2004年 100km Walk
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◆堀内 ともえ(岡山政経塾 三期生)
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「24時間岡山散歩」
H16.5.10
1)歩く前に
“24時間で100km歩く”ことについての第一印象は全く想像の付かない未知の世界だということでした。なんて体に良くない無謀な行事なんだと冷静に思う自分と、未知の世界を見てみたいという好奇心を持つ自分がいました。参加するかしないか決め手になったのは、達成感を久しぶりに味わいたいという最近にない気持ちで、後者の自分を実行することに決めました。幸い私は、どこのおばあちゃんかという感じですが歩くのが好きで、健康維持のため普段も週2〜3回の徒歩通勤(片道30分)をしていました。そこで私のテーマ曲は「となりのトトロ」より 〜さんぽ〜です。
”あるこう あるこう わたしはげんき
あるくの だいすき どんどんいこう”
ずばりこれです。実際はもちろんこんなに穏やかでお気楽ではなかったですが、あくまで根底の気持ちとしてです。
2)前半散歩
前半50kmをできるだけ最小の時間で歩き、未知の世界の後半に時間をかけようと考えてスタート。10km歩いた時点ですでに足は重かったのですが、予定通り前半の50kmはしんどいなりに時間がずれることなく歩けました。40kmまで一人で歩いたのは、かなり孤独で精神的にマイナスでした。40km備前市体育館のチェックポイントで、それまでずっと見えたり見えなかったりの距離にいた大西さんが2人で歩いた方が楽だからと、一緒にそこから歩いてくれました。これが大正解でした。100km歩行以外の雑談をしながら自然に時間と距離がたって精神的なエネルギーの減少はなし。ためになる話もしてもらい、大変感謝しています。
3)後半散歩?
そして50kmを過ぎて夜10時、閑谷学校に上がる手前のローソンで後ろから田中一平君が追いつき合流。実はここからゴールまでずっと一緒に歩く友になるとは、この時点では思いもしませんでした。どう歩いたら、休んだらいいかきめ細かい指示のもと、風よけに車よけに時には人間ジュークボックスになって頂きながらサポートしてもらい、おかげで85kmまでもまずまずのペース。と言ってもそれなりにしんどかったと思うのですがこの後が比較にならないほど辛かったので忘れてしまいました。
これはもしかしていけるかもと考えた夜が明けてからの残り15km、休憩で回復してきた足全体の重さと痛さが回復しなくなり歩くことに今までの数倍のエネルギーがかかってきました。あーやばいな、と思いながら自分のキャパシティーを超えて限界以上の世界に入ったことを認めざるを得ない状況にどんどんはまっていきました。眠気と吐き気も起こってきて足だけだった疲労が体全体に出てきました。
正直気持ちだけで歩きたくないと思っていましたが、体力は限界がきているので最後は気持ちの力を信じて歩かなくてはいけなくなりました。といっても眠気がひどく、なかなか気持ちも引き出せません。折り返し50km地点の時よりもゴールが遠くに感じ、ほんとうにもう止めたいと思っていた時、保護者のように一緒に歩いてきてくれた一平君が一言“ここまできたんだから、どっちが先とかじゃあなくて、同時にゴールしよう”と言ってくれました。それを聞いて、あ、これは裏切れないと思いました。そこからは機械的に足を前に出すだけでしたがとにかく続けて、そして最高に辛かったラストの15kmを乗り切り、ゴールすることができました。最後はずっとなりたかった裸足になってゴール。ひんやりしてとても気持ちよかったです。
4)感謝の気持ち
真っ暗な道でサポーターの方が車から一声かけてくれると安心できました。空になったペットボトルを捨てて頂けるだけでなんだかとても助かりました。コンビニやスーパーでバナナ一房はさすがに重いし買えないなあ、と思っていたらチェックポイントで一本だけのバナナを差し出してもらい、人一倍喜んでいました。そんなサポーターの方々、そして一緒に歩いてくれた人、何度も前後になりながらが長い道のりを進んできた人、いろいろな人に気持ちをもらって支えてもらいました。道中一番エネルギーをもらったのはそんな人々の本気で頑張っている姿です。人が人に与える力の大きさを改めて感じ嬉しかったです。
みんなで頑張る楽しさ、そして歩くことの楽しさ、限界を超えた苦しさ、久しぶりの達成感、周りの人に対する感謝、たくさんのことが経験できた100kmでした。
5)今後につなげる
せっかく100km歩いたので、それを自分の日常にと考え、ひとつひとつのことを大事に思って気持ちを注いでいこうと、そしてもっと人に頼っていこうと思いました。
もうひとつ、100km歩行自体の今後は。100kmは何度もいうように想像のできない距離で、どれだけの準備ををすればいいのか検討がつかないし目標や心構えは人それぞれです。どうしても準備不足で歩いてしまうことも出てきます。もちろんそれを糧にして一年後の飛躍につながってもくるとも思いますが、仕事に影響が出たり体を壊してしまうことを最小限にすることがこの企画を今後よりいいものにすると思います。その為には準備の必要性を十分に伝えた上での参加や、一年目はサポーターとしての参加をまず中心に考える(それでも歩きたいという人はたくさんでてくると思いますが)等の形が必要かとも思いました。サポーターとして参加して、どれだけ大変なのか実感した上で、誰しもが来年は歩きたいときっと思うでしょう。あくまで私の勝手な一意見ですが最後に秘かに付けさせて頂きます。
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