2013年 100km Walk
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◆野田 佳宏(一般参加・ゼッケン:356)
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晴れの国 おかやま 24時間・100キロ歩行レポート 2013年5月22日
「2つのチャレンジ」
2年連続の参加となった今年の100q歩行、私にとっては2つのチャレンジでした。
1つ目はもちろん、「自分自身の100q歩行へのチャレンジ」です。昨年の100q歩行、完歩することはできたのですが、順位を気にするあまりオーバーペースとなってしまい、ラスト30qは自分が思っていたペースをキープすることができませんでした。「まぁ、これが自分の実力」と結果を素直に受け止めようと思ったのですが、日が経つにつれて悔しさがこみ上げて来ました。しっかり練習しただけに、余計に悔しくて悔しくて…。振り返ってみれば、秋ごろにはチャレンジを決意していたと思います。
また、去年は歩くことに精いっぱいで全く余裕が無く、サポーターや炊き出しをしてくれる方々に対してキチンと感謝の言葉を伝えることができませんでした。
ですので、今年は、「目標ペースをキープし続け、感謝の言葉を大きな声で伝える」を目標としました。
もう1つのチャレンジは、「新入社員研修としての100q歩行を成功させる事」です。わが社では、今年から新入社員研修に100q歩行を取り入れることが決まっていました。採用条件に、「5月に100q歩行に挑戦してもらいます」と明記したので、その事を了承した勇気ある5人の若者がわが社に入社したことになります。ただし、「自ら歩く」ではなく、「会社に歩かされる」部分もありますので、そのようなモチベーションの社員を何とか全員完歩させるための準備をしっかり行い、全員完歩を達成する事が目標となりました。ちなみに、新人以外でも2名の社員が自ら100q歩行に手を挙げ、私を含めて8人の社員がチャレンジすることになりました。
《準備》
(1)自分自身の準備
昨年とほぼ同様の準備を行ったので割愛しますが、去年と違う点だけ。それは20q〜30qの長距離の練習を数回行ったことです。大会の資料には「長距離練習は効果が無い」と書いてありますが、私はそうは思いません。20q、30qと言う距離が「知っている距離」であることは、肉体的には勿論ですが精神的な余裕を生んでくれたと思っています。
(2) 新入社員研修としての準備(来年以降、社員研修に100q歩行を取り入れようと検討している企業の方の参考になれば幸いです)
1) 募集段階
「研修で100qに参加してもらいます」と明記する。これをしないと、4月に入社して1ヶ月で本番になってしまいます。これでは時間が絶対足りません。また、選考時にも繰り返し100q歩行の事を強調しました。内定後も何度か会社に来てもらい、100q歩行に向けてのミーティングを行い、入社までの期間に必ず自主練習をするように何度も伝えました。
2) 練習会の実施
3月下旬から週2回、会社を起点に1周7qのアップダウンのあるコースを選び練習会を実施しました。幸いな事に、わが社には100q歩行経験者が複数名いるので、誰かが必ずペースメーカーとしての役割を担ってくれました。また、100q歩行挑戦者以外の社員や社員以外のチャレンジャーにも練習会を解放したので、一番多いときは20人以上での練習会となりました。この練習のおかげで、体の準備はもちろんですが、様々な知り合いが増えたことが新入社員にとっては本番での助けになったと思います。この練習会に参加していた社員以外のチャレンジャー3名を含め、総勢11名がチームのだ初として黄色いTシャツを身にまとい100q歩行に挑戦することになりました。
ただ、最初の練習会では誰ひとり時速7qのペースについてくることができませんでした。入社前のミーティングで何度も伝えたのですが、練習などほとんどしていなかったのです。正直焦りましたが、やはり若さは武器ですね。最初は時速7qについ来ることができなかったのに、回を重ねる毎にどんどん速度が速くなります。今だから言えますが、実は回を重ねる毎に少しずつペースを上げていきました。最終的には時速を7.2qまで上げましたが、新入社員は全員クリアしました。
3) ミーティングの実施
練習会だけでは伝えきれない物の準備の事や昨年の挑戦者の体験談などを伝える場を設けました。ただ、チャレンジャー側のミーティングばかりでサポートに廻る社員のミーティングを忘れてしまいました。連絡手段も分からず、チェックポイント毎の時間配分も分からないままサポートをさせてしまった社員にはずいぶん迷惑を掛けてしまった事を反省しています。
《スタート直前》
スタート地点で昨年もお見かけしたゼッケンNo.116 の沼田さんが隣になり、少しお話しをさせて頂きました。「どうして今年も出ようと思ったのですか?」とお聞きしたら、「去年は辛くて楽しめなかった。だから、今年は100qを楽しもうと思って」とおっしゃられました。その言葉を聞き、私は自分の事と社員研修の事でいっぱいいっぱいになっている自分に気付かされました。そして、ここまで来たら他のチャレンジャーの事は応援に掛けつけてくれる社員に任せ、自分の100q歩行を楽しもうと決意しました。
