2009年 100km Walk

 
◆仲達 大樹(岡山政経塾 6期生)サポート隊長

岡山政経塾100km歩行レポート
「ゴールに向かって」




はじめに
私は「自分を変えたい」、「成長させたい」という一心で2年前、岡山政経塾の門を叩いた。しかし、入塾してからも、たった1歩が踏み出せないまま、学歴がない自分、社会経験がない自分、自分の中にいつまでもある劣等感を拭い去ることができなかった。たった1歩を踏み出すことが怖くて、当たり障りのない距離感で岡山政経塾と関わってきたから当然、学びも成長もあるはずがなかった。岡山政経塾を卒塾した後も、岡山政経塾生と名乗ることができないまま、同期の塾生が変わっていく姿をみて羨ましく思っていた。
そんな時に岡山政経塾の先輩であり友人でもある源さんから、「このままじゃったら、岡山政経塾に入塾した意味がねーが。岡山政経塾に入塾する事が目的じゃなくて目的を達成するために入塾したんじゃろ。」この時、私は源さんが投げつけてくれたこの言葉を受け取り損ねたら一生、変わることができなくなるだろうと直感した。そして、私は決意したのである。
劣等感の塊である自分を変えるため、岡山政経塾24時間100キロ歩行サポート隊長を立候補し、見事に成し遂げることを目標にしたのである。私にとっては高すぎる目標だったと後に後悔した。
また、同じ時期に私の背中を大きく押す出来事が偶然にも重なったのである。社会人になりたての私に5年間、社会人としてのあり方から、仕事に対する姿勢について教えてくれた店長である上司が退職することになったのだ。ショックは大きかったが私はその上司に対して、自分自身を磨いて、今よりでっかく成長する事を答えにしたいと思った。

サポート隊長として
「お前みたいなやつは岡山政経塾をやめろ!」「バカヤロウ、サポート隊長、やめろ!」このような怒鳴り声が岡山政経塾の事務所で何度も響いた。この言葉は事務局長から何度もいただいた。いったい何から始めたらいいのか解らないなどと言い訳をしていた。頭で考えるだけで実行ができなかっただけなのだ。
事務局長が気づかせてくれた言葉がある。「目標に向かう為の準備をしっかりすれば目標は達成できる。」この言葉は、2年前、チャレンジャーとして24時間100キロ歩行に挑戦し、我が身を持って学んだ事だった。行動あるのみである。
まず行動した事はサポートメンバーの依頼である。しかし、今まで岡山政経塾と当たり障りなく関ってきた私に仲間など集まるのかと、とても不安だった。そんな思いの中、私が声をかけた塾生はなんと引き受けてくれたのだ。私はこの協力者を絶対に裏切ってはいけないと決心し、サポート隊長として覚悟ができた瞬間だった。
サポート隊の目的は、チャレンジャーの安全を確保し24時間以内に100キロ先のゴールに導くこと。同時に24時間100キロ歩行に関わるすべての方の安全を確保することである。そして、無事故無違反で行われてきた岡山政経塾の伝統行事を来年に引き継ぐことである。この目標に向かって、毎夜、仕事が終わって目標を達成するために仲間と議論を繰り返してきた。
私が最も苦しんだことはサポート隊長とはどうあるべきかと言うことだった。いつも自分が背負い込んで結局パンクしてしまう。そして仲間に迷惑を掛けてしまっていた。ある時、仲間が言ってくれた。「仲達君、もっと俺たちを信用してくれ。仲間なのだから。」本当に涙が出ました。私は仲間に迷惑を掛けたくないと思い1人で背負い込んでいた。大きな間違いでした。
仲間の1人からは、「事務局長からいつも怒鳴られているからいつやめるのかと思って見ていたけど仲達さんが止めないから力になろうと思った。」嬉しかった。
一時期、この24時間100キロ歩行が終わることが自分にとってのゴールと決めていた。こんなに苦しくて大変なことは二度としたくないと思ったからである。しかし、その考えは自分にとって成長をやめる事なのだと気付いた。人生の先にあるゴールに向かうために乗り越えなくてはいけない山なのだと。

感謝
第7回24時間100キロ歩行は無事故・無違反により来年に引き継ぐことができました。第1回24時間100キロ歩行からOBの皆様が創ってきて下さった歴史があり、また、多くのOBの皆様や7期生の皆様の多大なご協力があたったからこそだと思います。私、1人では何にもできませんでした。困ったことがあったら何でも相談しろと温かい言葉を掛けてくださった先輩たち。ありがとうございました。私を最初から最後まで支えてくれたサポート隊の仲間は私にとってみんなが隊長でした。こんなに優秀な仲間のチームの一員になれたことが何よりの学びでした。私がこの24時間100キロ歩行で得たことは仲間です。最後まで頼りない隊長でしたが、最高のサポート隊と思っています。
そして、この24時間100キロ歩行、サポート隊としての任務を終えて、初めて岡山政経塾の門を潜れたように感じています。
岡山政経塾の皆様、幹事の皆様、今後はこの経験を活かし、支えになれるような人間に成長したいと思います。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。また、小山事務局長、私のような塾生に貴重な学びの場を与えてくださいまして、本当にありがとうございました。