2018年 直島特別例会レポート(直島・豊島)
心を動かされる光
2018.08.04
和田 万里奈
(岡山政経塾 15期生)
はじめに
あなたにとって、直島・豊島はどんな場所ですか?ともし尋ねられたら、私はこう言うだろう。“不思議な力を感じ、心が満たされる大切な場所”だと。
合宿に参加するのは今回で3回目。初めて参加した際に、福武塾長が直島は「よく生きる」とは何か。「本当の幸せとは何か」を考える場所である。とおっしゃっていた。最初は正直なところ、あまりピンときていなかった。しかし、島に訪れる回数が増えるごとに心で感じその意味が分かってきた。3回目の直島合宿で考えたことをレポートする。
モネからのメッセージ
地中美術館にはクロード・モネの作品である、「睡蓮」のためにだけ作られた部屋がある。地中に満ちる光、床に敷き詰められた白大理石、白い砂漆喰の壁。睡蓮ファンにとって最高の空間だ。久しぶりの鑑賞にワクワクしながら、入口と部屋の間のスペースから睡蓮を見つめた。ここが私にとって一番睡蓮と向き合うことができる場所である。地中から注がれる光と、モネが描いた水面に戯れる光が画面で絡み合っている。前回までは、興奮や感動の感情のみだったが、今回はしばらく見ているとだんだん勇気や、やる気が湧いてきた。世間にバカにされ続けても自分の書きたいものを描いた印象派の画家の1人であるクロード・モネ。光が注がれた睡蓮を見ているうちに、自分の信じた道を進んでいいよ。というメッセージをモネから受け取った気がした。
睡蓮の他にも、ウォルター・デ・マリアやジェームズ・タレルの作品も光を題材としている。どうしてだろうか。自分なりに考えてみた。光から連想されるイメージは希望や期待など前向きなものが多い。人間も太陽の光を浴びることによって、幸せホルモンであるセロトニンを増やすことができる。アートと建築と自然が呼吸しあっている。この感動をもっと伝えていきたい。
これからの生き方を考える
光について考えていると、地域で頑張っている人たちの顔が浮かんだ。今年の春から、私は岡山駅前商店街でイベントのボランティアを始めた。このボランティアを通して、地域の為に活動をしている方達や、政経塾のOBの諸先輩方に出会うことができた。皆、笑顔が溢れて輝いている。きっと苦労もあると思うのだが、サラリーマンの私にとって刺激的である。皆が、地域を良くしたいという気持ちで同じ方向を向いて活動しているからだ。地域の元気や縁を作ることで幸せなコミュニティができる。私もその一員になりたいと、合宿中に改めて思った。やはり、私にとって直島・豊島は自分を見つめ直し考えることができる大切な場所である。これこそが、「よく生きる」だろうか。訪れる度に違う感動や気づきがある。次回の訪問時には、観光客の方と意見交換をしてみたい。どうして直島に訪れたのか、どんなことを感じたのか。
おわりに
来年は瀬戸内国際芸術祭が開かれる年だ。大好きな島に世界中から沢山の人が訪れる。こえび隊に入り、お手伝いをしたいと考えている。瀬戸内の魅力をもっと沢山の人に伝えたい。
最後になりましたが、福武塾長、小山事務局長、西美様をはじめ多くの関係者の皆様にお礼申し上げます。来年も参加します。