2005年 100km Walk
|
|
◆加来田 博貴(岡山政経塾 3期生)
|
岡山政経塾100km歩行レポート
「力を抜く大切さ」
岡山政経塾での最大イベントのひとつである100km歩行。完歩出来なかった昨年から早くも一年が経ちました。昨年は、「過信」があだとなり75kmでのリタイア。失敗を反省したレポートを書かなければならず、それは本当にいやでした。その理由は昨年のレポートに書いたとおり、失敗したときに書く内容など、出来なかった言い訳ばかりを並べたものにしか見えないと感じていたからです。では今年はどうだったか、と言うと、今年は今年でまた書きにくいレポートになりました。それは、完歩出来たのは出来たのですが、その結果が余りにも自分の想像とはかけ離れていて素直に受け入れられなかったからです。今回の100km歩行に向けどれだけ準備したか、また意気込みはどうだったかと言うと、果たしてどうだったのか。自分としてはすっきりしないのです。ただ歩きながらいただいた「気付き」がありました。なので、このレポートではその辺りを中心に書きたいと思います。
昨年の100km歩行にはなめてかかっていたと思います。大学院生のときボーイスカウトの手伝いをしていたのですが、その時行なわれた35km歩行は小学校の低学年も完歩出来ていました。しかもそのイベントは冬の夜10時から行なわれるものでした。小学生は足腰の痛みより睡魔との闘いに苦しんでいました。決して彼らは35kmを歩くための準備などしていなかったように思います。しかし参加者のほとんどが完歩していました。そのようなこともあり「100kmも大丈夫だろう」これが昨年の100km前の気持ちでした。しかし100kmは長かった。はじめは談笑しながらのピクニック気分、備前を越えた辺りで、「時間配分を間違った」と反省したのを覚えています。だからこそ今年は「閑谷学校は夜9時頃までに行こう。1時間5km。自分のペースを守るために、一人でなるべく話しをせずに歩こう。」と決め100kmに挑みました。しかし、前日まで九州の地元で行なわれていたお祭りに参加していたこと、さらに風邪も惹いていたこともあり、スタート前は「持ちうる力のみを信じて歩こう」と思っていました。
10km地点、今回私が完歩出来るに至ったポイントがここでした。昨年の完歩者、同期のT氏からのアドバイスです。「歩き方に力が入っている。力を抜いて」。歩きながら、「力を抜くとは」をすごく考えました。まずは、歩くことに関して。「ボーイスカウトの35km歩行は、準備をしていない小学生が完歩出来ていた。彼らの歩き方は確かに力が入っていなかったな。」「そう言えば、女性の方がリタイアしても体のダメージは少なそうだよな」「自分、腰の悪いことを思えば、腰に負担にならないようにするには、腰に振動を与えないようにした方がいいはず。そのためには踏み込むような歩き方より、雪駄を履いたときのようにすり足の方がいいのでは」。そして実践、そのおかげか、今年は昨年とは全く異なり腰痛が出ませんでした。ちなみに今年のために特別な腰の治療をしたわけではありません。
「力を抜く」一言では些細な言葉です。しかし、「力を抜く」で思いあたることがなんと多いことか。スポーツ選手の鮮やかな動きは、決して力んだ姿ではないでしょう。また人前に出てプレゼンテーションをしたり、何かをするときも緊張の余り力が入ってしまうと失敗してしまいます。昔、部活動の吹奏楽部で指揮をしていたころ、指揮の教則本に「力を抜くことが大切」と書いてあったのを思い出しました。「無駄な力は、持ちうる力を出すのを妨げる」なのです。
さて、100km歩行とは話しがそれるのですが、自分の生き方は果たして「力を抜く」ことができているのか。考えれば、「力が抜けていない」、自然体ではないのかもしれません。力を抜けるほど自信がないというのが正直なところでしょうか。まだまだ自分には足りないと思ってしまいます。布野さんのお言葉をかりれば、「足るを知らない」ということかもしれません。しかし、「学校の先生や政治家は完璧でなければならない」、と社会は見ていると思うと自分はまだまだ足りないと思ってしまいます。「社会の目」ははたしてどうなのでしょうか?
終わりに、100km歩行に参加させていただく機会を戴きました岡山政経塾には、この一年本当にお世話になりました。このような場を作り育てていただいております幹事の先生方に感謝申し上げます。また小山事務局長の人材育成に対する並々ならぬ熱意と情熱を注いでいただきました。改めてお礼申し上げます。
ゴール間際までサポート下さった渡辺先輩、おしぼりをくださった西原幹事、汚い足の手当てやテーピングそして「力を抜く」ことの大切さを教えてくださった田中さん、書き上げられない多くのサポーターの方々、そして一緒に歩かせていただいた方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。
追伸:来年100km歩行に参加される方へ 旭川土手で見た「あさひ」は本当にすばらしかったです。ぜひ「あさひ」を目指してがんばってください。岡山のすばらしさを再認識できると思います。
|
  |
 |
|