え少しペースは落ちたものの、話をしながら彼女と歩き続けます。彼女の旦那さんは常に車で先回りをして、声かけなどのサポートをしてくれ、私も少なからずその恩恵を受け、元気をもらいました。
85キロを越えたあたりで疲労のピークが訪れ、奴が現れようとしたその時。深夜にも関わらず友人達が応援に来てくれました。涙が出るほど嬉しく、自分でも驚くほどの元気がでました。調子に乗って走ったりしたのがその後に影響を及ぼす訳ですが・・・。

果てしなく続くであろうと思われた100キロの道のりも、90キロを越え残り10キロを切りました。しかし最後まで一緒に歩こうと約束をした彼女も、私も、誰の目にもあきらかなほどのペースダウンでなかなか前に進めません。それでも一歩ずつ歩を進め最終目的地に近づいていきます。ゴール目前の橋の上で彼女の涙が溢れたとき、私も堪えることができませんでした。

最初から最後まで本当にありがとう。同じペースで歩き続け、励ましあえた彼女がいたからこそ素晴らしい結果を残すことができました。

一緒に完歩を目指す同志たちとの触れあい、励ましあい、企画から準備、運営、サポーターとして関わってくれた全ての方々、沿道に応援に駆けつけてくれた友人たち、全ての人たちの支えがあり、『悪魔のささやきにも』打ち勝つことができました。
そして何より嬉しいのは、11期生全員完歩という目標を達成できたことです。

今回参加した我々は非常に強運です。なぜなら215人もの参加者がいたこと。前を見ても後ろを見ても常に仲間の姿がある。これほど勇気付けられることはありません。

最後に、100キロ歩行掲示板にあった『人生で最も喜ばしいのは「君には出来ない」と思われていることをやってのけることだ』という言葉を胸に抱き、参加した今回の100キロ歩行でしたが、『人生で最も喜ばしいことの一つは「支えあえる仲間がいること」である』という気付きがあり、学びがありました。この経験がこれからの人生に多大な影響を与えると信じています。