2012年 100km Walk

 
◆佐藤 俊輔(岡山政経塾 7期生 サポーター)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2012年5月26日
「サポーターとして100km歩行を考える」




 今年の100km歩行には塾生のみならず、多くの一般の方々が参加された。私はサポーターとして誘導などを担当したが夜の暗闇の中、小さな光が少しずつ大きくなり、人の姿になって通り過ぎていく光景は印象的なものであった。 約70km地点であり、多くのチャレンジャーの表情には疲労の色が見えており、私は少しでも励みになるよう、明るく声をかけるよう心掛けた。

 100km歩行は、スポーツの一種にもジャンル分けできるがいわゆる健康マラソンとは全く性格が異なるように思う。むしろ行とか瞑想に近い。100kmのゴールまでただひたすら歩く。その中で、特に自分の心、体と向き合うことになる。私の場合、練習不足が響き足に苦痛を慢性的に感じる中で、常に痛みというものと向き合うこととなった。何とか痛みに耐え100kmに到達したときの満足感、ゴールした後座り込み、芝生に横たわるときの心地よさ、帰宅してから睡眠をとった後の空腹時に食べる食事のうまさ、これらは普段のルーティ―ンな生活ではまず味わえない感覚であり、その後の人生に影響を及ぼすような鮮烈な記憶として残っていく。そこにこの100km歩行の醍醐味があるように思う。

 今回、意外に感じたのは、チャレンジャーとしてご高齢の方が多く参加されていたということであった。ある意味、人生を達観されているご高齢の方々が何を求めてこの過酷なウォ−クに参加されたのかは未熟者の私にはわからない。むしろ達観の境地にあるからこそ得られるものが分かっていらっしゃるのかもしれない。また、草履で参加されている強者もいらっしゃったとのことであるが残念ながら途中でリタイアされたとのこと。もし完歩していれば、まちがいなく「伝説の男」として語り継がれたであろう。

 これからも続く100km歩行、チャレンジャーはいろいろな思いを胸に参加してその後の人生に有用な何かを得ていくであろう。サポーターとして参加してその一助になれたのだとすれば、それは幸いなことだと考えている。