2012年 100km Walk

 
◆藤井 美子(岡山政経塾 10期生 サポーター)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2012年5月19日
「心と心を繋ぐ30時間」



1 はじめに

3.2.1スタート
晴天の下、ピストルの大きな音とともに215人のチャレンジャーが、100キロを完歩するという目的で瞳を輝かせながら力強く一歩を踏み出していった。
私はその姿を見るだけで目頭が熱くなった。
チャレンジャーが安全に100キロを歩ききること
去年頂いた沢山の感謝を恩返しすること
2つの目的で私の30時間が始まった。



2 練習会

10回目の節目の今年、念願の一般参加が決まった。
10期生である私たちは練習会のサポートを岡山会場と倉敷会場の2つで行った。
今までの練習会は塾生のみ、一般の人たちは来るのだろうか?という不安も。
最初は人数が少なかった練習会も、西原幹事が毎日の格言と一緒に練習会人数をHPに書き込み、掲示板を作ってチャレンジャー・サポーターの情報交換が出来る場所を作ってくださったお陰で回を重ねるごとに練習参加者が増えていき、チャレンジャー同士の交流も見えてきた。
私は苦しかった時、共に歩いている仲間を思い出し「一緒に歩いている」というだけで力が湧いてきた。この練習会で会った人たちの輪が広がり、仲間となり、100キロを歩く。仲間が増えるにつれ、練習会に参加している人たちの完歩する姿が見えた。



3 サポーター

前日ギリギリまで資料のコピー・使用する道具の用意などを行っていた24時間100キロ歩行研究科の皆様大変お疲れさまでした。自分が昨年歩けたのは多くの人たちのサポートがあったからと改めて感謝の気持ちが湧き、私が出来る最大限のことをやりきろうと心に誓った。
当日朝7時に集合。本部の設置から始まり、各班の方々と最終打ち合わせ。
チャレンジャーが次々に受付にやってきた。「必ず完歩しますように・・」と一人ひとりに願いを込めてゼッケンを渡す。
私はスタートから40キロまでのエリア長を任せられた。何かあれば、私の携帯が鳴る。どうかずっと鳴らない様にと強く願わずにはいられなかった。井上さん、初サポーターの私に数々のサポートを有難うございました。



4 伴歩


90キロ地点手前、ゼッケン100番をつけた友人が苦しそうに足を引きずりながら車の横を通る。井上さんから「伴歩する?」の声が出たと同時に車を降りていた。
かなり痛いであろう足を、私と会った時には何事も無かった様に歩く。知っている人の顔を見ると元気が出ると言ってくれた。そういえば、私も赤いジャンパーを見るだけで元気が出た。しかし、その魔法も長くは続かない。休む時間があきらかに増える。残り10キロ、人生で楽しかったこと、これからやりたいことなどを語りながら気を紛らわせて歩く。少しずつでもゴールに近づいていたが、心の中ではゴール時間が気になってしょうがない。このペースだとギリギリか、もしかしたら。何としてでも時間内に歩いて欲しい。でも、これは私のエゴなのか。伴歩しながら葛藤。
「少しスピードあげようか」その言葉を察したのか彼はペースを上げてくれた。後ろを振り返ると同期に伴歩されながらチャレンジャーが歩いている。同期の顔は伴歩している人を絶対ゴールさせるという責任感からかとても格好良く見えた。皆の心がゴールへとつながっている。彼は時間内に妻とチャレンジャーのベストショットを撮るために24時間以上カメラを持ち続けてくれた友人が待っているゴールに到着した。


5 最後に

一生懸命目的に向かって取り組んでいる姿は、見ている人に勇気と感動を与える。
応援に駆け付けた友人はその姿を見て、自分の足りていない所を見つめ、自分に対面し号泣した。もっと自分は出来るだろうと。
そして私はその姿を見て、サポーターは与えるのではなく、与えられていたことに気付いた。昨年チャレンジャーを終えた後口々に皆が次はサポーターだね!と言っていた意味がわかった。2つを体験してこそ24時間100キロ歩行の本質が心と身体で理解出来た。来年はどんな自分と出会えるのか今から楽しみでしょうがない。