2004年 直島特別例会

 
◆新田 祐子(岡山政経塾 二期生)

直島いろいろ


 昨年に引き続き直島合宿に参加した。一泊二日ではあったが、いろいろと考えることがあった。


 7月11日は丁度参議院議員選挙の投票日だった。私は今の政党・政治家のあり方全般につき大きな疑問を感じていて、特に選挙戦をテレビで見るたびに候補者個人の素質、政党の候補者擁立方法につき『?』と思うことが多くあった。
 まず、候補者個人に魅力や才能を感じられる、若しくはそれを上手にアピールできる人が少ない。当選さえ出来ればよいというオーラが出ていて政策や理念はとってつけたようなことしか言えない人が多い。さらにそれを支持する政党がある。恥知らずな候補者も目に付き有権者は完全に馬鹿にされていると憤りを覚えた。私はこの合宿で政治家はどうあるべきかについて少しでも答えを見出せるようにしたいという目的でこの合宿に来た。

 
 福武幹事の講義でも倫理・道徳ある「民」が民主主義を運営しなくてはいけないという話に一番共感できた。戦後になり道徳教育が学校、家庭でもおろそかになり異常な事件が後を絶たない。道徳のない日本人を生み続ける日本を変えるのはやはり政治であり(教育、とも言えるが教育の源には政治がある)、政治家の仕事だ。

 石井県議に質問した答えの中に、「政治家は現実に何が起きているのかを把握し、将来のビジョンを持てる人でなければならない」という言葉はそのとおりだと思う。日本を憂い、日本を望ましい社会に変えようと政策に示し、実行できる立候補者は何人いるだろうか。知名度だけで出馬するタレントや犯罪者、それを支持する政党が存在しそれらに投票する有権者がいる限り日本の政治は不完全なままであり続ける。大変残念なことだ、等と考えながら一泊二日を過ごした。
 ではどうするべきか、は私にはまだ見出せていない。政治批判をするならば投票している限り誰でも出来るが、それだけではいけないと思う。折角岡山政経塾の塾生になれたのだから、政治の傍観者ではなく政治にのめりこんで深く考えたい自分を感じた。一年前直島に来た私は美術館やパオや景色のすばらしさしか感じず岡山に帰ったが、今年は少し成長していたことを知った。


 卒塾して三週間が経ったがやはり私はまだ塾生として学び続けたいという気持ちが燃え上がった。三期生の皆さんから新たな刺激をいただいたので、またこれからもOBとして活動していきたい。そしてまた私はまた成長して今年とは違う思いを胸にこの直島に来て、今年とは違うものを得て帰っていくのだと思う。
 
 今年は本当に眠るのが惜しくて、議論が楽しくて、波の音や海の向こうに見えるネオンや星が本当に素敵で、胸がいっぱいで眠れなかった。この素晴らしい合宿の場を提供し、作り上げてくれた全ての皆様に感謝します。ありがとうございました。