2013年 100km Walk

 
◆杉本 敏樹(一般参加・ゼッケン:270)

晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート             2013年5月24日
「無題」




何はともあれ、初挑戦で完歩できたこと、そして体を壊さなかったことに安堵しています。
私はほぼ35年近く、運動とは全く無縁の生活を送っておりました。そのため、100kmもの距離を無事に歩くことができるとはとうてい思えませんでした。そんな私でも完歩出来たのは、一緒に参加しようと誘って下さった先輩のアドバイスとその奥様のサポートがあったこと、さらには共に歩いてくれた仲間たちがいたことです。もちろん、岡山政経塾のスタッフの方々には大変お世話になりました。またホームページからの情報も大きな助けになり、心から感謝したいと思います。

準備
情報:私の先輩は昨年初参加で完歩され、その体験談は大変参考になりました。信頼できる人の体験談は説得力があり、不安を払拭する効果が絶大でした。殊に当日朝に「今夜は冷えるから、寒さ対策をちゃんとするように」と電話をいただき、そのおかげで服の準備ができました(それでも想像以上の寒さで、つらかったです)。
また、昨年の参加者のレポートを、仲間の一人が印刷してくれ、これも貴重な情報源でした。具体的な物品の名前など全く知らなかった私が、本番までにいろいろ試して自分にあった物を選ぶことができました。

装備:半年前にスポーツ店で足の採寸をしてもらい、シューズとソックスを購入しました。シューズは大変良かったのですが、その後の練習でかなりすり減ってしまい、ずいぶん迷いましたが、本番1カ月前に新しいシューズを購入しました。
ソックスは5本指のタイプで、店員さんのお薦めでウール素材のものでした。
後は政経塾のホームページを参考に、サポータータイツ(CWX)、ジャケットなどを購入しました。リュックは、昔子供が使っていた小ぶりの物にしました。
ヘッドライトや点滅するLEDライトはいろいろあって、本番直前まで買い物を楽しみました。
マラソンやトライアスロンをしている知り合いに勧められて、ガーミンウォッチを用意しました。距離やペース、ネット上で自分が歩いたルートを表示することができ、練習や本番で心の支えになりました。

物品:500mlのペットボトルのお茶を持って行くことにしましたが、重量を減らすために中身は半分にしました。絆創膏や日焼け止めのスプレーも持参しました。
特に良かったのは昨年のレポートでも紹介されていた、ボルダースポーツでした。休憩のたびに靴とソックスを脱いで、ボルダースポーツを塗るように心がけました。適切なシューズ、ソックスを選択してボルダースポーツを使ったことでマメができず、無事に歩行できたと思います。
食料はコンビニでの購入を考え、何も用意しませんでした。実際には当てにしていたおにぎりはどこでも売り切れていて、がっかりでした。先輩の奥様からの差し入れや、サポート地点でのうどんやおにぎりが本当にありがたかったです。夜間は、缶コーヒーを購入して懐炉代わりにして、ある程度冷えたら飲んでカロリー補給をしました。

歩行:ホームページでは、長距離を歩くことには練習の意味はないと書かれていましたが、長距離を歩いた経験がなかったことと、ウォーキング自体が楽しかったので、下見として実際のコースを4分の1ずつに分けて、一通り歩きました。
公式練習会に何回か参加させていただき、「このペースで歩くことができて完歩出来なかった人はいません」との言葉に勇気づけられました。
週末は近所の山に登る5km程の歩行をしました。平日は職場の近くを夜間歩きましたが、その際に一度転倒を経験しました。疲労度が強くなると足が上がらなくなって、ちゃんとした歩道を歩いていても転倒の危険があり、しかも結構なダメージとなることが身にしみました。

本番
前日はどうしても緊張感が高まっていたので、2.5km歩いて早めに就寝しました。
幸いぐっすりと眠ることができ、当日スタート地点で仲間の顔を見て、落ち着きました。また、歩行中は知人から応援メールをもらい、絶対にリタイアするわけにはいかないと決意を新たにしました。
前半は天気も良く、気が張っていたため、ついついペースが速くなりがちでした。仲間がいなかったら、おそらくオーバーペースで後半リタイアということになっていたと思います。「タイムや順位を競うのが目的の人は別だけど、完歩が目的であれば、なるべくとばしすぎない方がよい」という先輩のアドバイスの正しさを実感しました。
それでも、最後の20kmを切ったあたりからは、完全に足が棒になって、自分の意志とは無関係に、ただ機械的に右足・左足と交互に前に出しているだけという状態でした。ペース云々の騒ぎではなく、転倒の恐怖との戦いになってしまいました。
ゴール後は仲間が用意してくれた氷でアイシングをさせてもらいました。これもすごく良かったです。最後の大変つらいときにコンビニに立ち寄って、氷を購入して運んでくれた仲間に心から感謝です。

最後に
今までに既に書き尽くされていますが、24時間100km歩行は間違いなく自分の限界への挑戦で、自分の体力・精神力の弱さを知ることができる貴重な体験でした。その一方で充分な情報収集と、周到な準備によって限界を遠ざけられることも体験できました。もちろん、周到な準備をするためには、ただ自分一人の力では不可能で、心優しい人々のサポートを受ける必要があります。その過程で自分の至らなさを思い知らされるとともに、心からの感謝の気持ちを持つことができました。
2週間以上が経って、既に日常に忙殺されていますが、ゴールしたときの思いを忘れないように、日々を送りたいと思います。本当にありがとうございました。