岡山政経塾設立趣意書

 我が国は終戦から立ち上がり、世界に類を見ないほど急速な発展を遂げてきた。しかし、20世紀後半のバブル崩壊や改革の遅れによって経済は行き詰まり、さらに急速に進む少子高齢化社会の到来など、未来への不安感が拭いきれない。
 また、教育現場では、いじめや不登校、暴力行為など危機的状況にあり、社会においては人間関係や生き甲斐が喪失している。このような社会状況の中、自立心を持って新しい時代を推進していくリーダーの育成こそ、混迷する我が国、とりわけ岡山にとっての緊急課題である。
 私たちは、日本と郷土岡山を愛する人材を募り、彼らに研修の場を提供するために岡山政経塾の設立を決意した。
 岡山政経塾において、塾生は財団法人松下政経塾の知恵と経験に学びつつ、人間とは何か、日本とは何かについて考察を深める。そして、お互いが住まいし、仕事の場でもある「地域」に視点を置き、「地域から日本を変える」「地域から日本をよくしていく」という理念の元、政治、経済、教育、文化、福祉をはじめ、街づくりや社会活動について自修する。そして私たちは、強い信念と責任感、実行力、国際的な視野をもって岡山の未来を創造する人材の育成につとめる。
 岡山政経塾において、地域経営の理念を学び、時代認識を深めた人材が、政治や経済、行政、街づくりなど様々な分野で岡山の前進と繁栄に貢献してくれることを確信する。
 岡山政経塾生には岡山の未来を創造していく志と気概を持ち、困難に立ち向かう努力を持ち、勇気を持った者が入塾できる。そして、自らを高める努力をする人、自ら研鑽する自立した人が有意義な時間を持つことができる。
 わたしたちは、岡山の未来に大きな夢を描き、ここに岡山政経塾を設立する。

2002年1月 岡山政経塾設立発起人一同