2008年6月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会
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◆源 真典(岡山政経塾 五期生)
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『国を守る人達』
はじめに
前々から楽しみにしていた自衛隊例会がとうとうやってきた。地獄のような特訓が待っているとも知らずに・・・
初日
まず、謝らなければならないことがある。前日、車にガソリンを入れるのを忘れていて、当日GSに寄ったことにより、私たちのせいで遅刻をしてしまったことである。規律の中で2日間を過ごす自衛隊でいきなり規則を破ってしまったのである。自衛隊、岡山政経塾の皆様に迷惑をかけてしまったこと、本当に申し訳ありませんでした。
そんな動揺の中、憧れの迷彩服を貸して頂き、身を包む。ピリピリの雰囲気の中、無言で着替えていたが、私の口元はなぜかニヤけていたのである。しかし、ここから私の口元がニヤけることはなかった。規律と秩序の中で、隊員の自己紹介等を聞き、中隊長の貫禄ある厳しさがヒシヒシと伝わってくる。「あっこれはやばい」と覚悟をしていたはずの私に、更なる覚悟を叩き込まれた感じである。とにかく、国歌斉唱で君が代を思いっきり歌ったことを思い出す。
ここからが地獄の始まりでありました。聞いたこともないかけ声の基本教練。何もかもが日々の生活とは全く異なる。敬礼だけでも3種類あり、全員で歩を揃えながら歩くことはとても難しくその言葉の意味もよく分からない。やっと終わったと思ったらたった5分の休憩、実際には早めに集まらなければいけないので3分ぐらいか。休んだ気になるはずもなく、直ぐさま天幕張りに移る。それもたった一度で見て覚えろと言わんばかりの私が一番苦手とする部分。案の定、何からすれば良いのか分からない。そんな時に助手から班長に任命される。そこから私の意識が一気に変わる。この3班のために!という想いがでてきた。分からないなりに助手に聞き、スムーズに終えることができたのである。最初は何も分からないのに班長を任されても・・という想いがありましたが任された瞬間から助手に聞くことができたことは、やはり意識の問題が大きいのだと感じました。そして、聞くまでもなく一度見ただけでテキパキとこなしていく3班の皆様の意識の高さ、その能力に驚きました。
そして、初日の大勝負体力測定がやってきました。日頃から運動をしていない私にとって2分間の腕立て伏せ、腹筋は中々時間が経たず終われば腕が上がらない状態で、生涯苦手を突き通している3000b持久走がやってきました。結果は散々です。改めて体力のない自分が更に体力がなくなっていることに気づかされました。短距離と力には自信があるのですが今回の例会ではどちらも発揮することができず、残念で仕方ありませんでした。
2日目
朝の3時に「起床!起床!」と助手の声が天幕内に轟く。私は昨日の夜に隊員の方からその情報を入手していて3班には心の準備を伝えていた。そのおかげもあり3時の起床に動じることもなく、朝の行軍を迎えることができた。
心の準備はできていたものの体はバキバキで膝は腫れ上がっている。100`歩行を歩いた自信もあり、なんとかなるだろう・・と気合いで乗り切る覚悟でありましたが、無言で隊を乱さず歩くということの辛さを2周目から気づき始めました。何度となくやめる言い訳を考える自分と向き合いました。しかし、最後までやり遂げることができたのも100`歩行のおかげであります。その後の基本教練では段々慣れてきたこともあり、少しは班長らしくできたのではないかと納得できるものでありました。
今回の例会で実際に感じたことは「100`歩行より辛いのではないか?」という2日間でした。日々の生活の中で時間に迫られている感じでしたが、自衛隊の中では時間が全てでありました。便所に行く時間も計算し、風呂に入る時間も5分でした。日頃どれだけ時間を贅沢に使っているかということに至りました。国を守っている人たちの日々の訓練には頭が下がる想いです。戦場や災害時などの危険地区での活動ではこの厳しい訓練がなければ国を、人を守ることが出来ません。守るという動詞の意味を考えさせられた2日間でありました。
地域を守る。家族を守る。会社を守る。人を守る・・・日々自分の態度や行動を律し、気づき、学びという訓練を続けることで自分の守るものを守っていけるのだと、また、守っているのだと実感した生活体験でした。
最後に
長岑先生、小山事務局長、山田OB会長には厳しく、そして温かく見守って頂き、本当に感謝しております。貴重な経験を積むことができました。そして、自衛隊の隊員の皆様、参加された岡山政経塾の皆様と一緒に厳しい時間を過ごし、様々なお話しができたことこれが財産です。本当にありがとうございました!来年は・・・
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