はじめに
香川県高松市にある丸亀町商店街を視察で訪れました。再開発によって活気を取り戻し、成功例で全国からの視察が相次ぐ商店街。
丸亀町は歴史的にも、位置的にも高松の中心であり市民にとっても重要なメインストリートです。丸亀町商店街は多くの褒章を受けています。昨今、個人商店が疲弊し商店街の衰退はどこにでも起こりうる現象です。
①商店街 散策
全長470ⅿあり7つの街区(A街区~G街区)でできている。
6つ目の街区F街区まで歩くことができました。
気づいた点
*外国のショッピングモールのような造り
*国際的な有名店が多い
*全体的の雰囲気が明るい
*高齢者より若年層の買い物客が多い
②古川理事長の講演を伺って
古川理事長の言葉でとくに印象的だったのがこれからの街づくりは『人が住み人が集う』を目指しています。
バブル期のあおりを受けるとともに、瀬戸大橋開通で全国規模の企業流入や、最近トレンドの大型ショッピングモールの進出で、商業環境の大きな変化により衰退しかかった丸亀町商店街を見事に活気のある商店街。
商店街の再開発が成功したのは、一言でいえば丸亀町はコミュニティーが現存していたから。それがあったからこそ地権者の合意がとれたのです。
全国の失敗例に学び徹底的に調査しました。行政の再開発は地上げをし、新しいビルを建てテナントを招致する。
しかし衰退した場所は満足な業績を上げられずテナントは数年で撤収してしまう。そして空きビルができ、仕方なくお役所は公的な施設などで穴埋めをする。という悪循環が生まれます。だからこそ地元主導で街づくりは成功しないと私たちは考えた。
暮らしの機能を充実させ、買い物やサービスの利用をこの街で全て済ませることができるような環境を整えます。街区の上部を居住スペースにすることで居住人口を増やし、活気あるまちづくりを促進します。普通なら行政に頼ってしまいそうだが、行政は『すべからず主義』だ。行政にこだわらずやってみよう。そのチャレンジ精神が再開発の起爆剤となったと思います。
■再開発後には
・まちづくり会社が商業床を一体的にマネージメント
・定期借地により土地の所有と利用を分離
・地権者がリスクを負う変動地代
地権者は土地を所有し続け、まちづくり会社と定期借地権を結び、土地を貸し出して、建物は管理コストなど必要な経費を除いた分を地権者に分配します。
簡単に言うと地権者はこの事業に土地を投資し地代という形で配当を得る。こうすることで、土地の所有と利用が分離され、土地はまちづくりに望ましい形で合理的に利用されていくことになります。また、まちづくり会社が一時的に運営することができるので、マネージメントが合理的かつ、体系的にできるメリットもあります。そして60年後には更地にして返却をする。このような形態においては地権者の合意を得ることが最大の課題であり、『所有権と利用権の分離』をまちづくりに活用するのは全国で初の試みである。
■再開発によって、商店街に導入された様々な都市機能
・店舗の再配置(テナントミックス)
・広場
・イベントホール
・診療所(検査機能があり、入院施設を持たない医院)の導入
・商店街の上部にマンションの建設
コンパクトシティの実現
商業、文化活動、買い物、病院通いなどにも便利な町。そんな町になれば本当に豊かな生活が実現できる。小さくて住みやすい町の実現を目指して町の住民が自ら動く。それが丸亀町商店街の伝統でありスタイルです。
おわりに
私の住む兵庫県高砂市の商店街もシャッター街と化しているのが現状です。そんな商店街を快適で、人が集う商店街にどう変えていったのかを丸亀町商店街で学ばさせて頂きました。商店街は買い物をするだけで、人が住むなんて思いもつかなかったです。
マンションの上層に居住し、買い物を下ですれば確かに便もいい。さらに街に人を呼び込むならば病気になってもすぐ下に診療所がある等の医療の充実も安心である。居住者にとっては住みやすさの魅力を感じるだろう。私の地域の商店街もこのような発想力と、取り組み、丸亀町商店街の再生化をした知恵を一人でも多くに伝え、後世の街の繁栄に繋げられたらと思います。この度は本当にはありがとうございました。
残念だったのは、イケメンが誰も私をナンパして来なかったことです。