2003年 直島特別例会
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◆山田 浩三(岡山政経塾 二期生)
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岡山政経塾直島特別例会を終えて
直島宝島紀行
驚きの二日間でした。
考え方、発想の方向、生きることの重み、「かたち」、「空間」など、これまでの人生では経験したことのないことばかり、まさに宝島の二日間でした。この宝をどのようにして活かしていけばいいのを帰りの船の中で、睡眠不足の頭でボーッとしながら考えました。
美術館見学
大原美術館で絵を見ても、教科書の美術品を見ても、値札がないと価値の上下がわからない芸術オンチにとって、美術館見学は苦痛の時間であろうと確信しておりました。
ところが、説明を受けながら展示物に接していくと(この説明も天下一品でありましたが)、展示物がこの芸術オンチに語りかけてくるのです。たまげました。
すべてがわかるわけではありませんが、これまでに持っていなかった不思議な感性が芽生えたような気がしています。
家プロジェクト
家相を語る者として、家についての歴史、工法など人より知っている自負がありましたが、ここでもビックリです(ほかに表現方法はないのかと、自分で情けないですが)。
このような切り口で家を表現出来るのか、250年前と現代がパイプでつながる不思議は、私にはうまく表現出来ません。
「闇」は特に新鮮で、これまでの人生で数回くらいと思う感性を研ぎ澄ます空間であり、人間が太古に持っていたけれど、現在では忘れかけていたものを教えてくれたように思いました。
安藤忠雄先生 講演
生きることを考える場が必要であり、敗戦の昭和20年から日本はどのようにして生きるかを考えてきた。現代では未来のない顔をしてきている。
豊かさ故に滅びる。では本当の豊かさとは何か。
自分が生きていく可能性を磨くために・・ここでは書ききれないほど大切なキーワードをいただくことが出来ました。
実は、コンクリート建築が苦手な私は、安藤先生のお話を聞くまではコンクリートの第一人者の芸術家的建築家というイメージでした。ところが、関西弁で持論を過激に述べる先生にたまげました。
ホンモノってスゴイ。だけどホンモノは触れないとわからない。イメージや情報だけで考えてはいけないなという教訓も得た、安藤先生の講演でした。
福武總一郎幹事 講演
福武幹事の存在感・生きていくことの姿勢・自信・壮大さが強く印象に残りました。
自分の「志」が大切であり、言っていれば寄ってくる。確かにそうなのですが、私のレベルでイメージするものとスケールが段違いで、恥かしさが出てきました。
生きている間に何が出来るか、ひとりの人間として地域にどれほど影響を与えられるか、
私の信念も福武幹事に近いと感じましたが、一歩がアリと人間ほど違う・・。次回にお話を聞く機会があれば、アリから犬くらいにはなっていたいものであります。
自分の思っていることを論理性を持ち、実現のために役立たせるための技と哲学が必要という言葉に、自分の中味の再構築をしないとダメだと感じました。
経営者のイメージが強かっただけに、文明史観にまで及ぶ講演は驚きの連続でした。
そして、「考えること。どんな生き方が悔いの無い人生かを考えること」
ホンモノになるには考えなくてはいけないと、安藤先生に引き続き痛感しました。
石井 亨県会議員 講演
豊島の問題に関して、記事は読んでおりましたが、あらためて石井県議のお話を伺い、驚きと怒り、持っていきようのない感情に、「知らない」こと「見ない」ことがいかに罪であるかを感じました。
私なら感情的な表現を使ったであろう、これまでの問題について、井県議は、冷静で筋道を通した講演をされたことも驚きでした。島の皆さんの行動には、頭が下がります。
この時代のことは、この時代でカタをつけるしかない。自分で考え、自分で何とかするしかない。地域に対して自分は何が出来るのか・・
ホンモノ3人、すべての方に共通した言葉にとどめを刺されました。
朝まで討論
就寝、午前4時30分。参加された皆さま、それぞれにお疲れさまでした。
分科会別討論・発表
私は都市政策の分科会に参加していますが、分科会メンバーのテーマはそれぞれに違い、共通したものがないため、これからの方向性についての確認というかたちになりました。
松下政経塾と一期生の方からのアドバイスは助かりました。自分ではいい方向かなと思えるものでも、それらは土俵の上で這っている視点であり、高所から見たアドバイスにまわしを締めなおすことが出来ました。
幹事総評
いちばん恥かしい時でした。なんとか期待に応えるようになりたいと感じました。
豊島見学
整備が始まっているため、見学出来たのはキレイな空間でしたが、その広さに驚愕しました。これが全部、いえそれ以上ゴミであったのか。
水処理に関してはあれだけの設備と手間をかけて、やっと流す基準になるとは。
あらためて、豊島だけでなく自分たちの問題として考えなくてはと痛感しました。
最後に・・塾生への提言
寝るな!
岡山政経塾では、私なんぞが生きている間では、会うことの出来ないホンモノの話を聴く事が出来ます。気合で寝るな。もったいないぞ。礼にも反する。
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