活動内容

ACTIVITY

2018年11月 伊勢神宮・おかげ横丁 視察

「縁を大切にする町・おかげ横丁」

2018.11.24

山本 瀧湖
(岡山政経塾 17期生)

はじめに

 この度、伊勢神宮とおかげ横丁に行って来ました。連休ということもあり大変な賑わいのなか、駐車場の待ち時間が60分にもめげず視察できたことが有意義な時間だったことだと思います。本レポートではその賑わいがある街並みと厳粛ある神宮の魅力をお伝えしたいと思います。

①おかげ横丁

 「お伊勢さんのほど近く神恩感謝の町がある」をフレーズにおかげ横丁とおはらい町を合わせて500メートルの街並みが広がります。敷地面積は約4000坪で古い建物が立ち並び活気に満ち溢れています。4000坪といえば東京ドーム(3490坪)に匹敵するほどの広さです。その中で28万人の訪れた参拝客がひしめき合っていました。

到着してからまず最初に、赤福本店前の橋を通り正面入り口から、常夜灯を見て伊勢神宮に来たんだと実感しました。
その後、みなと合流し伊勢のご当地うどん(ふくすけ)で伊勢うどんを食べました。
讃岐うどんとは違い、こしがなく、柔らかいうどんで「昔の先人たちは、お伊勢参りの時に長旅の疲れをこのうどんに癒されたんだろうなぁ」と感慨深くいただきました。
しかしながら充分お腹は満たされました。
余談ではありますが安濃のSAには伊勢うどんパンとなる
パンが売っていました。(パンの中の具材が伊勢うどんのみという)
パンの中の具材になるほど伊勢では伊勢うどんが愛されたいるのだなぁと感じました。その後デザートに赤福本店で込み合っている中赤福とほうじ茶をいただき、しつこくない甘味で長時間の車移動の疲れを癒すことができました。


店舗から見える紅葉の景色は季節感もさながら最高の景色でした。
私は数年前に伊勢神宮を訪れましたが、その時よりも参拝客が増えたなとの印象です。
おかげ横丁の由来は【赤福が創業の地、おはらい町で商いを続けてこれたことに対する感謝の気持ちと、江戸時代庶民の間で流行したおかげ参りの
故事に因んでいる。さらに「おかげさま」という日本的な心の尊重を祈念している。】とあります。この町はつねにおもてなしの心を大切にしている姿勢を肌で感じました。まさにおかげ横丁の旅は心のふるさとに帰る旅でした。

②橋川社長の講話

 株式会社伊勢福の橋川社長の講話を約1時間半にわたり勉強させていただきました。視察当日の参拝客が28万人でしたが2017年10月から2018年9月にかけての参拝客は内宮で-6.3%、おかげ横丁の来客数は-4.0%、売上が-4.1%ということです。これは式年遷宮がおわり、ちょうど客足が減る時期だということです。しかしながら、まだまだ改善する余地があると考え「大事なことを忘れてないか?」という視点でおかげ横丁の原点を確認することを考慮されていました。それは日本人の心のふるさと、神宮参拝客をもてなす、伊勢の町の本来の姿を現すというおかげ横丁の役割を確認する。次にお客様の判断は正しいと信じて全てを顧客満足度の観点からで切る売り方の見直し。70%のリピーターが相手の上顧客づくり、顧客データを作るための接客を考慮した接客を改善する。といった3つの視点が重要だと伺いました。また、おかげ横丁の価値観も大事にされており、世の中の役に立ち人の役に立つための商売の本質。時間の経過とともに価値を増すものを大切にする経年変化。信仰心と精神の若々しさがあれば永遠の価値が保たれる常若(とこわか)の思想。日本的精神を大切にする。4つの価値観が今後のおかげ横丁の繫栄につながるということでした。このような話はおはらい町の衰退から現在の繫栄まで試行錯誤されたのではないかというおかげ横丁の町づくりの発想ではないかと思います。橋川社長のおっしゃる通り「商売の極意は世間は正しい、消費者は正しい」という基本理念があるからだと感じました。

おわりに

おかげ横丁の欠点にトイレが少ないと感じました。特に女性客は来訪数にたいして本当に大変ではないかと思いました。また、子供連れの女性が言っていたのは「子供は前もってトイレがいえないからトイレが少ないのは不便だ」という声が聞こえたのが印象的でした。遠方から来る客がまず最初に行くところはトイレであり、帰る前にもトイレに行くのでやはりトイレ数は大事ではないかと思います。おかげ横丁で出会った方々と橋川社長に感謝を申し上げ今回の視察研修のレポートとさせていただきます。帰りの6時間半の運転はとても大変でした。しかしながら、伊勢の魅力に触れることができ有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。


伊勢の名物 赤福をお土産に。