2008年 100km Walk
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◆横田 俊介 (岡山政経塾 5期生)
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岡山政経塾100km歩行レポート
「縁起」
「縁起」というのは仏教の言葉、根本思想のひとつであり、茶柱が立ったらどうこうというような単なる吉凶の前触れではなく、「世界の一切は直接にも間接にも(精神の動きなど含めて)何らかのかたちでそれぞれ関わり合って消滅変化しているという考え方」であるということを、最近書籍その他で学びました。
2006年ぎりぎりで24時間タイムUP、2007年夫婦で完歩から1年、はじめてのサポート参加となった今回を終えて、さて私は結局何を得たのか、ということを考えに考えた結果、この2文字が浮かんできました。
毎日接している家族、会社の仲間たち、友人、またそれとは別に、岡山政経塾という場ただ一つの縁で出会った人たちが、ただ24時間以内に100km歩こうという、本当にシンプルなことだけに集中する。自分がチャレンジャーであったときにしていただいたことを有り難く思い、心から感謝して、次に歩くチャレンジャーのために理屈抜きで応援する。自分がしていることにより相手が笑顔になり、一歩一歩進みだすことが嬉しく、感動する。そしてまた、その姿に元気をもらう。24時間歩き続けることとはまた別の次元で、24時間サポートし続けることの大変さ、辛さを経験し理解する。利己とか利他とかそういうこと自体を考えることは置いておいて、とにかくその渦の中に自らを投げ込んで、その尊さを体感する。
見守る家族の皆様のスタート前の不安な様子とゴール後の安堵の顔。ローソンで「何しとん?」「24時間で100km歩いてるんです」と会話をしただけで、1000円以上もする栄養ドリンク「ゼナ」を4本も渡してくれた見ず知らずのお父さん。江草さん持参のキュウリとトマトの甘み。サポート待ち時間で、資格取得の勉強を始める伊丹さん。安藤さん持参の馬面マスク。佐藤さんの真っ赤な愛車のいかついリアウィング。出張帰りで伊里中ローソンに駆け付けた同期であり同僚、池田。午前3時を回って一人、車で応援にきた会社の愛すべき同期(女性)。温かい豚汁。栗尾さんの本当にやさしい笑顔。凛として佇む閑谷学校。その脇の本当に暗くて怖い道。寒い中チェック担当として奮闘する沖津さん。頭上に輝く北斗七星。サポートの役目はもう終わっているのに、私が一人だからと98km地点に先回りしてくれていた竹内先輩。懸命に歩きながら「ゴール手前で転び、タイムアップだがタスキだけはゴールしている状態を狙う」と言い続けた「傾き者(かぶきもの)」の宇佐美さん。新幹線高架沿いの直線で「伴歩交代します」と申し出てくださった河野さん。会社の仲間である荻野さん、富田、林部、西江さん、心折れることなく歩ききった全てのチャレンジャーの勇姿。サポート隊を見事に仕切った源ちゃん、井上さん、堯くん、中屋、三宅さんの準備、当日の心配りの凄さ。永岑講師の、圧倒されるほどの品格漂う立ち居振る舞い・・・
まだまだ書ききれませんが、これら私が直接触れた光景は100km歩行の中のほんの一部ですが、私が見られなかった光景も含めて、そのひとつひとつが何かの縁をもって存在し、それぞれがそれぞれになにかの影響を与え、活かし、それぞれの人生に何かを刻んでいることを感じます。
私のモットーは「自分の身近な人を幸せにできないようなやつが偉そうなことを言うな」ということです。これは入塾式でも申し上げたことです。100km歩行に関わっている方々を無条件に「身近」に感じ、尊敬することができるのは心からの真実であります。「身近」に感じる人を増やしていきたいということも考えてきましたが、それは「縁起」ということの本当の意味に通じることだとわかりました。また自分自身の未熟さ、心の狭さ、も痛感しつつ、次の自己研鑽への意欲をいただき、志を新たにすることができました。
関わったすべての方々に、今年も感謝申し上げます。ありがとうございました。
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