2024年11月 100キロ歩行
『 100k例会レポート 』
2024.11.03
小郷 ひな子
(岡山政経塾 22期生)
昨年5月、49歳の私は、「40代最後の挑戦を何かしたい!」と、我が子も甥っ子もお誘いを即答でお断りした「24時間100キロ歩行に挑戦して、自分の限界を知りたい!」と運動が苦手な私が、敢えて苦手分野にチャレンジすることを決め、挑戦しました。
昨年は、何百人ものチャレンジャーがエントリーしていて、エイドも充実している中のチャレンジでした。励ましたり、励まされたりしながら22時間台で無事完歩。
そして、一年経った今年5月の100キロ歩行。挑戦するか迷った結果、万が一怪我して年明けの市議会議員選挙に影響を及ぼしたら・・・と思いエントリーしていなかったら、100キロ歩行にエントリーしていないのか、当日色々な方から問合せをいただき、「昨年1回限りではだめだな。これは歩かないといけんな」と思い、「来年チャレンジするので、来年応援お願いします!」とSNSで投稿したあと、岡山政経塾に入塾希望した時は、100キロ歩行が例会のカリキュラムの中にあることを知る余地もありませんでした。
グループディスカッションの面接で100キロ歩行予定を知った時は、「こりゃあ、例会の100キロ歩行である以上、選挙の怪我など言い訳はできないな!」と、その瞬間、「やるしかない!」と気持ちを切り替えたのを鮮明に記憶しています。
正直、焦りはなかったものの、良くも悪くも「やるからには諦めたくない。昨年とは状況も違うから完歩できる自信はない・・・」など思いながら、練習もせず、準備もせず、24時間100キロ歩行前日がやってきました。
「前日になったから、そろそろ準備しようか・・・」とシューズを買いに行き、シューズを購入し、何となく準備をしました。
ここまでだけ読むと、100キロ歩行を甘く見ているように感じると思いますが、私の中で、私なりの準備は頭の中でしていました。
腹巻、レッグウオーマー、手袋、カイロ等、足首や手首など体を温めることが大切だと、私なりに筋肉が硬くならないようなグッズを揃えていました。
あとは、当日、「辛い時、しんどい時こそ、どれだけ笑っていられるかで完歩できるかできないかが決まるわ!」くらいの気持ちでスタートしました。
今回の例会での100キロ歩行は、20人ぐらいの小規模での開催だったため、集団で励まし合うことは不可能に近いのではないかと不安を感じながらのスタートでしたが、予想通り、20キロ、30キロ・・・と進むにつれて前後に人影がなくなり、話し相手もいなくなってきました。気持ちが落ち込むとまずい!と思いましたが、私にとっては、途中、車で応援に来てくださったことで、精神的に安心し、一歩ずつ前に進めえうことができました。
午前中の大雨の影響で、靴も靴下もびしょ濡れの状態で、着替えのある備前体育館まで歩くには、歩き方に気をつけなければ足の皮がむけてしまう可能性があると判断し、正解がわからない中、自分なりに工夫し歩みを進めました。
着替えの地点では、足の裏にも大きな変化がなくホッとしながらも、このまま立ち止まってしまうと、足が動かなくなると、急いで着替え、冷えないために濡れたものは体から全て手放しました。
日が暮れてから女性には伴歩の方がついてくださり、精神的にかなり安定した中で歩くこができました。
交代で伴歩してくださり、70キロ地点についた時、柳井さんから「俺は4戦4勝だからね」と言われ、私は5戦5勝しないと認めてもらえないかも・・・なんて心の中で思いながら笑える私がいたのは、正直、自分自身思ってもいませんでした。
それは、悪天候、寒さ、練習不足(練習なし)等、条件が悪すぎたからです。
しかしながら、70キロ超えたら、急にペースが落ちていくのを感じ、体もしんどく感じ始めましたが、伴歩の方が私のペースがどのぐらいか教えてくださったことが逆に励みになりました。
残り30キロは、表面的には笑顔で話しができる状態だったものの、内面的にはかなりボロボロになっていました。
それは、私には、何としても7時までにはゴールするか、途中でリタイアして7時ぐらいには現地を出発し、10時からの公務出席という無茶苦茶なスケジュールが入っていたからです。なので、ペースが落ちる度に焦り、ここまで来たら時間切れでリタイアすることだけは避けたいと強く感じました。
最後の最後、ゴールまで10キロ切った地点から、更に心労が・・・自分との闘い、限界だと諦めた瞬間に全ては終わると自分に言い聞かせ、伴歩の方と一歩一歩着実に進み、午前6時29分頃(だったと記憶していますが)、ゴールと同時に柳井さんが握手してくださった瞬間、「間に合った。何とかなった。」と安堵しました。
今回の100キロ歩行は、昨年5月より精神的にはかなりきついものがありました。また、正直なところ、完歩は難しいと諦めムードでもありました。
人は苦しいこと、普通では考えられないことに挑戦する時に、自分一人の力で乗り越えられることは難しいと、改めて感じました。
辛い、苦しい、寂しいと感じる地点では、必ず誰かが傍にいてくださり、支えてくださったことに気づいた今回の100キロ歩行。
私は、100キロ歩行を通じて、肉体面では一人で完歩できましたが、精神面においては、一人では乗り切ることはできなかったと感じています。
「もうだめだ」と諦めた時、人は人としての成長は止まる、「限界を決めるのではなく、どんな時、どんなことにも挑戦する気持ちを持ち、何事にも“まずはやってみよう。本当に危険な時、限界は周囲の人が教えてくれる”と思います。チームの大切さも改めて感じる時間となりました。
命ある限り限界はないと思い、自分を成長させていきたいと思います。
今回の100キロ歩行に関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました。