2008年 100km Walk

 
◆竹内 健一(岡山政経塾 4期生)

岡山政経塾100km歩行レポート
「100キロ歩行の不思議」




 今回は2度目のサポート隊として100キロ歩行に参加しました。2度チャレンジャーとして参加した以上、最低2回分はフルサポートするのが筋だと思っていましたので、今回は仕事の予定を調整してフル参加をしました。例年通り多くの感動と学びをいただきましたが、さらに今年は多くの驚き(不思議)をもらいました。これらから様々な事を自分の糧にし、その一部をレポートします。

1.永岑先生の完歩
 60歳を過ぎた永岑先生が完歩された姿に多くの事を教えていただきました。辛くても笑顔を絶やさず、歩いている永嶺先生にむしろサポーターの私が励まされたくらいです。だいぶ後半になった時、「戦場ではこれからが本番ですから・・・」の種類のお言葉を聞いた時、鳥肌がピンと立ちました。
 昨年の100キロ歩行レポートの中で、「若さとは年齢ではなく精神の状態」というベネッセ創業社長の言葉を引用しましたが、「若さとは年齢ではなく、今まで培ってきた肉体の状態」もそれに当たると思いました。
 私は38歳にして、明らかに体力が落ちています。同年代に比べても明らかに低い体力です。ただ、今回の事で、「体は資本である」「年を重ねても健康な体つくりが大切」だと強く感じました。そして、自分の出来る事の手始めとして、5月5日の朝からラジオ体操をはじました。生き方や精神も含め、永峯さんのような人間になりたいです。
 
2.7期生の全員完歩
 「100キロ歩行で松下政経塾の塾生は全員完歩する」という話を私が入塾した頃に小山事務局長からお聞きしました。何かと理由をつけて、それは別世界だと考えていましたが、その世界が、今回、目の前で起きた事は驚くべき事ですし、岡山政経塾として嬉しい事でした。
 私は最初100キロにチャレンジした時、58キロでリタイアしました。とても悔しかったですが、それでも同じような人が周りに何人もいましたから、逃げ道というか、納得できる部分もありました。今から考えると本当に恥ずかしい事です。
 「自分との戦いだと分かっていながら、周りと比較して物事を落ち着かせてしまう事は絶対にするな!」と、今後の自分に約束をしたいと思います。

3.岡山政経塾生の24時間完歩
 岡山政経塾生においては、「誰もリタイアする事なく24時間歩き続けた」。これは政経塾として誇りに感じてよいと思いました。確かに100キロには届かなかった方もいらっしゃいますが、一つの集団として考えた時に「全員が諦めずに、丸1日の間、前を向き続けた」事は、誰か一人でも欠けてしまったら実現できない素晴らしい事です。
 「全員が同じ方向を向いて諦めずに前を向く集団」を会社の中の自分の組織でも実現したいと思うきっかけになりました。

4.西村さんの最速記録更新
 西村さんの記録には驚かされました。速すぎて途中大丈夫かなあと心配さえしました。しかし、全く休まず進む姿は、ついに100キロ変わりませんでした。40歳を過ぎた、プロスポーツ選手でもない西村さんが、こんな結果を残すというのは普通ではない。そう、普通以上の何かが裏にないと実現できないと思いました。
 私が担当の65キロ地点では、ご家族が応援に来られていました。西村さんは止まって会話するわけでもなく、通過していかれました。ご家族は西村さんの後ろ姿を、しばらく見ていました。ここに家族の間に流れる「絆」と、西村さんがされてきた「努力と決意」を垣間見ました。
 普通の努力や行いだけでは、普通以上の結果を残す事は難しい。ただ、普通じゃない事ばかりしても難しい。推測ですが「普通の事を普通ではない量こなす(誰にでも出来る事を誰よりもする)」を実現された方なのではと思いました。
 24時間100キロ歩行ではなく、24時間無制限歩行だったら、西村さん、何キロ歩けますか?

5.荻野さんのペースアップ
 7期生の荻野さんは会社の先輩です。これと決めた事にはとことんまで本気で取り組む姿勢はいつも勉強になります。今回のそのスイッチが入り、準備から半端ない姿勢で取り組まれていました。だから絶対に完歩してほしいと思っていました。
 79キロ地点で荻野さんと会いました。そこまでは苦しい時間帯が何度もあったように見えました。しかし、それ以降、恐ろしいペースで歩き続けました。私は、荻野さんが当日までにしてきた、普段の努力・不断の努力が、極限を越えた状態になって、無意識に発揮されたのだと思いました。記憶をなくしたまま戦い続ける格闘家のように。
 「地道な努力は、大切な場面でこそ発揮される」。これを教えてもらいました。

6.黒い人たちと出血
 少し種類の違う驚きです。黒い人たちが車から現れました。誰か分かりません。どれかが林さんだと思い、「そんなんで警備会社がつとまるのか?」と話したら、一人だけ違和感のある動きになりました。「あっ、あれが林さんだ」と思いました。
 柳井さんが血を流しているのを見てビックリしました。これも種類の違う驚きと不思議です。大丈夫でしたか?

