2008年 100km Walk

 
◆端山 英嗣 (岡山政経塾 7期生)

岡山政経塾100km歩行レポート
「100km歩行を終えて」



心と物の準備
 「おまえは、将来の目標を持て!目標が無い奴は何をやってもダメだ!」「一番になれ!とにかく一番を目指せ!一番にならなければ意味が無い。だが明日からなれるものがある、それは一番努力する人間だ。」
  四月三十日、会社を退職したという報告に小山事務局長を訪ねた時に言われた言葉だ。その通りだった。私は今まで逃げてばかりだった。その度に自分に言い訳をしてきた。また逃げるのか?100km歩けるのか?どんどん不安が強くなった。しかしもう歩くしかない。歩く自分の姿を想像し、ただゴールする姿を思い描いていた。
 翌日、スポーツ用品店に行って服などを物色していると、偶然、同期の難波さんと会った。難波さんには100km歩行の中でとても役に立ったアドバイスを頂いた。

○靴下は2枚履く・・・人よりよく汗をかく私はそんなこと全く考えつかなかったが、足の裏を守るためにも靴を足に固定するにも良いことが100km歩いてわかった。
○サポーターの役目をするスパッツ・・・その存在は知ってはいたが、値段が高くて買わずにいた。不安を少しでも消すため、勢いでイオンまで買いに行った。その道中、池田さんから電話があって「一週間前に買って使っているけど、CW-X良いよ!」とお勧めのものも教えてもらった。
  100km歩くのは一人ではないということを感じさせてもらった。少し不安が消えていく気がした。
  
遅すぎた
 五月三日、十時ついに長い一日が始まった。速いペースで前を歩く人を見ながら「マイペース、マイペース」と心の中で言いながら、歩き始めた。歩き始めて5km過ぎから徐々に右足の小指が痛くなった。練習で歩いているときには全く感じなかったところなのでずっと気になってしょうがなかった。靴を買うのが遅くて履き慣らしていなかったのが原因だ。準備の遅さが早くも痛みとして出てきた。

疑問 
 日が落ち始めて涼しくなってきて音楽を聴きながら一人で歩いていた。50km地点手前で、6期の加藤先輩、と伴歩している坂先輩を見つけ一緒に歩き出した。直後、加藤先輩の足が不自然に曲がった。どうやら昨年と同じ右足小指を痛めたようだ。6期の春名先輩が車でかけつけ「テーピングで固めて歩く!」という固い決意の加藤先輩、絶対完歩して欲しいという春名先輩と坂先輩の気持ちに感動した。心配はしていたが何も出来ない自分がいた。もし、自分が痛めていたらリタイアしていたかもしれない。まだ自分は出来るはずだとペースを上げた。限界ってなんだ?加藤先輩は怪我してまで歩いているのに自分は余裕でいいのだろうか?

仲間そして決意
 50km地点で櫛引さんと会った。櫛引さんには癒しの力があるのか、なんだか安心できた。一緒に歩くのがとても楽しかった。同期の仲間ってありがたい。閑谷学校を越えた峠で地元の方がおにぎりやバナナを用意してくれていた。ちょうど空腹だったので助かったし、明るくて、人がいることにとてもうれしかった。そこで小山事務局長に「あいさわ代議士が20〜30分前に通過した、一緒に歩きたいだろ、追いつけ。」と激励して頂き、そこまでは完歩することを目標に置き、人のペースはあまり気にせず歩いていたが、絶対追いついてやる!と100km歩行第二のスタートを切った。

感謝
 和気のリバーサイドまで無我夢中でひたすら歩き続けていると、真っ暗で土手に上がるのか上がらないのかわからなくなり、やけにきれいな星空が空一面広がり、前にも後ろにも人影は無く急に心細くなり迷ったことに気がついた。知っていて何度も通ったことがあると思って油断していた。きちんと下見していればよかったと後悔した。いてもたってもいられず、春名先輩に電話すると、すぐに探しに来てくれた。サポート隊の方が頼もしく、ありがたく思えたことは無かった。


 和気のリバーサイドで足を冷やしたくなかったので、すぐ出発した。30分ほど歩いて、やっとあいさわ代議士と伴歩している石川先輩に追いつけた。私の父と同じ歳の代議士がいいペースで歩いているのにはとても驚いた。年齢なんて関係ない、歩くという決意、心の問題なのだと痛感した。

一人じゃない
 平島のマクドナルドを曲がってからの直線。ここから後楽園までが100km歩行で一番辛かった。早朝、一人で歩いていて見えるのは白色がかった景色、いつまでも続いている同じような建物、アスファルトってこんなに硬く、熱かったのか?と感じて前を見ることが本当に嫌だった。歩くのが本当に嫌になってきた。何度も立ち止まり、歩いての連続。古都のローソンで4時間ほど前に追い抜いた同期の藤井さんと右足の小指を痛めた加藤先輩と出会い、一緒に歩きだした。ここで出会えたことでテンションが一気に上がって後楽園まで歩き続けられた。

感動
 ゴールして周りを見渡せばなんともすがすがしい表情をした同期の皆さんがいた。よかった、前を歩いていてリタイアした人はいなかった。長かったがあっという間の100km歩行が終わった。うれしくて安心して色々な感情が混ざって、泣いていた。ソフトクリームが美味かった。タバコが美味かった。100km歩いていなければ普段当たり前にしていることをありがたく感じられることはなかっただろう。

まとめ
 この100km歩行で学んだことは、今まで自分は人の言うことは聞いていたが実行していなかった。人を信用していなかった。いつも自分勝手な言い訳をして逃げていた。という弱い自分が出てきて感じられた。それに加えて100km歩行という未知な無謀なことに挑戦し、完歩出来たという結果に、一人で歩いたのではなく仲間がいて、励ましあい、助け合えば出来るということに気がつけた。とても大きな財産になりました。
 ただ、噂で黒ずくめの方たちが応援に駆けつけて下さったらしいのですが、歩いている間眼鏡をかけていなかったので全く確認出来ませんでした。黒ずくめのかたを見られた方がとてもうらやましい
です!!
 100km歩行が終わりレポート作成していて、文章として残す大切さ、色々なことを感じることは出来るが改めてレポートとしてまとめて残すというのは頭の中を整理出来るし、後々読み返すことが出来るので、感じたことを気付けば忘れてしまうという自分の欠点を補ってくれます。完歩した経験を生かし来年は全力でサポートさせて頂きたいです。よろしくお願いします。

 小山事務局長、河野実行委員長、源サポート隊長を始め、岡山政経塾24時間100km歩行に係わった皆様、本当にありがとうございました。

岡山政経塾 第7期生  端山英嗣