2012年 直島特別例会

 
◆瀧  幸郎(岡山政経塾 十期生)
岡山政経塾  直島特別例会レポート     平成24年7月27日
『直島特別例会「去年との違い」』



1.はじめに
 直島合宿は去年に続き2回目の参加となった。1日目夕方からの参加であったが、去年と比べると、現代アートや産廃問題に対する受け止め方や感じ方に違いがあったように思う。OBとして参加するからには、その違いを考察することを本合宿の目的のひとつとして参加した。


2.講演会より
 第1部はおかげ横丁の橋川史宏様を講師に、まちづくりについてご講演頂いた。
 おかげ横丁の概要や歴史は割愛するが、橋川講師から地域活性には3つのもの、すなはち@建物。A商品。B人。が必要で、それらが地域に根差した文化として営んでいることが重要であると教えて頂いた。
 おかげ横丁は地域づくりの方向性として「脱観光」をテーマに取り組んでいると聞いて驚いた。文化や暮らしとして営むものであり、観光客や買い物客を集めてお金を落としてもらう一般的な商業施設とは全く異なるテーマである。だからこそここまで発展したのだろうと思う。
 おかげ横丁に学びたいという見学者も年々増えているようで、橋川講師は彼らに「おかげ横丁を別の町に作ってもうまくはいかないよ」と言うのだという。その地域の文化や風土に合わせて、ガラパゴス的な発展をするものだというのは印象的だった。
 第2部は福武幹事によるご講演で、凡人が非凡になるために、ブレない信念を持ち、夢を持ち、自分がやるべきテーマを5つ用意しなさいとの教えをいただいた。
 実は、凡人が非凡になるために、というのは去年現役塾生のときもご講演いただいた話で、この1年間を振り返りほとんど実践できていない現実に気づく。聴講中は深く感心して聞き入るのだが、いざ日常に戻ると忘れてしまっている自分がいる。今年こそは自分のテーマを1つでも定め、実践することを心に誓った。


3.豊島産廃問題
 去年も見た産廃の山だが、今年は強い憤りを覚えたのが自分でも印象的だった。去年は人間の業をみた気がして、残念な気分を味わったのを覚えているが、なぜ今年は憤りを覚えたのか振り返ってみると、少なくとも去年よりは政治を学んできた結果だろうと思う。
 違法と知りながら産廃を引き受けていた松浦某に対してはもちろん、当時の香川県職員のいいかげんな指導や調査にも腹が立つ。事務局長のおっしゃる「政治の責任」の意味が、去年は字面しかわからなかったが、今年は少し理解できたのだと思う。


4.さいごに
 今年鑑賞した現代アートが来年も見られるとは限らない。来年に行われる瀬戸内国際芸術祭に合わせて、新しい現代アートがお目見えするそうだ。今から楽しみである。
 豊島美術館へ向かう下り阪から見る瀬戸内の美しい景観は、何度見ても心が洗われる。この素晴らしい環境を次世代に受け継いでもらえるように、今を生きる我々は責任を持って生きなければならない。
 小山事務局長をはじめ、去年に引き続き今年も同行して案内をしていただいた西美さん、例会担当塾生、豊島の砂川さん、フェリーの操縦士さん他関わってくださった多くの方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。