7.宇佐美さんの参加とゴール
 宇佐美さんが参加されました。国会議員の経験のある宇佐美さんが、わざわざ東京からお越しになって、100キロにチャレンジされる事も驚きでした。そして、途中段階でかなり苦しそうでしたので、完歩した事にもっと驚きました。決して十分な準備をされているようには見えませんでしたが、その分、心が強いのだろうな、プライドで体を動かせるんだな、と感じる部分が多かったです。宇佐美さんは、今回の100キロで何を感じたのでしょうか?

8.ベネッセ軍団の頑張り
 キム兄と妻夫木聡が、スーツ姿で道を並んで早歩きする携帯電話のCMがあったと思います。それと同じ姿が、昼休み中にベネッセの周りにありました。よく見ると、荻野さんと富田さんが腕を振りながら、早歩きしています。異様ですよ。でも、この頑張りを感動してみていました。
 富田さんは、九州営業時代からの仕事仲間です。彼は東洋大学の応援団長の経験があり、強いハートの持ち主です。彼は仕事でも、いつも若いメンバーに声をかけ、励まし、応援している「応援団長」です。だから日ごろの感謝も含めて、一生懸命に彼を応援しました。彼は応援に反応しました。多分、日ごろ応援している立場の気持ちを分かっている人間だと思います。「相手の気持ちが分かる人間」「相手の痛みも分かる人間」これを富田さんの頑張りや、100キロ歩行そのものから教わりました。
 林部さんは、私が最も凄いと思う後輩です。彼は、4月が最も忙しく、前日も深夜までトラブル対応があり、準備も体調も決して万全ではなかったと思います。しかし、彼は自分のペースで自分と対話しながら、クレバーに歩ききったと思います。「自己理解」「自分自身と対話できる力」は、自分も見習っていきたいと思いました。
 荻野さん、富田さん、林部さん、私のようにリタイアせず、私よりも早いタイムで全員ゴールされ、皆すごいです!

9.沢良木さんの完歩
 私の一つ目の担当チェックポイントである35キロ地点に、伊丹さんと2人で少し早く到着しました。その時、伊丹さんは「今回、沢良木は絶対100キロ完歩してほしい!」と何度も何度もいわれていました。私も同じように感じました。今年はもう歩かれないかもと思ったりしましたが、4期生でただ一人チャレンジされ、見事に完歩されました。
 人間の熱意は、目に見える部分だけに存在しているわけではないと思います。沢良木さんの熱意や闘志が、結果として形に表れた事を心から嬉しく感じました。おめでとうございます。

10.栄光への架け橋
 2つ目のチェックポイントの65キロ地点を終えました。その後、私はすべての方に一言ずつ声をかけながら、98キロ地点に向かって行こうと思いました。これは昨年、私が担当したチェックポイントですが、孤独な時間帯も多く、トイレにも行けない環境なので、ここで一人担当の横田さんをサポートとしようと思った事が一つの理由です。
 そして、もう一つの理由は、竹田橋が「栄光への架け橋」に見えてくる事、この栄光への架け橋の向こうから少しずつ姿が見えてくる皆さんがとても格好良い事です。すでにラストに向けてペースアップしている人、笑顔の人、涙を流している人、同じような苦しい顔をしながら伴歩している人などなど、色んな顔を見ながら、私も竹田橋の端で何度も笑ったり、泣いたりすることが出来ました。

11.まとめ
 その他、様々な感動や気づき、驚きや不思議をありがとうございました。私自身の今回の気づきを以下のようにまとめ、今後の自分の行動指針に加えていきたいと思います。
@ 体が資本であると肝に銘じ、年を重ねても健康である身体を作っていく。
A 自分との戦いであるときに、周りと比較して、妥協点を見出さない。
B 全員が同じ方向を向いて、諦めず前を向く組織作りを目指す。
C 普通の事を普通ではない量こなす人間、誰にでも出来る事を誰よりもする人間になる。
D 地道な努力の積み重ねを怠らない。それが、極限状態の自分を助ける。
E 相手の気持ち(痛み)が分かる、思いやりのある人間になる。
F 自分自身と向きあい、自分自身と対話できる人間になる。
G 良い格好するばかりでなく、ときには熱意を内に秘める事がかっこいい。
H 今回の感動を忘れず、謙虚な気持ちを長く持ち続ける。



        岡山政経塾 第4期生 竹内健一