2009年 100km Walk
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◆堀 靖英(ゲスト参加)
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岡山政経塾100km歩行レポート
「チャレンジャーとして、取材者として」
5月3日の朝、私はピンクのTシャツを着て、手にはマイクを持って
後楽園の芝生にいました。
普段の取材と違って、気持ちはチャレンジャー95%、取材者5%でした。
100キロ歩行って人生みたいだ
下見の時思った事です。「長いなぁ〜」と思ってやっと着いたのが40キロの備前体育館。
100キロなんて、ゴールするなんて想像できない。
1週間前のこの下見以来、私は参加を決めた事を後悔し、ナーバスな状態に突入しました。
歩き始めて
とにかく不安だらけだったので、シューズやサポーター、テーピングなど
先輩たちに出来る限り沢山のアドバイスをもらってスタートしました。
それが安心感につながったのか、10キロ過ぎ、自分の体が語りかけてきました。
「何だか今日いけそうな気がする…」
とはいえ足や腰に痛みが来ないよう慎重に歩きました。
10キロ過ぎに一度一人で歩いた所、ペースも上がらず、寂しかったので、
40キロまで松倉支局長とほぼ一緒に歩きました。
(前半は松倉支局長のハイペースに引っ張られたのが非常に大きかったです)
後半、足の裏と股関節の痛みが激しくなりましたが、致命的ではないと感じ
休まず行きました。休むと体が冷える上、リスタートが大変だと思ったからです。
また足の裏がジンジンするので、接地を少なくしようとした結果、
自然に足が前に出ました。夜明け前にゴールする事は想定外でした。
一方、気持ちは終始、チャレンジャーと取材者の間で揺れ動いていました。
番組としてどうまとめるか?その時自分の位置づけは?
チャレンジャー:取材者の比率は、時に60:40くらいになりました。
これは推測ですが、歩くのと関係ない事を考えていた事も
気分が紛れて、結果良かったのではないかと思っています。
取材者として
チャレンジャーからは、「諦めない・切れない心」を教えてもらいました。
序盤、一緒に歩かせていただいた松倉支局長は、
20〜30キロ余分に歩く事になったにも関わらず、
集中力を切らさず、時間内にゴールしました。
津村さんが最後にゴールした時は、自分の読みの浅さを恥じました。
時間内にゴールできないのでは?と思い、コースを遡って取材するのをやめていたのです。
しかし残り2キロを17分という驚異的なペースで、完歩しました。
帰って取材テープをチェックすると、先頭グループから、惜しくもリタイヤした人まで、
各々が己の極限に挑む姿が映っていました。その姿は誰もが同じように美しいものでした。
サポート隊からは、「結束力」を感じました。
いつやってくるかわからないチャレンジャーをひたすら待つチェックポイント。
今年も100キロ歩行を成功させようという、先輩方の愛情を感じました。
またチェックポイント以外にも、各チャレンジャーの家族や友人が立ち、
声援を送る姿に、「絆」を感じました。
チャレンジャーとして
100キロ歩行を終えた後、私は何人かの人に
「出てみて何を感じたか?」と聞かれました。
私は、「何でもやってみないとわからないと感じた。無理と思っている事も
やってみたら意外に出来るかもしれないし、その逆もあるし」と答えています。
今回私は、自ら好んで100キロ歩行に挑戦した訳ですが、
神様は、「一歩を踏み出す勇気」を教えようとしたのではないかと思っています。
歩くこととは何か?
7年かけて4万キロ歩く荒行「千日回峰行」を二度満行したという、
天台宗大阿闍梨・酒井雄哉師の著書、「一日一生」を知人から紹介されました。
その中の行に、「数時間あれば飛行機で外国に行けちゃう世の中だけど、
本当は人間の心の世界はそんなスピードについていけない。
心がおっつかないから迷ったり、生きるのがしんどくなる。
世の中だってぎくしゃくしてくる…」という内容の言葉がありました。
100キロ歩行に参加する前は、「こんな生産性のないイベントに、
皆で一生懸命になる事が楽しいな」と思っていたのですが、
終えてみると、どんな巨大工場や優れた研究施設でも作れない「何か」が
ここから生まれた様な気がしています。
最後に
サポート会議で取材のポイントを教えて下さった大原さん。下見の段取りをして下さり、当日はナース姿でモチベーションを上げてくれた難波さん。下見に同行して下さり、歩行中は勇気の出るエールを送ってくれた西村さん、佐藤さん。スタート前、様々なアドバイスを頂いた荻野さん。スタートからゴールまで長時間励まして下さり、最後は一緒に歩いてくれた金関さん、井ノ上先輩。わざわざ応援に来てくれた(そして取材までしてくれた)会社のスタッフ。準備について色々相談に乗って下さり、終了後は忘れ物の段取りまでしていただいた山田さん。歩行中も毒のある言葉でハッパをかけてくれた柳井さん、そのメッセージを伝えてくれた田中さん。時に声をかけあい、一緒に歩いた全てのチャレンジャーの皆さん。そして貴重な体験に誘って頂いた小山事務局長。
他のチャレンジャーと同じように、ここには書ききれない多くの人に感謝の気持ちでいっぱいです。こんな気持ちになれる事って、人生でそんなにないような気がします。
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