2006年 直島特別例会

 
◆石川 尭 (岡山政経塾 五期生)

直島合宿レポート



 自然を愛し尊敬すること。自分の信念を持つこと。その信念に従い行動すること。この三つが今回の合宿で学び大切にしたいと感じたことです。頭の中では大事だとわかっていました。しかし、瀬戸内海の自然、直島のアート、豊島のゴミとの闘い、それらを自分の目で見て、さらに深く関わるお話を聞き、体の中から強く感じました。

 今回、直島、豊島ともに初めて行きましたが、「海」と「島」ということをとても考えさせられる合宿でした。普段、岡山市内に住んでいますが、車と船を利用すれば一時間しか離れていないところに普段の日常とは違う生活があるということが事前にわかっていたつもりですが驚きでした。

 福武幹事のお話の中で出てきた、「地域からの視点、東京からの視点、世界からの視点」という考え方は、今まで自分がぼんやりとしか見えていなかった世の中の事柄をどう捉えるべきなのかを示してくださったと思っています。海や島とは地域にとっては居住地であり、他の地域との接点であったり、観光資源であったりしますが、東京から見ると辺境です。世界からみると、日本という国自体が海と島の国です。そのことに気づいたときに世界が広がったように感じました。

 豊島の方々の「美しい島を孫や子に残す」という意識の高さに初めは驚きました。しかし、当然のように「元の状態に戻してほしいだけだ」と繰り返される石井講師と安岐講師を見て、豊島の方々の意識が高いのではなく、現代の日本人が未来のことを考えずに生きているということに気づきました。何を次の世代に残すのかという、自分が生きたメッセージをしっかり持って生きたいと思いました。

 二日間のなかで一番印象に残ったのは安岐講師の言葉の強さでした。公害問題の被害者側であるにも関わらず、同情を求めることもなく、誰かを恨むこともなく、ただ未来のために戦ってきた講師の言葉は今までにないほどまっすぐに体に入ってきました。何度も何度も理由もわからず涙が出そうになりました。自分の道を貫き自分の言葉で語姿がとても輝いて見えました。

 とても勉強になった二日間でしたが、同時に自分の勉強不足を思い知らされた二日間でもありました。この二日間自分の体で感じたことを忘れずにこれからしっかり勉強していきたいと思います。