2008年6月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会

 
◆高梨  直(岡山政経塾 七期生)
自衛隊体験入隊
『日の丸を背負う、ということ。』



 私は自衛隊への体験入隊を経て、実は私自身が自衛隊についてほとんど何も知らなかったことに気付き、あまりの無知さ加減に恥ずかしさと申し訳なさを感じながらこの文章を書いています。

 今回の体験入隊では、自衛隊のご厚意で、朝3時の起床に始まり、5時間・20キロの行軍(背中には40キロの荷物を背負って)、腹筋に腕立て伏せ、3,000メートル走、炎天下のグラウンドで、整列・行進などの基本教練をまるまる2日間延々とやってきました。日ごろの訓練の一端を垣間見ることができ、大変有意義でした。やはり百聞は一見にしかずで、自分で身をもって体験して、ようやく感じることができます。

 日ごろの運動不足でメタボ気味の私たちが味わった厳しい(?)訓練もさることながら、今回の自衛隊体験入隊で一番印象に残っていることは、「自分たちは日の丸を背負ってやっている」という現役自衛隊員の方から聞いた一言です。自衛隊の役割は、いざ有事が起こった場合、国民の生命・財産を守るために先頭に立ち、身を賭して任務にあたることです。それを端的に表したのが、先の言葉なのだろうと感じました。日の丸を背負うというと、サッカーの日本代表やオリンピック選手を真っ先に連想してしまう自分が情けなく思えてきました。プライドを持って日夜厳しい訓練に励む自衛隊員の皆様に、改めて尊敬と感謝の念を感じたのでした。

 日の丸を背負っているという誇りを胸に、厳しい訓練を自らに課している自衛隊員の皆様と、折しも仕事に対するプライドのなさを勤務先の長に指摘された我が身を対比して、職務に対するプライドとは一体何だろうと、改めて考えさせられています。

 自分は誇りを持って働いているだろうか。今回の自衛隊体験入隊をきっかけに、そう自問自答しているところです。私が日ごろ取り組んでいる仕事が、少しでも世の中を良くすることに貢献できているのか。仕事の社会的な役割について、自問自答しながら、気がついたらうとうとしていて朝5時半の目覚ましが鳴り響き、今日も会社へと急ぐのでした。

 今回の自衛隊体験は、私自身の価値観を揺さぶられる本当に熱い体験でした。体験入隊の機会を設けてくださった陸上自衛隊の皆様、私に熱い思いのたけを話してくださった隊員の方、関係各位の皆様に深く感謝いたします。自衛隊体験入隊では、岡山政経塾生一丸となって、訓練に耐え、またひとつ団結力が強まりました。岡山政経塾第7期生も、より精強な部隊を目指して今後も研鑽を積んでいきます!ありがとうございました。