2007年 直島特別例会

 
◆中村 徳秀(岡山政経塾 五期生)
直島合宿レポート
   直島例会での学び                          2007.7.16


(1)福武幹事講演より
「地域づくり」はこれからの日本において最も大事な概念である。


 講演の冒頭で福武幹事がおっしゃったこの言葉が忘れられない。
 非常にシンプルであるが、本質を捉えた言葉だと感じる。
 直島という「地域づくり」の一つの答えを目の当たりにして、机上の勉学では学び得られないものを実感できた。
 幸福で豊かな社会の実現。これが政治の目的の一つであるとするならば、直島は一つの回答例であろう。
 ベネッセのアイデア、資金、住民の想いと行動と政治、すべてが融合して、一つの成功が成り立っている。
 自分も生まれ育ったまちを直島のように魅力的にしたい。直島を一つのヒントに今後、自分なりに研究していきたい。

(2)北川フラム氏講演より
「生活全体が芸術であり、文化である。」

 
 北川フラム氏の越後妻有における活動はこの言葉に集約される。
 町おこしというものは全国各地で行なわれているが、これほどエネルギーを持ち、世界に通じるレベルでの、地域振興はないのではないか。越後妻有の、事例からは、住民と芸術、私の解釈では、生活と芸術が一体となって、計り知れないエネルギーが生み出されたと考える。
 住民の想いを奮い立たせ、自発的な行動に結びつかせるには、プロデューサーとして大変な苦労があっただろう。しかし、ゆるぎない想いがあれば、実現するということを示していただいたことは私にとって貴重な経験であった。

(3)石井亨氏講演より
「我々の便利な生活は、産業廃棄物の上に成り立っているということを忘れてはならない。」


 石井氏の講演、豊島の見学からは、我々の生活の裏には、必ず廃棄物が存在するという事実をまざまざと見せつけられた。人類が永続的な繁栄を享受したいのなら、まず取り組むべき課題は、廃棄物の適正な処理、もしくは、廃棄物を出さない仕組みを根幹から創り上げることではないかと私は考える。
 豊島住民の30年にも及ぶ活動は、1つの共同体、コミュニティーの底力を表すものである。個人と公の中間に位置する、共同体。いわばもう一つのパブリックが主体的、自発的な行動により、勝ち取ったものが、今のもとに戻りつつある豊島である。21世紀の日本のあり方がここにあると私は感じた。

(最後に)
 今回、初めて直島例会に参加し、数々の貴重な学びを得た。すべての関係者の方々に心より、御礼申し上げたい。「ありがとうございました。」

以上