2003年 直島特別例会
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◆片山千恵美(岡山政経塾 一期生)
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直島例会に参加して
昨年に続き2回目の直島合宿。特に、今年は一生会えることなどないだろうと思っていた憧れの方、安藤忠雄氏が講師ということで、7月12日を心から待ち望んでいました。
これまで仕事や政経塾の例会などを通して多くの著名人にお会いしてきたが、緊張しずぎて眠れなかったのは初めてのこと。なんてミーハーな!と思われるかもしれませんが、超個人的な夢が叶って本当に幸せでした。まずはじめに、感謝の気持ちを書かせていただきます。
家プロジェクト&美術館見学
安藤忠雄氏のことを偉大だと思ったのは、数年前に直島の家プロジェクト「南寺」を訪れたときのこと。その思い出の場所に1年ぶりに訪れたわけだが、今年は人数も多く、残念ながらあの空間の素晴らしさに浸ることはできなかった。とはいえ、念願だった4つめのプロジェクトをこの目で見られたので大収穫。そして美術館。昨年とは別の方の案内で、安藤忠雄建築と作品の関係についてお話いただいた。その後、福武幹事にも作品を案内していただき感激したのだが、ガイドの仕方ひとつで鑑賞者の想像力の広がり方や、作品や作者への興味の抱き方が変わるものだなぁと痛感したのであった。今回新たに好きになった作品は、『ザ・フォービドゥン・ボックス』と『雑草』。訪れる度に好きになる作品が増える。だからまた行きたくなる。本当にいい美術館だと思う。そして、来夏の新・美術館の完成が心から待ち遠しい。
安藤教授、福武幹事、石井県議の講演
それぞれその表現の仕方は違えども、3氏ともものすごくパワーのある方だと実感し、昨年とは違った感動を覚えた。何より驚いたのは、フィールドのまったく違う話だったはずが、その核の部分に「生きること・力」「自分をどう活かしていくか」といったメッセージを受け取れたこと。他人に「素晴らしい」と思われる人物というのは、やっぱり心に同じような志を抱いているのかもしれないと思った。実際に作品や足跡に強いメッセージや意思を感じられるため説得力があり、発せられる言葉に重みを感じた。
昨年9月、1年後に会社を辞めようと決めた。それから今の会社で自分は何を吸収して、どういう貢献ができるのか、また仕事を辞めた後の自分はどうあるべきか、どうなりたいのか、ずっと考えてきた(結局、明確な答えはまだ見つからないけれども)。そんな思いの中で聞いていた講演だったので、人とは違うところで感銘を受けたかもしれないが、私が心に残っていることを書いておきたいと思う。
まず、安藤教授。もっと個々の建築のお話をされるのかと思っていたので、少し驚いた。そしてあの話術に圧倒された。毒舌で楽しませていただいたが、そのなかにキーワードがパシッとはまっていた。そして、福武幹事。昨年、「地域から日本を変える」「岡山の街づくり」というテーマの講演をお聞きしていたので、今年はどんな内容なのかすごく興味津々で臨んだ。今年は「あるものを生かしてないものを作る」などのキーワードは残しつつ、「文化」の大切さをお話された。私にとってはより理解しやすい内容であったし、あんなに大きい企業を動かされている方が「経済は文化のしもべ」と言われるのを聞き、また美術館を案内していただくなかで、「目からうろこが落ちる」というのはこんな感じか?と思った。福武幹事は20代の後半から30代の前半に人生について考え、多くの書物を読まれたと言われていた。また、安藤教授は20代に独学で建築を学び、世界中を巡られていた。そして今の成功がある。それならば、今、自分も考えるべき時に違いない。文化に触れ、感性を磨き、自分がどう生きていくか、考えていこう。そう思った。
そして、豊島の産廃問題について講演された石井県議。安藤教授とは違った話術で引きこまれた。涙が出そうになった。小山事務局長が「政治とは地球と人類を未来永劫に存続させること」と言われていた意味、その重さを痛感したお話だった。また石井県議のお話と、翌日の豊島見学のときに説明してくださった方の温度差にも、豊島の問題を考えさせられた気がした。
直島合宿から帰って
資料でいただいた読売新聞の記事「豊島の叫び」を読んだり、安藤忠雄さんの本を読み直したり、美術館に行ったりするなかで、自分に欠けているのは「真剣さ」かなぁと、思うようになった。あえてレポートに書くことではないかもしれませんが、もっと真剣に仕事して、遊んで、暮らしていこう、今回の合宿に参加させていただいて、そう強く思うようになりました。
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