2010年 100km Walk
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◆高原 弘雅(岡山政経塾 9期生)
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岡山政経塾100km歩行レポート
『本気で挑んだ100km歩行』
100km歩行との出会い
100km歩行。長い距離だがなんとか歩けるだろう。こんな気持ちが100km歩行の第一印象だった。3/17の練習会でとりあえず7km歩いてみることに。先輩方のスピードが早く、追いかけるのに必死。ここで少し100km歩行のハードルが高いと感じ始める。
次に、100kmはどれくらい長いものか理解するため、自宅〜練習会場の津島モール〜練習〜自宅まで歩くことを計画。42kmほどの道のり少し距離があるが大丈夫だろうと思った。3/19練習会が20:30からなので家を17:45出発。行き、練習会共に余裕だった。体に異変が起きだしたのは帰り道の30km過ぎ。足が重くペースが落ちていき、体が冷えていった。体の冷えはさらに歩くペースを落とした。まだ家までは10km以上残っている。たまらず途中のコンビニで休憩。お酒の力を借り体温を上げた。残り数キロまで何とかたどり着いたがそのあたりから足の甲に激痛が走るようになる。以前疲労骨折した時の痛みに近かった。足を引きずりながら家の玄関先まで歩いたが崩れ落ちた。自分の体力のなさに愕然とした。たかが42km。100kmの半分にも満たない距離。ここで初めて100kmはどれほど過酷で厳しい距離なのかを知った。この日以降100km完歩するにはどうすればいいのか本気で真剣に考えるようになる。
体の準備
100km当日までに長距離練習40km以上を2〜3回、中距離練習20km以上を2〜3回することを決めた。
スピード練習も大切だがそれ以上に長距離練習の方が大切だと思ったため。というのも、筋肉を鍛えることも大切だが同じぐらい関節、骨、筋を長距離に慣らすことも大切だと感じたため。
心の準備
長距離練習を目標どおり行って自信をつけることが第一だと考えた。「これだけ練習したのだから絶対完歩できる。」「できることの100%はやった。」など練習してきたことに対しての自信。また、「これだけ死ぬほど練習して歩けなければしかたない。」というある種の開き直りの気持ちを持つことも大切だと思った。
練習
一回目の中距離練習は練習会場まで送ってもらってそこから練習会〜自宅の約25kmを歩いた。さすがに前回42kmを歩いていただけにだいぶ楽に感じた。このころなぜか練習が楽しくなってきた。なんだか20km台の距離では物足りなく歩いた気がしないぐらいの異常なMっぽい自分がいた。練習に熱中するあまり仕事にもだいぶしわ寄せが来ていたがやると決めたので仕方ない。毎週のように練習会には歩いて参加した。二回目の長距離練習は帰りに事務局に用事があったので約45km歩いた。前回長距離であれだけ死にそうなくらいしんどかったのにだいぶ楽に歩ける自分がいた。練習の成果が目に見えてわかるようになると益々練習が楽しくなる。こうなればさらに夢中で練習に挑むようになる。足にまめができたりしたがあまりにも練習しすぎて足にまめができない日は練習をした気がしなくものたりないという異常な心理状態なほどにとりつかれたかのように練習した。21時からの練習会に参加するためには18時頃には家を出発しなければいけない。しかも家に帰ってくるのは毎回一時を過ぎていた。妊娠中の妻にはかなり迷惑な話だった。100kmという目標が大きいものだったのでしんどい練習も乗り切れたのだと思う。気がつけば自分のノルマとした距離、回数ともにクリアし総練習距離は250kmほどになっていた。
完歩するための戦略
○ 疲労骨折をしない
100km歩行では長距離練習時の経験から疲労骨折をしないことが一番重要だと感じた。ただ15kmぐらいであれば骨折をしていても歩けるので最悪85kmぐらいで骨折しても仕方がないと割り切る。
○ 中盤までペースを抑え足への負担を最小限にする
疲労骨折しないためには中盤までスピードを抑え足への負担を軽減する。
○ まめができればすぐ治療する
まめが大きくなりすぎると歩くバランスが崩れるためすぐ治療。
○ リバーサイドで自分の体が大丈夫ならあとはスピード全開でトップを狙い全力でゴールを目指す。
できればトップでゴールしたい。しかし、完歩が最優先。
いざ当日
早朝から足に捻挫予防のテーピングをするなどして準備した。ただ唯一の不安材料は前日落ち着かないので少し歩行練習をした。短距離では物足りず気がつけば中距離に。案の定、まめが破れてしまった。しかし、痛みがあれば前半からペースを上げないから完歩に大きく近付いたと前向きにとらえた。
ついにスタート。10km過ぎからどうもおなかの調子が悪く、コンビニごとにトイレに。なかなかペースがつかめず20km過ぎに四人の集団と合流した。5人で40km地点までペースをみださず歩けた。思った以上に体力が残っていることに気付く。50kmからは谷さんと励ましあいながら炊き出しまで向かった。炊き出しの時点で前を行く三人と1時間〜1時間半近く離されていたのでこの辺でスパートかけないと追いつけないと感じてきた。自分の体の状態はまだまだ余裕があった。そのため予定より10km早いがスパートかけることにした。炊き出しで食事と励ましをもらい自然と歩きから走りになっていた。それから先は記憶が途切れ途切れであまり覚えていない。とにかく完歩すること、トップを目指すことそれ以外頭になかった。とにかく何かにとりつかれたように歩いたり走ったり。万富のあたりで先を行く和田さんに追いついた。励ましの言葉のキャッチボールをし先を急ぐ。このあたりに来るとペースなど関係ない。とにかく今できる全力で歩くのみ。高島駅を過ぎたところ何とか井上さんの背中が見えた。力強い足取りをしていたので自分も全力でゴールする気持ちがさらに強くなる。3時37分ゴール。トップではゴールできなかったが目標の完歩ができた。
100km歩行で得たもの
100kmという距離が限界かどうかは各自違う。50kmが限界の人がいれば150km歩いても余裕の人もいるだろう。50kmが限界であったとしても練習を積めば100km歩けるかもしれない。要は100kmという目標のためにどれだけ真剣に心と体の準備をするかどうかが一番大切だと感じた。私は100km歩行に関して100%の心と体の準備をした自信がある。今回100km歩行への取り組みは、どんな大きな目標でも死ぬ気の思いで挑み準備、練習すれば必ず成功する。たとえいい結果が出なくても納得できる。なぜなら100%のことはしたのだから。
100km歩行完歩の成功体験は自分の中で今後成功モデルとして大切にしたい。
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