2012年 直島特別例会
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◆佐藤 修一(岡山政経塾 十期生)
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岡山政経塾 直島特別例会レポート
『笑顔あふれる国創り、まち創り』
「在るものを活かし、無いものを創る」これは、一生涯忘れることができなくなった福武總一郎幹事のお言葉。そして「島民の笑顔」が脳裏に焼きついた。昨年現役生として参加し、感動のあまり「来年も10期生みんなで参加」と誓った直島合宿から一年。今年は何を感じ、学ぶことができるのか。ワクワク・ドキドキしながら迎えたこの合宿でした。
●ジェームズタレル
青に見える目の前の壁が実は空間であり、入ってみると白く、そして今までいた空間がオレンジに。決して見えているものが全てではない。すべては体験から学ぶのである。そんなメッセージを感じた。
●豊島美術館
穴から溢れ出る水、触れあい、そして重なり、形を変えて離れる。そして穴へ帰っていく。
人は生まれ、人と触れあうことにより、群れをなしたり、別れたり、そして死んでいく。
悩んでいることがこの空間にいるとちっぽけなものに感じ、また人との出会いや体験というのは自分の考え方や今後を大きく変化させられるものだとこのアートから感じ、過去を振り返り感謝の気持ちで満ち溢れた。
アーティストは、自らの哲学や価値観、考え方を、作品を通じて表現している。その表現は、今までの私の価値観を大きく超えるものであり、驚きと感動を与えてくれます。
ふと、振り返ると、私は商売人だ。では、私は仕事を通じて、お客様に感動や喜びを与えることが出来ているのだろうか???
改めて原点に立って考え始めました。
●おかげ横丁橋川社長の講演
活気に溢れ、昔ながらの町が存在するのだと訪れる度に感じた伊勢おかげ横丁。しかし私の認識が間違っていたことに気づきました。おかげ横丁は株式会社赤福が140億もの資財を投じ、意図して創った街だったのだ。
あの町が一企業だということに衝撃をうけた。そして同時に納得もした。一企業だからこそ、理念をもち成功できたのだ。
開業後19年、来客数25万人から424万人、年間約40億の売上、それだけでなく交通機関、宿泊施設、近隣地域への経済効果を考えると、わくわくする。
岡山県も見習うことがたくさんある。後楽園、美観地区、西川緑道公園などの観光地はあるが私が県外からの観光客なら正直2度訪れることはない。もっと在るものを活かし魅力あふれるものにできるはずだ。
おかげ横丁を経済の視点から体感し学びたい。
●福武幹事の講演
「経済は文化の僕」
福武幹事のお話を聴くといつも心に火がつく。
お金は大切である。しかしあくまで手段でしかないのだ。目的もなくお金だけを追いかける拝金主義の世の中、お金さえあれば幸せだという考えの人だらけである。何かが狂っている。でも決してそういう人たちが悪いわけではない、今のこの時代がその考えを植え付けたのだ。
「一人ひとりが自立し、哲学をもたなければならない」
拝金主義は日本経済の没落から生まれたものだ、いや拝金主義になったからこそ、日本経済が没落したのだ。いや戦後から高度経済成長期で潤いお金や物があることに慣れてしまったことからであるかもしれない。どちらにせよ、今の大人達が創りあげた世の中であり、考え方である。
そんな大人達のために年金を払っている若者は何を思うのであろう。今の年金制度での年金未払いは若者の自立の一歩だと私は思う。未払いが悪としているが未払いをさせる制度が悪である。
「日本人は世界を知らない」
福武幹事の言葉からよく海外に行くようにした。何を学べたのか論ずることはできないが、中国、シンガポール、タイ、共通して感じたのは「活きる力」である。貧しくても、真似をしても活きている。日本人は生かされてはいるが、決して活きてはいない。
「必要とされ、活きる」これは直島のお年寄りが働く姿、笑顔をみて感じたことである。
今の日本の在り方では、未来のお年寄りの笑顔はない。
「島民の笑顔」をみて昨年も感じたが、福武幹事は新しい国を創ったのだ。
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