2011年 100km Walk

 
◆野田 裕一朗(岡山政経塾 9期生)

岡山政経塾 100km歩行レポート             2011年5月17日
「恩送り」



はじめに

 昨年私は、良い意味で周囲の期待を裏切り、23時間36分をかけて完歩することができました。実は、その時点から決めていたことがあります。それは「今度は自分がサポートする」ということ。昨年のレポートにも書きましたが、私が完歩できたのは自分ひとりの力ではなく、たくさんの人たちの応援や支えがあったからです。岡山政経塾9期生野田裕一朗!今年のチャレンジャーの少しでも力になりたい!そんな想いで今年の24時間100km歩行を迎えました。



空回り人生そのもの

 今年の100km歩行本番まであと3週間。卒塾式で今年のサポート隊長である波夛さんに「伴歩でも何でもしますよ!」と言ったにも関わらず、子どもと始めた朝のジョギング中に、左ふくらはぎの肉離れをしてしまいました。仕事の関係で合同練習には参加できなかったけど、いつでも伴歩ができるよう体だけは作っておこうと極秘練習していたのに。「だけど、焦る必要はない。まだ3週間あるじゃないか。」そう自分に言い聞かせジッと我慢する日々。そして、直前のサポート会議の日には野球ができるまで回復しました。しかし、油断したわけではないが、この試合で同じ場所を再び肉離れ。もうこれで完全に伴歩はアウト。サポート会議の後に波夛隊長に謝りに行きました。「すみません。伴歩しますと偉そうに言っておきながらこんなこと(肉離れ)になってしまいました。」すると波夛さんは「最初から伴歩させるつもりはなかったから気にしないで。」…そうだったのか。



ゆでたまご

 伴歩できなくても、何か自分にできることはないのか?今年も応援メッセージ入りのゆでたまごを差し入れさせていただきました。実はこのゆでたまご、「苦しいのは自分だけじゃない!」「ドMになれ!」「来年も歩きたいのか?」「死にはせん!!」「リタイアしたら小山さんにずっと言われるよ。」などなど、夜中の苦しい時間帯に食べることを想定してメッセージを書きました。なので、昼間に食べると少々暑苦しい言葉もあるかもしれませんが、このゆでたまごを食べることによって、苦しい時間帯を乗り越え、一人でも多く完歩してくれたらこんなに嬉しいことはないですね。ゴール後、7期の難波さんが「苦しい時に野田さんのゆでたまごを取りだしたら、『下を向くな!前を向け!』と書いてあって、勇気をもらいながら食べたよ。」と言ってくれました。とても嬉しかったです。しかし、そのあと難波さんはこう言いました。「でも、すぐ下を向いたけどね〜。」…そうだったのか。



初めてのサポート

 私は同期の小林くんと45km地点とゴールを担当させていただきました。(余談ですが、声の大きさや、車の中から手を振る姿はさすがでしたよ。小林議員。) ゴール担当をさせていただき一番良かったことは、チャレンジャー全員のゴールの瞬間が見えたことです。ほとんどの方が見ていないと思うのであえて書かせてもらいますが、トップでゴールした西村さんは、なぜか走ってゴールしました。そして、その後姿が見えないと思っていたら、赤いジャンパーを着てサポートに回っていました(もう同じ人間とは思えません)。10期のトップでゴールしたのはディネージャー南くん。彼は、どんな時でも誰よりも笑顔だったのに、ゴール手前から号泣でした(彼からは笑顔の力を学ばせてもらいました)。そんな限られた人しか見えない瞬間に立ち会えたことは本当に幸せでした。そして、実際にサポートしてみてわかったのですが、サポートする側は想像以上に大変でした。昨年、サポート隊の皆さんには心から感謝したつもりでしたが、実際に自分がサポートする側になり、改めてサポート隊のありがたさを痛感しました。昨年の御礼だけでは不十分です。昨年サポートしていただいた全ての方々に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。サポート中に、そんな話をしていると、ある方がこう言われました。「今年は比較的まとまって通過するから昨年に比べたら楽だよね。(悪気なく)」…そうだったのか。



見事リベンジを果たした同志へ

 実行委員長というプレッシャーに打ち勝った難波くん。途中であなたの顔を見た時、今年は必ず完歩すると確信していました。ゴールした時の顔は、一年間共に過ごしてきた中で最高の顔だったよ。完歩できてよかったね。本当におめでとう。
 誰よりも完歩という目標に対して執念を見せた清水さん。最後の河川敷であなたの姿を見た時、涙が止まりませんでした。自分との戦いに勝った清水さんの姿は最高に格好良かったよ。完歩者限定写真に今年は堂々と写れてよかったね。本当におめでとう。


最後に

 今年もたくさんの学びと感動のあった24時間100km歩行。塾生OBが一番集まるのも仕方ないですね。こんな素晴らしい行事は、岡山政経塾だけでなく、県民にも広げてほしいと思います。
 最後になりましたが、全員完歩という偉業を成し遂げた10期生の皆さん、そして、西原幹事・小山事務局長をはじめ、波夛隊長を筆頭にその偉業を支えたサポート隊の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。来年こそは万全な状態でサポートさせていただきます。
 昨年の今頃は、もう二度と歩きたくないと思った100km歩行。今年はもう一度挑戦してみたいと思う自分がいます。ただ、モチベーションが見つかりません。この気持ちを野球に例えると、燃え尽きて引退したはずなのに、現役復帰を考えているプロ野球選手のようなものだ。