また、去年の経験から、体力的には「68qのリバーサイドが折り返し地点」と思っていたので、リバーサイドまでは絶対にオーバーペースにならないように決意しました。
チームのだ初のメンバーにも、「100q歩ききると言う断固たる決意を持って、焦らず楽しもう」と声を掛けました。
《本番》
「目標ペースをキープし続け、感謝の言葉を大きな声で伝える」に加え、「100q歩行を楽しむ」ことを目標に本番がスタートしました。
ただ、いざ本番が始まると、思いのほか周りのペースが速いのなんの。一時は時速8q位は出ていたと思います。順位は気にしないとの決意はどこへやら、去年の反省はどこへやら、今年もオーバーペースで気付けば25q地点まで来てしまいました。この辺りで去年は全くなかった痛みが右足に走り、さすがにやばいと思ってペースを落としました。その後は「リバーサイドが折り返し」と何度も自分に言い聞かせ、焦らず自分のペースで歩く事ができました。
そして、最後まで楽しみながら無事に目標達成ができました。リベンジ達成です。全部出し切りました。限界以上のものが出せたと思います。もう何の悔いもありません。これで来年は心置きなくサポートに廻れます。
また、何度か一緒に歩き、お話をさせてもらったゼッケンNo.80の内田さん、常に前を歩き続けてくれた内田さんの存在が、私に実力以上の歩きさせてくれたと思っています。ありがとうございます。
ゴール後にお話をさせてもらったゼッケンNo.6の今広さん、90qを過ぎてのあのスパートは驚異的でした。凄すぎて、抜かれたにも関わらず清々しい気持ちになりました。こうした出会いも100q歩行の楽しみだと思います。
さて、こうして自分自身のチャレンジは終わりましたが、まだもう1つのチャレンジが残っています。私もすぐにサポート廻りたかったのですが、さすがに体が言う事を聞いてくれず、全く役に立ちませんでしたが、私以外の社員がしっかりと他のチャレンジャーのサポートをしてくれました。朝からサポートに廻ってくれていた社員に加え、仕事が終わってぞくぞくと社員が応援に駆け付けてくれました。サポート体制についてロクに決め事もできていなかったのに、各自の判断で各チェックポイントでチャレンジャーをサポートしてくれました。中には、仕事終わりに駆け付け朝までサポートをし、そのまま仕事に向かった強者もいました。知っている顔が応援に駆け付けてくれるだけでもチャレンジャーにとっては力になったと思います。結果は11人のチャンレンジャーのうち、10人が24時間以内に100q完歩、1人が24時間完歩を成し遂げることができました。
特に、24時間完歩を成し遂げたチャレンジャーに関しては、ボロボロの状態になろうが、どうやっても絶対に制限時間内にゴールすることができないとわかっている状況であろうが、最後まで諦めず24時間歩き続けました。24時間歩き続ける事がどれだけ大変か…。おそらく一番の気付きあったのではないでしょうか。
この100q歩行を通じて、何を感じ、何を学び、何に感謝に、今後の人生にどうつなげていくのか?チャレンジャー一人一人とって、大切な気付きが得られたと思います。特に、新入社員に関しては、入社間もない時期に仕事と100q歩行ととても大変だったと思いますが、良くぞ乗り越えてくれました。必ずやこの経験が彼らの今後の人生にプラスになってくれると思います。
《最後に》
まず、何より、運営スタッフ、ボランティアのみなさんに感謝です。お金を払ってまでサポートするなんてそうそうできる事ではないと思います。色々な100qウォークの大会に出た経験のある方がブログでこの大会の事を、「二回目の開催とは思えないほどサポートがしっかりしている」と評していました。単なるウォーキング大会ではこうはいかないと思います。政経塾の方々の志と、その志を理解したボランティアスタッフの方々の努力には、本当に感謝の言葉しかありません。ありがとうございました。また、ゴール後に急に寒気に襲われ体が猛烈に震えだしたのですが、私物の毛布を出してまでサポートして頂いた尾上さんを始めとするサポートスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。この大会のサポート体制を知っているからこそ、安心して研修に取り入れる事ができました。今後もわが社の社員研修に取り入れ続けたいと思います。
また、丈夫に生んでくれた両親、82qの瀬戸までずっと応援をしてくれた家族、サポートに駆け付けてくれた社員、練習会につき合ってくれた社員、我々が100q歩行に参加している間に手薄になった会社を支えてくれた社員、皆に感謝の言葉を言いたいと思います。本当にありがとうございました。
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