2012年 100km Walk

 
◆赤木 智博(岡山政経塾 11期生・ゼッケン:75)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2012年5月7日

「言葉は嘘をつくが、行動は嘘をつかない」



 「言葉は嘘をつくが、行動は嘘をつかない」
 これは私が岡山政経塾で覚えた言葉であり、今回100キロ歩行を完歩し、私の信念になった言葉でもあります。
 言葉ではなく行動であらわすことができた100キロ歩行完歩という事実は私の今後の人生に大きな糧と自信をくれました。また本当の意味での人の優しさや強さを知り、自分自身今後出会う人達に真の気持ちを持って接することができます。


 まず始めに100キロ歩行に参加した経緯は岡山政経塾に入塾して与えられた課題でした。
 100キロ歩行を聞かされた時のイメージはとにかく遠いのだろう、でもどうにかなる。でもできればやりたくない。
 正直私個人だけでは参加の意思を示すことも無かったと思います。

 そんな私が今回100キロ歩行で特に学べた事を挙げさせて頂きます。


・自分の心は自分が思っていた以上に弱い。

 私は今回100キロ歩行が無理だと思った時が3回ありました。

 1回目が100キロ歩行の下見に車で行った時です。友人に助手席でルートラボを見てもらって行きました。『車でもメチャクチャ遠いな。』と友人が言った時の私の心境は・・・無理。当日の仮病も考えました。
 2回目は当日の30キロ地点です。予想より早く足が痛くなり豆が出来た時です。
 しかし30キロ地点で折れかけていた心も50キロに達した辺りでは逆に自信になっていました。20キロも足が痛い状態で歩いたのに痛みが強くなっていなかったからです。閑谷学校を超えた辺りでは一緒に歩いていた仲間に『多分完歩は余裕だな』とまで言っていました。
状況が一転したのは80キロ地点の辺りでした。
 3回目の心が折れかけた時です。
 足の痛みが急激に強くなり、立ち止まったり休憩をとったりすると全く歩けなくなりそうで自分の中の限界を感じました。大人になり辛くて泣きそうになったのは初めてで、その時はなんて言ってリタイアしたら1番周りが仕方ないと言ってくれるだろうかと、そんな事ばかり考えていました。
周りの励ましのお陰でやる気になっても5分もすればリタイアしたい、帰って寝たい、誰か迎えにきて、といった心の弱い部分ばかりが出てきていました。
 参加する前はなんだかんだ言いながらも気合いと根性でなんとかなるだろう。
やれば出来る子です!!
 なんの根拠もない自信がありました。今思えば過去自分は困難に会っても口先と要領だけで何とか誤魔化して対応しており、正面から全力で努力をしていなかったのでしょう。
 つまり自分の限界に立った時に自発的に立ち続ける折れない心は全く成長していなかったのです。


・支えてくれた方々への感謝。

 100キロ歩行がなぜ完歩できたのかは仲間と約束した11期生全員完歩。
 サポーターの方々の前準備と24時間体制への感謝。
 80キロ地点で車を降りてきてくれて『俺も1番ここがきつかった。そのぶん完歩の達成感は半端ないから。頑張れ!』と言ってくれた9期生の先輩。
 キツイ場面で仲間が一緒に歩いてくれた心強さ。
 会社の仲間に必ず歩くからリタイアは100%ない。と言い切った見栄。
 仕事や家族の時間を削ったのに気持ちよく応援してくれた気持ち。
 政経塾の事務所で見て感銘を受け、コピーさせてもらった『言葉は嘘をつくが行動は嘘をつかない』の信念。

 これらが無ければ途中リタイアしたと確信しています。
 全ては周りの人の力で、自分一人ではまた適当な所で逃げていたでしょう。
 人は一人では何も出来ない事の再確認をしっかりさせて頂きました。


 最後に自分の引いていた限界ラインの低さです。

 自分の中での限界を超えても本当の限界ではなかった事。また100キロ歩行は自分が過去失敗した事業に重なりました。準備をして無事売り上げたが上手くいかなくなり撤退した時。あの時今回の100キロ歩行ほどの気持ちで立ち向かえばどうなっていたのかを考えました。
これからは自分の限界を自分で決めずに立ち向かおうと決意できたと同時に100キロ歩行完歩という事実は甘さを無くし心の強さを成長させ、今後の人生を変革させるきっかけになりました。
『言葉は嘘をつくが行動は嘘をつかない。』
 どれだけ上手に口先で相手を言いくるめても、上手に言い訳をして逃げてもダメだと。100キロ歩行はまさに行動でしか自分の意思を表せません。
 忙しいと言い訳して前準備を怠った自分にとって今回の苦しみは『言葉は嘘をつくが行動は嘘をつかない』この言葉の深さが身にしみました。
 これから先、この言葉をご教授頂いた言葉ではなく私の言葉となるよう、言葉が嘘をつかないように全ての事案に対して責任を持って行動できる人生を歩んでいきます。

 最後になりましたが関係者各位の方々、このような素晴らしい機会を与えて頂き本当にありがとうございました。