2008年6月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会

 
◆中野 浩輔(岡山政経塾 六期生)

『自衛隊体験入隊に参加して』




小山事務局長から、自衛隊の体験入隊の話を伺ったとき、私はすぐに参加の意思を表明した。その理由は2点ある。
まず1点は、私達は、日本人として、日本で生まれて、日本で生活している。
そんな私達は、もっと自衛隊のことを知るべきだと思ったからだ。
日本が近い将来、戦争に巻き込まれないと、一体誰が断言できるであろうか。
もう1点は、実は私の妻の父親、つまり義父は、自衛隊のOBで、義父の過去の数十年に及ぶ生活を垣間見たいと思う気持ちがあったからだ。
そんな私だが、今回の体験入隊に際して、物の準備は、前日にほぼ済ませていたので、大きく困ることは無かったのだが、体と心の準備が全く出来ていなかった。
どこかで今回の自衛隊体験入隊を甘く感じていた自分がいた。
初日の体力測定は、私の体力を測定するだけでなく、限り少ない体力を、限りなく奪っていった。特に3000m走は、本当にきつく、他の誰かがリタイアした瞬間に、2番目にリタイアしようと、姑息なことを考えていた。しかし、誰もリタイアしないので、何とか最後まで走りぬいた。
2日目の行軍(重い荷物を背負って、一列になり、誰とも話もしないで、ひたすら歩き続ける演習)に関しては、4時間30分に及び、これもまた凄くきつかった。
体調不良を訴えていた上田さんか、新田さんが、途中でリタイアすれば、2番目にすぐに自分もリタイアしようと、これまた姑息なことを考えていた。
しかし、あのきつい行軍を誰一人リタイアしないところに、ある意味で岡山政経塾の凄さがあり、結局私も最後まで歩きぬいた。
今回の2日間の体験入隊に際して、本当に多くの学びと、気づきを得ることができたことに感謝すると同時に、自分の不甲斐なさを感じる2日間でもあった。
しかし、私が父の日に、この体験入隊に参加したことは、義父への最高の父の日のプレゼントになったようで、その点では本当にうれしく思った。