2006年 100km Walk

 
◆杉本 倫美(岡山政経塾 5期生)

岡山政経塾100km歩行レポート
人生で大切なものを確認するための100キロ歩行
「―41人の挑戦者達と―」



 2006年5月11日、アメリカのネバダ州からアリゾナ州に車で向かう途中、壮大な砂漠を目にし、1週間前のあの100キロ歩行を思い出す。サポートをして頂いた湊さん、大西さん、林さん、田中一平さん、秋山さん、北川さん達の心はこの砂漠のように広かったと。彼らのサポートを頂かなければ、私は100キロを完歩できなかった。サポートする方々が私以上の広い心と、何としてでも私を完歩させてやろうという強い意志がなければ、完歩しても、それは、無味乾燥で感動することもなかったであろう。そして、日本から6000マイル離れ、宗教、文化も異にする私のビジネスパートナーのアメリカ人が「I am very proud of you!」(100キロ歩いたあなたの事を誇りに思います)と言ってくれた事が、嬉しかった。@自分の誇れることを尊重してくれる人がいなければ、私の人生は価値がないように思えてしまう事を確信した。A人生は、100キロ歩行は、1人で歩くには、心細く、あらゆる困難や中傷に負けてしまいそうになる。自分を支えてくれる仲間がいて、困難が乗り越えられる。その仲間と喜び悲しみを分かち合うことで、感動ある人生が送れる。Bそして、自分だけではなく、自分を支えてくれた人を支えることのできる人間になりたいと思った。100キロ完歩できなかった人、これから100キロ完歩したいと思う人に、何か与えることのできる人間になりたいと思った。C私のすべてをかけても、与えることを厭わないと思える人達を大事にしたいと思った。
 
 @はアメリカの心理学者「マズロー」のいう“自己実現の欲求とその達成”と自分の存在を認めてくれる事の大事さ。A家族や友人、先生、仲間、ビジネスパートナーとの団結の大事さ。B「ソクラテス」のいう“人間にとって大切なことは、ただ生きることではなく、善く生きることである”具体的には、外国語の教師として、母として一生をかけて、熱心に教え続けたい、お世話になった国や人々に恩返しがしたい。C息子や外国語スクールの子供達、生徒の皆様、家族や友人知人を大事にしたい。

 私は、以上の事を、人生で大切なものを100キロ歩行で確信した。大阪の中学校、高校でも100キロ歩行を不屈の精神を養うために行っているそうだが、岡山政経塾の41名と歩き、政経塾OBのサポーターの方々がいらっしゃったからこそ確信できた事だと思う。この100キロ歩行のチャンスをくださった岡山政経塾の幹事の皆様、小山事務局長に改めて感謝致します。ランニング・ハイを過ぎ、岡山市内に入った頃は、「こんな苦しみを与えてーー。」と恨んだ事もあったが、今は、感謝の気持ちで一杯である。
 人生のゴールは死に至る時であろうか?その時まで、大西さんが私に掛けて下さった「1,2,1,2,1,2。」の掛け声通り、右、左と足を前に出して、進んでいかなくてはならない。例え、その歩き方が、格好悪くても、泣き崩れた変な顔で歩いて、見知らぬ人から笑われようとも、自分の信じた道を歩き続けようと思う。ゴールが見えなくて精神的に滅入った東岡山の地獄の一本道、そんな単調で先の見えない人生となっても、私は前を向いて歩き続けます。この確信した私の大切なものを抱えて。私の為に、息子の為に、愛する人達の為に、人生の目標達成の為に、岡山の為に、日本の為に、世界の為に一生懸命歩こうと思います。そして、人生のゴールを迎えるときは、後楽園のゴールのテープを切った時と同じく、充実感と感謝の気持ちで、愛する人たちに囲まれゴールしたいと思う。
 
 最後に 応援の言葉を掛けて下さった三宅さん、本村さん、森本さん、原田さん、その他の皆様、本当にありがとうございました。私は、一生この事を忘れることはありません。