2003年 直島特別例会
|
|
◆善木 誠(岡山政経塾 二期生)
|
「岡山政経塾7月例会」直島を終えて
直島での1泊例会は非常に有意義な時間でした、今回、直島を始めて訪れましたが、発想のユニークな所に驚き何かワクワクするような面白さを感じ、又、豊島ではゴミ処理と言う現実の課題が大きく圧し掛かる威圧感を感じました。
そして、安藤忠雄教授・福武総一郎幹事・石井享議員の講演も各氏の立場考えが明確に見えて大変参考になりました、安藤・福武両氏の講演には日本の課題を大きい視点で捕らえての話、石井氏は廃棄物問題のエキスパートとしての現実的視点での話が有り、それが、直島・豊島の現状に被さって見えました。
● 安藤忠雄教授講演
東大教授と言う経歴から難しい建築理論のような難解な話をされるのかと思っていましたが、話し出すと大阪弁の喋り口で大阪のおっさんでありましたが、話の内容は現在の教育についての辛口の的を射た指摘であり、感銘を受けました。
特に、今の日本の教育は、一流大学に行く、一流企業に行く為の勉強であり、
その為、今の若者は子どもの時に子どもをしていない、親も家庭教育していない親の通信簿が必要との指摘は多いに同感させられるものでした。
また、豊さとは何か、物が有るから豊かでは無く、感性の豊かさを求めるべきとの指摘は安藤教授の芸術家としての意見であり、今の日本人に問いかける課題のように思われました。
私自身もまだ、物の豊を求めています、感性の豊さを求める努力をしたいと感じたしだいです。
● 福武総一郎幹事講演
福武幹事は「文化」と「よりよく生きる」などについてのお話をされ、日本をトップ企業の経営者でありながら、文化を大切にする人としての生き方をお教えて頂いたように思います。
その中で、「経済は文化のしもべ」、「あるものを壊し ないものを創る でなくあるものを生かして ないものを創る」の言葉が直島を見ていると実感でき「志の確立」も福武幹事自身をダブラらせて話されているようにも見えました。
今まで文化には関係の無い環境でガムシャラに生きてきましたが、生き方を
考えさせられる講演で有りました。
● 石井享議員講演
石井議員からは住民運動の苦しみ、無力感と権力に立ち向かう志を聞かせて頂きました。
豊島の廃棄物の問題は一応1悪徳業者が引き起こした事件ですが、背景には日本の産業構造そのものが有り、負の遺産として将来に引き継ぐ物です。
豊島の住民は調停に勝っただけで、根本的な勝利ではないと、権力側は殆ど傷つかず、現在も存在していて、廃棄物は、合法に処理はされているが、基本は変わらず住民の目の届かない所に捨てられつづけ、何時か第2・第3の豊島が現れる。
石井議員は今も、廃物問題で権力に立ち向かうドンキホーテで何時も権力の
厚い壁に阻まれているようです、我々世論の力で後押ししたいものです。
最後に、最近スローライフと言う言葉が言われ始めましたが、先人の努力で戦後の日本の繁栄と物質的豊さが築かれましたが、今は自分達が歴史に問われる分岐点に来ていると言う認識を、直島研修で新にしました、今後は、政治分科会で話合って行きたいと思います。
|
  |
 |
|