2012年 直島特別例会
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◆藤井 美子(岡山政経塾 十期生)
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岡山政経塾 直島特別例会レポート
『感 性 を 磨 く』
1.はじめに
「見る・聞く・体感する。考える力を身につける。発想の転換をする」直島・犬島・豊島合宿。
これらの島には、多くのメッセージがある。昨年、私はこの多くのメッセージを消化しきれず、この1年で直島に何度も足を運びました。
今回の直島合宿、私はどのようなメッセージを受け止めることができるのだろうか。昨年と同じ私なら、昨年と同じメッセージを受け止めるでしょう。しかし、昨年より少しでも成長した私がいたなら、昨年気づかなかったメッセージを受け止めることができる、と考え、大きな期待と少しの不安の中での参加でした。
2.一つ目のメッセージ
漆喰の壁。ジェームズタレルの南寺。最初の体感を一言でいうならばセンセーショナル。
暗黒の中、目が慣れてくると、白くぼんやりとしたスクリーンが正面に見えてくる・・が、見えてこない。見えるはずのスクリーンが左目にしか映っていないことに気付いた。私が正面だと思い見ていたところは、右前にある薄暗いライトの方。身体は右斜めになっていた。頭をハンマーで殴られた様な衝撃であった。「知ったかぶりをするな、真っすぐ前を向いて真実を見続けなさい!」とメッセージを受け取った。私は2度目の直島合宿に高を括っていた。
3.橋川社長と福武幹事からのメッセージ
おかげ横丁設立前1992年に32万人だった来客数、初年度63万人、2012年には424万人への来客数へ。橋川社長のお話には沢山の「街づくり」のエッセンスが盛り込まれていた。
「場所を徹底的に研究し(習慣・店構え)続けること。その土地の人、土地以外の人がその場所が好きで、懐かしいと感じること。」。橋川社長と福武幹事の街づくり(島づくりいや国づくり、人づくりでしょうか)の共通点がいくつもあり大変興味深くもっと話を聞いていたかった。
行動を起こすときは、強い信念が必要であり、やり続けることだと、お2人から強いメッセージを受け取った。
私は、卒塾前に1年間に論文を書くと宣言をした。忙しいことを理由に手を抜いていた。卒塾してからもやり続けること。もう一度原点に戻ろう。
4.豊島からのメッセージ
坂道を下りていくと、きらきら輝く海と真っ青な空。緑の棚田が目に飛び込んでくる。左側には丸い真っ白な美術館が今年も私を迎えてくれた。「ただいま」心の中で呟く。
今回は思いっきり身を委ねようとうつ伏せに寝っころがった。水がポコポコと上がっては地面を這って大きな一つの水たまりになっていく。その大きな水たまりに目を向けると、白い壁がくっきりと映っている。たった一滴の水では映らないものが、一滴一滴が合わさると映り、さらに力を増して綺麗に見える。一人では出来ないものも、何人もの協力があり出来ることが沢山ある。1+1=2ではなく100、200にも変わっていく。人と一緒である。
美術館を出た後、水たまりに映る美術館はこの時期にしか見えないと聞いた。見えた私たちは大変ラッキーである。
5.最後に
多くのアーティストが、磨かれた感性からのメッセージを発信する。しかし、私には、南寺のようなアートの発想や視点はありません。勿論、豊島美術館のような発想は出来ません。地中美術館には圧倒されるばかりの、未熟な自分と向き合いました。もっと、もっと感性を磨がなくてはならない。私はアーティストを目指しているのではありませんが、アーティストのような感性を持って、人生を「良く生きる」アーティストになりたいと、心に誓いました。
島のお年寄りは笑顔でいつも生き生きとして、私たちに元気と活力を与えてくれる。そんなお年寄りを岡山に日本に沢山増やすため、私になにができるのか、よく考え行動していきます。まだ多くのメッセージを消化できていません。続けて直島に足を運び自分を成長させていきます。
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