2013年 100km Walk
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◆齋藤 知佳(一般参加・ゼッケン:349)
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晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート 2013年5月29日
「100キロを歩いて。」
完歩できて良かった。諦めなくて良かった。
それが一番の感想です。
100キロを歩いて感じたことはたくさんありました。
100キロは間違いなく長い距離であることや、足の痛み、空腹…
その中で学んだこともたくさんありました。
たとえ遅くても痛くても、人は足を前に出し続ければ、進むことができることや、
人は、自分のためよりも他人のための方が頑張れるのかもしれないということ。
あと、「ゴールがある」ということは幸せであるということも。
昨年参加された方にお誘いを受けての参加でした。
装備のアドバイスから練習会参加のお誘いまで。今思えば、準備のすべてから人に支えられていました。
100キロなんて無理だろう。練習を重ねてもなお、どこかでそう思っている自分がいました。暇を見つけては歩くようこころがけ、サポーターなどの装備も準備し、臨みました。ろくに運動をしてこなかった私にしては頑張っていたように思いますが、自信は最後まで持てませんでした。
いざスタート。
緊張しながらも順調な歩きでした。
30キロ手前で足の裏が熱くなり水膨れができ始めていましたが、バンドエイドとワセリンで予防措置。10キロ以上の連続歩行はすでに未知の世界です。
あれっと思ったのが40キロ地点。急に太ももがピクピクし出し、ペースダウン。
第一の危機を救ってくれたのが、備前体育館での温かいサポート、声援、差し入れでした。そして鎮痛剤。
ここから劇的に回復を見せ、これはゴールできるかも!と密かに確信。伊里漁港までと、閑谷の山越えは、仲間10人と共に歩いていたこともあり、心強い歩きでした。
しかし、、、
閑谷での休憩地点を出る時から苦痛との闘いが始まりました。
寒い。そして足の裏が痛い。一歩を踏み出すと電気が走るように痛いのです。
心強かった仲間のペースに合わせるのが辛くなってきました。やっとの思いで70キロ地点。「辞めるなら今だな」そんな考えが頭をよぎります。
一人の挑戦だだったらここで辞めていたと思います。「そろそろ行こうか」誰かの声に導かれ、電気の走る足を前に前に差し出しました。
ここから仲間とははぐれ、少人数で歩きます。
無言でひたすら歩きます。
ひたすらひたすら歩きます。
付き添いの方に励まされ、景色を見ては気を紛らわせ、世があけて行きました。こんなに足が痛いのに眠気は容赦なく、ふらついているのが自分でもわかります。
もう休みたい!!立ち寄ったコンビニで、見ないようにしていた足裏を見てしまいました。
大きな無数の水膨れ。「そりゃ痛いよ。」妙に納得してしまいました。
人は原因がわかると不思議なものです。流血してるわけではないのだから、水膨れがないものとして歩こう。これまでと同じように歩こう、とマインドコントロール遊びを始めました。面白いことにこれでペースアップ。残り10キロと言われ、さらに調子があがります。
これを調子に乗る、とはよく言ったものです。
突然、「パンッ」と足裏で弾ける感覚がありました。「あ、終わった…。」
最後まで一緒に歩いてくださった2人に先に行ってもらい、1人潰れた水膨れの処置をしました。
落ち込み、反省をしました。
歩くスピードは一気に落ち、このままだとギリギリ間に合わない計算となりました。
「ここまできたら、24時間を過ぎてもいいや。とりあえず行こう」歩き出しはしましたが、急ぐことを辞めてしまいました。
涙が出そうになりました。調子に乗った自分、諦めそうになっている自分に情けなさが募ります。
そんな時、さっき先に行ってもらった1人が心配して引き返してきてくださったのです。目を疑いました。
この状況で引き返してくることにただただ驚きと、感謝、そして「なんとしてでも24時間以内にゴールしなくては!!」という気持ちが湧いてきました。
その後は、あと何キロ、もう少し、あとちょっとでゴール、それだけを考え歩き、
見事24時間以内でのゴールを達成できました。
スタート前、80歳の参加者と偶然お話する機会がありました。
「100キロ歩く苦痛なんて大したことはない。
だって100キロの苦痛には終わりがあるでしょう?」
あぁ本当だ。人生の先輩の言葉の重みを感じた瞬間でした。
これから未熟な私は、もっともっと困難なことに出くわすかもしれません。
困難から逃げがちな自分。自らを律し取り組むことが苦手な自分。
今自分がここにこうやって晴れ晴れな気持ちで立っていられるのは、自分で勝ち得たのではなく、幸運な、人との出会いによってもたらされたものであることが痛いほどよくわかりました。
恵まれた環境に感謝し、自分の弱さに向き合い、成長して行きたいと思させてくれた100キロ歩行と、運営に携わっていただいた皆様、
色々と誘ってくださった先生、当日たくさんのサポートをくださった奥様、一緒に歩いてくださった仲間の方々に、この場をお借りして、感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!
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