2010年 100km Walk

 
◆難波 博文(岡山政経塾 9期生)

岡山政経塾100km歩行レポート
「はじめから見えていた結果」
                2010年5月14日



はじめに

 今回の100km歩行に参加させて頂きありがとうございました。また、実行委員の皆様、サポート隊の皆様など多くの方々に感謝致します。誠にありがとうございました。


自分の甘さ

 私は、正直100kmという距離を甘く見ていました。運動神経は自信があり、何でもそつなくこなしてきた私にとって、100kmという距離はそう重要ではないと感じていました。
 若いし体力もある私が限界に挑戦するためには、時間との勝負でいかに早く完歩するか、その事ばかりを考えていました。正に自信過剰です。仕事の関係で集団練習も3回と少なく、ろくに練習も参加せず臨んだこと自体甘かったと思いました。意気込みはあったものの心構えが出来ていなかったと思います。
 体の準備と心の準備がいかに大切か。心の準備が出来て、はじめて行動におこし体がついてくる。目標を達成するために自分が何をするべきか、何を優先すべきかを改めて気付かされました。


限界への挑戦

 私は、9期生の中でも若い方ですので決起会の時に「若い人が引っ張っていくぐらいの気持ちがないといけないので1番でゴールします。ついて来て下さい。」と大口を叩いていたこともあり、出だしは快調にスタートしました。
 しかし、20kmあたりで右足つけ根の関節に違和感があり、26km地点に着いた頃には早くも右足痛みを感じていました。1度目の7kmの練習を終えた時にもあった痛みと同じでしたがそのときはさほど気にしていませんでした。自分の体の事を知ることも疎かにしていました。
 30km地点、1度目のダウン。右足をかばって歩いていたことで左足も動かなくなりつつありました。次々と9期生の人たちに抜かれていきました。もうそのときから準備を疎かにしてきた自分に後悔を感じていました。8期正の川口さんが一生懸命、マッサージしてくださいました。体が楽になり、40kmは景色を見る余裕さえあり、気持ちいいぐらいに歩けました。
 40kmから50kmは一番きつく地獄でした。もう両足ともに激痛で足が前に出ない、進まない。幾度と立ち止まり、ネガティブなことばかり考えはじめていました。もう心は折れかかっていました。でも、「諦めたくない。」「辛い。」この2つが頭の中で回っていました。
 しかし、最終的な答えは「諦めない。」という気持ちでした。50km地点で2時間も動けなくなり、その間、考えてたことは「感謝」という気持ちでした。
 スタートから至る所で応援してくださる方や休憩所で気遣ってくださる方、サポート隊の方々の暖かさ、優しさが常にありました。自分自身のためだけではない。私たちのために貴重な時間を割いてサポートしてくださる方々に対して申し訳ない。少しでも足が動く限り歩き続けたいと思い50km地点をスタートしました。最後の力を振り絞り50km〜60kmを歩きました。1番長い10kmでした。
 60km地点、今の持てる力を出し切った後悔のないリタイヤでした。「申し訳ない気持ち」それは1番目のリタイヤであり全員完歩の約束を破った事、サポート隊の方々へ恩返しが出来なかった事など色々な申し訳ない気持ちはありますが何か糸がプツンと切れた感覚でした。
 100km歩行という行事がこんなにも多くの人の支えがあって成り立っている中で中途半端な心構えで完歩しようと考えていた私自身、そもそも歩く資格があるのか。こんなにも一生懸命サポートしてくれている方々に失礼ではないかと考えたら、完全に動かなくなりました。
 私の心の限界は60kmでした。


リタイヤして得たこと

 リタイヤをして良かったと言うのはおかしいが貴重な体験でした。
 リタイヤして7期生の難波さんの車に乗せてもらいました。「どうする?」と聞かれ、「みんなを応援したいです。」と答えました。でも、私はチャレンジャーに対してどんな言葉を掛けてあげればいいのだろうか、リタイヤしたことで他の人の気持ちを折るようなことにならないだろうか。色々な気持ちが交錯しましたが、みんなの歩いてる姿を見ていると「私みたいにならないでほしい」「私の分まで歩いて欲しい」と思い、声を掛け続けました。
 今回参加して「感謝」という気持ちを1番感じたのはやはりサポート隊の方々の姿でした。思えば、7期生の難波さんは、1日中車で動き回り声をかけ続けていました。携帯で常に他の人とやり取りをしつつ、しかもチャレンジャーのペースを上げるためにどうするか対策を立てたりとずっと私たちのために走り回ってくれていました。実行委員の池田さんが常に把握しながら、指示を出されていたのだと思います。本当に大変だったと思います。
 そんなサポート隊の方々の姿を見れたことが良かったと思います。

 今回の100kmで特に感じたことは「物事に取り組むための心構えの大切さ」、「達成するための事前準備と行動力」この2つです。

 来年はこの2つを身につけた上でリベンジのスタートラインに立ちたいと思います。
 ありがとうございました。