2008年 100km Walk

 
◆櫛引 直樹 (岡山政経塾 7期生)

岡山政経塾100km歩行レポート
『改めて感じた自分の強さと弱さ』



【自分で決めたルール】
 今回100キロ歩行に参加するにあたり、自分のルールとして決めたこと
  1.時速5キロペースで歩く
  2.過度にテーピングをしない(足が痛みだしてから、テーピングをする)
  3.自分で持ってでた荷物は、最後まで自分で持つ
「未知の領域に、自分の限界を超えてチャレンジする」その為に決めた自分のルール、そのルールと100キロを歩いて、改めて感じたのは、自分の強さと弱さだった。


【事前準備】
 強さ
自分でもビックリしたのは、練習会に参加したこと。 仕事の都合で行けない日以外は、すべて参加した。 昼ごろ「今日はだるいなぁ」と思ったときも、30分前になると「よし!今日も行こう!!」と気持ちが切り替わった。
 未知の領域にチャレンジする気持ちを持っていたことを嬉しく思った。

 弱さ
1週間前まで100キロ歩行を楽しみにしていた。「どんな新しい自分に出会えるのだろうか」とワクワクしていた。 しかし、1週間をきると3日連続で夢にでてきた。 初回の夢は寝坊して不参加。2回目は大雨で中止。3日目はリタイア。と悪い夢ばかり。そして、直前まで持ち物に悩む。
 準備不足と度胸の無さを感じた。


【スタート前】
 強さ
職場の仲間が7名も応援に駆けつけてくれた。 この場に来れない仲間たちからも、お守り・飴・アミノ酸等をいただいた。 これ以上にないパワーを充填する。 このことが後々挫けそうになったときのパワーになる。
 仲間に恵まれていること、仲間の大切さを感じた。

 弱さ
皆がテーピングをしている姿をみて、スタート直前まで、テーピングをするか、しないかで迷う。前日は、「ある程度の痛みをかみしめよう」と思っていた。 でも、申しわけ程度のテーピングをする・・・
 決意の弱さを改めて感じる。


【後楽園から飯井交差点まで】
 強さ
時速5キロペースで歩くことを実践する。 他の人のペースに巻き込まれないように、他の人を巻き込まないようにと考え、なるべくひとりで歩くことにした。
 自分で決めたことを実践していくことが出来た。

 弱さ
5キロペースで歩くと決意していても、不安との闘いでもあった。 ひとりで歩いていることもマイナスの気分になった。 「このペースでいいのか?」「みんな、かなり前に行っているのかな?」 不安に負けそうなとき、サポート隊の方々からの「いいペースだよ!」という言葉に励まされる。


【飯井交差点から備前体育館まで】
 弱さ
24時間の中で、特にきつかった区間、完璧に心が折れていた区間であった。 足に痛みがあったわけでもなく、体調に異変があったわけでもない。 あまりなじみのない道で、疲れを感じて歩いているだけで、「もうやめたい・・・」何度も頭の中でつぶやいていた。
 座って休憩できる場所があったら、そのままリタイアしていたかもしれない・・・


【備前体育館から閑谷学校まで】
 強さ
ここから次のチェックポイントまでの目標時間を設定し、その目標を達成できるように歩いていく。 P→D→C→Aのサイクルを実践する。 目標を立てること、悪い点を改善することの大切さを学ぶことが出来た区間。
伊里漁港から伊里中の区間、端山さんと、伊里中から閑谷まで、端山さん、加藤さん、春名さんと一緒に歩いて、疲れを忘れることが出来た。
 閑谷学校では、職場の仲間が夫婦で応援に来てくれた。 一番充実した区間を過ごせた。


【閑谷学校からリバーサイドまで】
 弱さ
何度も、自分で勝手にイメージした場所が、思っていた場所と違った。 「この土手を下って、上ると、和気の職安だ!・・・・いや違う、まだだった・・・・」「よし!次だ!・・・・違う、まだ先だ・・・・」 物事を勝手に自分の都合の良いように思い込む。 そして、それが違っているとマイナスの気分になる。 普段の悪い癖がでた。


