2010年 直島特別例会

 
◆中村 徳秀(岡山政経塾 五期生)
松下政経塾・日本青年会議所・岡山政経塾  直島合同合宿レポート
  『直島での学び』        2010年7月21日



1.笠原副社長ご講演より
 ベネッセコーポレーションによる、直島での取り組みを過去・現在・未来という時間軸で理解することができた。
 「今後の課題は島の人々にとって誇りを持てる島にすること。」というフレーズが印象深い。大規模な開発は一旦終息に向かうとのことであったが、島民、ベネッセ、来訪者、アーティスト達が紡ぎだす、新しい直島の展開が楽しみでならない。


2.清水教授ご講演より

 まずもって、科学技術の分野にいて、日本がまだまだ世界と互角、又はそれ以上戦えるという事実を目の当たりにし、日本人として嬉しくて仕方が無いという思いが、講演を聴いての率直な感想である。
 事実日本はまだまだ、メシの種となる技術を有している。しかしながら、本当の問題は、「その技術を普及させる技術」が今ひとつ、ということのようである。今般、清水教授は福武總一郎氏という強力なパートナーを得られ幸運であるが、まだまだこのような、技術が日本には眠っているように思える。まずは国益、さらには地球益という視点で技術を捉え、各企業へ披瀝していくことで、日本は世界へ技術をアピールし、結果としてビジネスで成功を収め、世界から尊敬されるのではなかろうか。一企業に普及の任務を委ねるのもよいが、大きな視点からの政治によるバックアップの必要性も少なからず感じた。


3.福原市長ご講演より
 福原市長の主張は一貫していて、筋が通っている。だからこそ、非常に納得感を得られた。
 それでは具体的に何がよいのか。「益田を一流の田舎町にする。」というキャッチフレーズが分かり易い。あるのものをどう活かしてしいくか、という姿勢が読み取れる。
 次に、無駄を排除し、「職員半分、サービス倍増」を目標に掲げる。いち民間企業の感覚で不要な部分、非効率な部分を改善していけば、実現は決して夢物語ではない。益田市政から今後も目を離せない。福原市長には是非、地方自治の常識を覆して頂きたいと思う。


4.村田教授ご講演より

 まるで、1時間30分の映画を見終えたような感覚。それが、講演後の実感である。
 日本が抱える大きな問題のひとつは「100年に1度の人材不足」。資源の無いわが国は、100年200年という長期のビジョンで、人材を育成して行かなければならない。
 グローバルに戦える人材を育成していくことも必要ではある。しかし、一方で、地元を死守する人材の創出も取り組むべき重要な課題であることを強く認識した。私個人の人生目的の一つは「地元岡山県の発展に貢献すること。」である。実は、世界ではなく、地元の為に尽くして生き方はある種の「逃げ」ではないかと考えていた。しかし、今回の講演で私は村田先生から勇気付けられた。地元を死守する人材がいてこそ、地域の発展がある。今後も自分に磨きをかけていきたい。


5.総括
 日本の未来は明るい。私は今回の学びを終えて、確信している。但しそれは、あくまで政治が正しく機能してこその実現である。
 直島例会では、本当に毎回新しい学びがある。この日本最高峰とも言える、学びの機会、環境を整えて下さった、すべての関係者の方々へ御礼申し上げたい。
「ありがとうございました。」