2008年 直島特別例会
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◆新田 祐子(岡山政経塾 二期生)
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犬島、直島、豊島合宿レポート
犬島・直島・豊島合宿レポート
今年の直島合宿は犬島・直島・豊島の三つの島を1泊2日で巡る『弾丸ツアー』のプログラムであった。
1. 芸術の島の風景
三つの島はそれぞれの表情を持っていた。犬島では三島由紀夫の最後の檄文がアートになっており、精錬所の中の鏡の通路はとても不思議だった。また、昔の精錬所の壁が崩れかけたまま残されていたがそれも現代に生きる私にはとても新鮮なものであった。直島は2つの美術館と島にごろごろと存在する美術品、街プロジェクトと何度訪れても非日常があふれている空間であった。廃墟や古い建物でも、手を加えたり、時間を隔てたりすることでアートになるという発想を改めて学んだ体験だった。
2. 戦いの島の風景
今回の直島合宿で一番私が驚いたできごとは豊島の産廃問題資料館での石井亨氏の説明を聞いていた時である。ほぼ毎年豊島に訪れて、資料館を見学しているものの、今回は石井氏の実体験に基づく心からの解説があったせいか、豊島のおじいちゃん・おばあちゃん住民がデモを起こしている写真を見て涙が出た。豊島で静かに暮らしていたのに、健康不良に見舞われ、全国から批判にさらされ、東京へ飛びまわって豊島の真実を訴える行動を起こすことがどれだけ大変だっただろうか。また、一連の事件によりどれだけ寿命を縮ませただろうか。この1〜2年で私自身が世の中は正論が時に通らないこと、行動を起こし持続することが大変だということ、マスコミの力は時に暴走すること、凶悪事件に巻き込まれず健康につつがなく暮らせる生活が幸せだということが実体験を通して理解できたから今回の豊島資料館見学が例年とは違った感想を持ったのだと思う。
それにしても産廃業者松浦は今もぬけぬけと生きている。人に迷惑や危害を加えた者が得をすることもあるということを改めて理解した。
3. 直島合宿に思うこと
福武幹事と村田先生の講義を聞いて思うことは「日ごろ会うことのできない人の話を聞くことは形にはならない財産になる」ということである。アートとはまた違う非日常の体験である。2日間にわたり非日常のメニューが盛り込まれている直島合宿は、毎年学ぶ視点が異なっている。それは自分自身が一年間経験したことによって変化するのだろうと毎年思う。
今年の直島合宿も、素晴らしい学びの場を与えていただく喜びでいっぱいです。幹事の皆様、講師の福武幹事、村田先生、担当塾生の藤井勲さん、藤井貴之さん、端山さん、そして小山事務局長に心から感謝します。ありがとうございました。
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