2012年 100km Walk
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◆中江 悠(岡山政経塾 10期生 サポーター)
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晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート 2012年8月11日
「感動…分かち合うもの」
1.はじめに
透明な5月の日差しと、その中で輝く後楽園の木々、そしてゴールテープを切るたびに湧く拍手と満足げなチャレンジャー。その様子を見ながら私は心が満たされるのを感じました。
2.練習会
昨年はチャレンジャーとして参加した練習会、今年は運営する立場での参加となりました。
一般参加を募った今大会、当然練習会で出会う人は全く面識のない人ばかりでした。そこで感じるのは自分の住む世界の狭さと、世の中の広さ、そして人と人との不思議なつながりでした。昨年岡山政経塾に入塾したときにも感じたことですが、様々な年齢、様々な職種の人たちと話をするのは教員の世界で生きている自分にとっては新鮮で、まだまだ、自分の知らない新たな世界があることを教えてもらいました。
また、仕事の合間を縫って週三回練習会に顔を出すことの体力的、精神的な辛さも感じました。毎回は出ることができていなかった自分でさえしんどかったのですから、小山事務局長、研究科の皆様、そして各期の隊長・副隊長の人たちの苦労は想像のおよばないものだったと思います。自分よりも、明らかに努力をしている人たちがいるということを知るのは、やる気と刺激をもらえるものであると改めて感じさせてもらいました。
3.当日
大会当日、サポーターとしての私の目的は「すべての参加者が完歩できるようサポートすること」だと決め、そのための手段の一つとして、参加者への声かけにはかなり気を使いました。
言葉には大きな力がある。昨年岡山政経塾で学んだことです。私が100キロを歩いた時にも、サポーターだった油田さんや藤原さんの言葉に励まされました。
「いいペース、いいペース」
「まだまだ時間ありますからね。絶対時間内にゴールできますよ。」
「ここから先は心が折れたらお終いですよ。心を強く持って。」
やってくる人の顔をみて声のかけ方も変えました。当然ですが反応もさまざまで、笑顔で答えてくれる人、顔を向けるだけの人、反応のない人、様々な人がいました。たとえ反応がなくても、少しでも力になれれば…と思って声はかけ続けました。
閉会式のとき、11期生の小野さんが「あの時の言葉が本当に支えになりました。ありがとうございました。」と握手をしてくださいました。けれども、小野さんの言葉で救われたのは、私の方でした。
また、当日は岡山の景色のきれいさにも驚きました。20キロ地点を過ぎたあたり、川沿いの誘導ポイントに立ちましたが、広い田園地帯と5月の青空に心が満たされました。普段ゆっくりと自然の景色に目を向けることがありませんが、少し見回すだけでも、その土地の魅力を感じられることができるのを今回知りました。
4.ゴール
今回の24時間100キロ歩行で忘れられない場面があります。それはゴールの50mほど手前、鶴見橋でのこと。
制限時間の午前10時も迫ってくる中、私は女性の参加者の伴歩についていました。痛む足を引きずりながらも、なんとかゴールの目の前までたどり着き、あとは橋を渡りきるだけとなったとき、同じく橋の上にいる人から拍手が起こりだしたのです。先にゴールして休んでいる人、またその家族の方、サポーター、居合わせた通行人…そこにいた大勢の人が拍手で迎えてくれていました。見ず知らずの人なのに、100キロ歩行にチャレンジしているというだけで拍手が送られていました。
この瞬間、涙が溢れそうになりました。
拍手はその後も、チャレンジャーが来るたびに続けられていました。
3.おわりに
私は、卒塾論文の中で「幸せとは、夢に向かい前進すること」だと書きました。今でもその考えは変わりませんが、今回新たに気づかされたことがありました。
それは、人は感動を分かち合うことでも幸せを感じることができるということです。ゴールで、あの拍手の中にいたときに感じたものは「幸せ」でした。100キロを歩いていない自分も、あの場で喜びと感動を分かち合うことで幸せを感じることができました。
来年は10期生が運営の中心です。一人でも多くの人に今年自分が感じることのできた幸せを感じてもらえるように、準備していきたいです。
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