【リバーサイドから瀬戸そして古都まで】
 弱さ
100キロ歩行の過酷さを感じた区間。 足の痛みが本格的になり、思うようなペースで歩けない。 はさみを持っていなかったので、テーピングを巻くことも出来ない。 準備不足が身に降りかかる辛さと、未知なる領域へのチャレンジが簡単なことではないと気付かされた。

 強さ
しかし、足は前に進む。立ち止まっても、すぐに歩くことを始める。 「24時間で100キロを歩く」と決めた目標を守ること。 その実現の為に、サポート隊の方々、職場の仲間たちから応援していただいていることを思い出すと、自然と足は前に進んだ。


【古都から後楽園まで】
 弱さ
ここで、一平さんにテーピングをしていただく。 テーピングは自分でつけると決めていたが、痛みには勝てなかった。 また、ここから歩く原動力となったのは、「来年は歩きたくない」というマイナスの気持ちだった。 そのせいか歩くスピードが上がらなかった。時速5キロには及ばなくなった。

 強さ
この区間は、西村さん、荻野さんと練習で歩いた区間だったので、ゴールまで歩ききる自信はあった。練習に誘っていただいたことを感謝し、参加した自分を褒めながら歩いた。
何度も、サポート隊の方々や職場の仲間から、「荷物持つよ」と声をかけていただいたが、「自分の荷物は自分で持つ」とルールを決めていたので、持って歩いた。
疲労により、荷物が重く感じたが、「自分で決めたことだから」と言い聞かせた。この状態で「自分で決めたこと」を守った自分に驚いた。


【ゴール後】
職場の仲間が、ゴールにもかけつけてくれた。 よくみるとゴールテープを張る係になっていた(笑)。そんな仲間に「来年がんばれよ」と感謝の言葉(?)を言って、路上にへたりこんだ。 そこに、自分の担当でないお客様まで「お疲れ様!」とわざわざ声をかけに来てくださった。 感激のあまり、眠気が一気に吹っ飛んだ。
ゴール直後に感じたことは、未知なる領域へ到達した達成感ではなく、周りの方々への感謝であった。 自分ひとりの力で歩いたのではなく、いろんな力に後押しされて、歩き通せたことを感じていた。 職場の仲間からの応援に感謝。 同じ目標に向かって、チャレンジする仲間がいることに感謝。 各チェックポイントでのおもてなしの数々に感謝。 路上での声かけに感謝。 家まで送ってくれた後輩に感謝。
 周りの人に生かされていることを素直に感じた。



【100キロ歩行で学んだこと】
 最初に述べたように、改めて感じたのは、自分自身の強さと弱さだった。
 結局、自分で決めたルールは、3番目くらいしか守れなかった。
 自分で決めたことを守っても・守らなくても、誰からも褒められない・責められない。
しかし、自分を高めていく為には、自分で決めたことを継続して守ることが必要だと感じた。
 そして、以下の3つのことを学んだ。
 1.人への感謝 ⇒ 失敗は自己から生まれるが、成功は人の協力なくして生まれない。
 2.事前準備の大切さ ⇒ 事前準備をすることで、心に余裕が生まれ、緊張もなくなる。
 3.チャレンジすること ⇒ 一歩踏み出さなければ、何も見えてこない。

来年は、サポートにまわることになる。 小山事務局長から「歩いたときに感じた感謝の気持ちを、次の年、歩く人に向けてサポートする。 これが毎年続いて、100キロ歩行の意義が高まっていくんだよ」と教えられた。 岡山政経塾の一員として、真剣にサポートしたいと思う。


最後になりましたが、小山事務局長、西原幹事ならびにサポート隊の皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで、100キロ歩行を完歩できたこと、こころより感謝申し上げます。

≪岡山政経塾 第7期生 署名 櫛引 直樹≫