2007年 100km Walk

 
◆横道 由記子(岡山政経塾 6期生)

「岡山政経塾100km歩行レポート」


 
未知の世界への挑戦
 昨年末 岡山政経塾について最初に得た情報は“100キロ歩行”だった。1月 初めてお会いした小山事務局長の「未知の世界を体験してみたいだろ!」との言葉に苦笑いしながら半分ワクワクし始めた自分。未知の世界、限界を超えた所に何があるのだろう?
「やるなら100キロ完歩する。」私が何の根拠もなしにそう決めたのはこの頃だった。

心と体と物の準備
 体力、筋力に全く自信がない私は、通勤5キロ弱を週に3回歩くことを続けた。それでも練習会で体感した時速7キロは驚くほど早く、先輩方のアドバイスは何よりありがたかった。
 行き付けの靴店、初めてのスポーツ店に相談、そして練習中に坐骨神経痛で整体師さんにも相談、物の準備はバッチリだ。それ以上にあちこちで「100キロ歩く」と宣言したことで腹が据わり、頂いた応援が後に歩いている際に力となった。
 下見会では、頂いた資料を手に先輩にいろいろと質問しながらやる気満々だったが、半分を過ぎる頃にはあまりの距離と車酔いで気持ち悪くなり口数も少なくなっていた。
 そして迎えた前日 家族と共に最後の下見。もう一度自分の車で走ったことで最後の覚悟をきめてぐっすりと眠った。

未知の世界に見えたもの
 素晴らしい天候に恵まれ、夫息子に加え両親も心配な顔でかけつけてくれた。マイペースに歩きながら“24時間後に仲間や家族に迎えられゴールする瞬間”をイメージし続けた。
 共に挑戦する仲間の姿に何度も勇気付けられ「一人ではない」と痛む足を前に進めることができた。そして、歩みを進めるほどにサポート隊の皆さんには驚きと感謝の気持ちでいっぱいになった。人のために24時間以上の心のこもったサポートを続ける暖かさ。
自分のことで精一杯の私には「間に合わないぞ」という声さえ愛情に満ちて感じられた。
 そして最も辛い時間〜ゴールまでの70キロに渡って伴歩してくださった本村さんの姿に、どんなに痛くても感謝の気持ちしか浮かばなかった。

感謝に満ちた23時間47分
 頑なまでにマイペースでありながら、たくさんの人たちに支えられてゴールした時、自分の人生の縮図のように感じた。「暖かい人達の中で生かされている自分」に気づいたのだ。
心配、応援、叱咤激励、思いやり、笑顔、様々な形で関わってくれた全ての人がいなければ23時間47分で100キロ完歩という結果はなかっただろう。
 歩ききった時、健康な心と体に生み育ててくれた母、最後まで無理をするなと心配していた母の目に光る涙を見て、子供のように泣きじゃくってしまった。 「ありがとう」
未知の世界に待っていたのは長い長い辛い道のり以上に、私にとって幸せと感謝に満ちた時間だった。
この素晴らしい学びの機会を支えてくださった全ての皆さんに感謝します。