2003年 直島特別例会

 
◆小林 充治(岡山政経塾 二期生)

直島合宿レポート



 直島における岡山政経塾の合宿に参加して、講師の先生方の講和に感銘を受けました。

 安藤忠雄先生は、著名な建築家ということで、芸術論、文化論のお話になるかと思っていましたが、教育者としての立場から、現代の教育論についても講演され、その内容の幅広さには感銘しました。子供に対する教育、家庭、学校での教育のあり方に対する問題提起は非常に興味深い内容でした。また、教育を考えるときに政治の必要性を捉える切り口も面白かったです。
 そして、自己の人生を考える上で、自分自身の感性の重要性、自助努力と自己責任によって、幸せは勝ち取るものだという考え方、学歴偏重制度の弊害等々、非常に興味深く聞かせていただきました。

 午後からの福武会長の講演は、一流の経済人として、経済をとらえる視点は、さすがと思わされました。特に、「経済は文化のしもべである」という発言は、驚きと同時に、企業理念としての明確さを指摘され、思わずうなってしまいました。
 現在の不透明な時代を、変化の時代、時代の変わり目であるという視点を明確に捉え、今こそ面白い時代はないと明言する姿勢は、時代の経営者の中でも特筆に値するものでしょう。
 そして、その根拠に、今はやりのグローバルスタンダードやアメリカのものまねは、ダメだという認識、すなわち、不易流行の考え方をご自身がはっきりと認識されていることが素晴らしいと思います。そして、自分自身の志、主体性のあり方という人生の哲学を明確に示されている姿勢は、私自身の考え方に大いに参考になりました。

 最後に、石井亨香川県議の豊島問題は、有害産業廃棄物の不法投棄事件という一面的な問題ではなく、それを通しての豊島住民の過去、現在、将来への生き方の物語であると捉えました。豊島住民がどのようにして取り組み、将来何を目指して、現在活動しているのか、一連の新聞報道だけでは感じられない、生の声、熱き思いを聞くことができ、政治への取り組み方を別の方面から捉えられ、非常に参考になりました。

 以上、三講演は、講師の先生方の個性がユニークで、なおかつ公演内容に深みがあり、非常に有意義な勉強をさせていただきました。また、福武会長には、講演終了後、現代美術作品を自ら解説され、その感性の捉え方は、私自身、多いに参考になりました。ただ、残念なことは、家庭の事情で講演終了後帰宅しなければならず、幹事の先生方、塾生の方々と懇親を深められなかったことが残念でした。

 PS:当日帰宅した理由は、翌日の日曜日に娘(小6)のバレーボールの全国大会の予選の応援の為でした。大元スポーツ少年団バレーボール部は、幸いにも予選を危なげなく勝ち抜き、2年ぶり6度目の優勝をかざり、全国大会へ出場します。私も東京へ診療を休んで応援に行ってきます。