2010年 100km Walk

 
◆井上 英明(岡山政経塾 8期生)

岡山政経塾100km歩行レポート
「それぞれの役割からの100q歩行」




 昨年、完歩出来なかった私にとって、今年は、貴重な再チャレンジの機会のはずでした。しかし、昨年末からの病気の為、最終的にドクターストップがかかり、チャレンジャーとして、参加が出来ない状況となりました。
 実行委員という役割をいただいたにも関わらず、悔しく不甲斐ない思いで一杯でした。
 また、当日、チャレンジャーとして参加出来ない者が、実行委員をしていて、いいのだろうかとの思いもあり、悩んだ時期もありました。
 そんな中、小山事務局長の「チャレンジャーとして参加するだけが、100q歩行の参加の仕方ではない。」とのお言葉で、目が覚めました。
 今、どうする事も出来ない事で悩むより、実行委員として、目の前の果たすべき役割に全力を尽くそうと思えるようになりました。
 ちょうど、病気の療養の為、仕事を辞めていた事もあり、時間の融通もきいたため、練習会には、すべて、出席する予定で、臨みました。
 今年の練習会は、昨年に比べ、悪天候の日が多く、全体の3分の1が、雨天でした。
 この段階では、本番当日も、雨天ではないかとの憶測もあり、雨具を使用しての雨天練習も行いました。
 仕事の都合もあり、実行委員側の出席者が少ない時も、8期生の同期の皆さんや7期生のサポート隊の方々が、参加をして下さり、助けていただいた事は、本当にありがたかったです。
 また、一か月半の練習会最終日に9期生の井上さんが、「今年歩けない井上さんの無念を私が背負って歩きます。必ず、完歩しますから見ていて下さい。」と言って下さった言葉と思いは、涙が出るほどうれしかったです。実行委員として、やって来て、良かったと思えた瞬間でした。

 当日は、サポート隊(池田サポート隊長の運転手)として、参加させていただきました。天候は、練習時の予想に反して、晴天。晴天で良かったと思った反面、雨天とは、違った不安も頭をよぎりました。高揚感と不安感の入り混じったチャレンジャー全員が、24時間後、無事にこの後楽園に戻って来ていて欲しい。そう願わずには、いられませんでした。
 チャレンジャーのスタート後、すぐに移動を開始しました。チェックポイントの担当者からの情報収集、副隊長への指示、チャレンジャーの先頭集団、最後尾の状況確認等。池田隊長は、細やかに、精力的に動かれました。チャレンジャーが30qを過ぎてからは、気になるチャレンジャーを見つけると車を降り、数百m一緒に歩かれながら、個々の状態を確認されていました。
 圧巻だったのは、夕方18時頃から真夜中まで、2台の携帯で引っ切り無しに交わされていた100件を超えるやり取りでした。1台の携帯での話し中に、別の携帯が鳴り、1台での通話を待たせながら、別の携帯へ出る。1台での通話が終わって、別の携帯での対応をしようとした瞬間、通話を終えた携帯が鳴る。そんな状況の中での対応は、傍で運転しながら、見ていて凄まじいものがありました。サポート隊長という役割の大変さを実感した瞬間でした。
 また、明け方から、完歩に向けて、池田隊長の指示でチャレンジャーに続々と伴歩が付き始めました。それまで、時間内の完歩が難しそうではないかと思われていたチャレンジャーも、続々とペースを上げ、時間内完歩へ。
 また、最後にNHKの栗原さんを10人を超える伴歩者で囲みながら、ゴールを目指す光景は、チャレンジャーと伴歩者の相乗効果が生み出す不思議な力、人の持つ限界を超えた可能性の表れだったように思います。途中の栗原さんを見ていただけに、まさに驚異的で、感動的なゴールだったと思います。
チャレンジャーとしてゴールする事すら出来なかった昨年と違い、今年は、数多くのチャレンジャーのゴールにも立ち会わせていただき、本当にたくさんの感動をいただきました。多くのチャレンジャーが完歩出来た事は、もちろんですが、同じ8期生で実行委員を務めた古賀さんと三島さんの完歩は、昨年の事もあり、本当に嬉しかったです。また、古賀さんから「次は、自分の番やで。」と言われ、身が引き締まる思いがすると同時に、自分もこのゴールの感動を必ず、味わいたいとの思いも大きくなりました。

 今回、サポート隊長の強い使命感、サポート隊の一生懸命さ、チャレンジャーの完歩への思い、伴歩の生み出す人智を超えた不思議な力等。
それらを身近で体感し、改めて100q歩行の大変さ、素晴らしさ、奥深さ、感動を実感する事が出来た大変、貴重な24時間だったように思います。

 最後に、西原幹事、小山事務局長、岡山政経塾OBの皆さま、実行委員、8期の皆さん、全力でチャレンジしたチャレンジャーの皆さん、本当に素晴らしい貴重な体験の場をありがとうございました。
 100qを完歩するまでは、チャレンジャーとしての私の100q歩行は続きます。
まずは、病気を治し、チャレンジャーとして再度、スタートラインに立てるように努力していきたいと思います。
 そして、来年からの100q歩行に、チャレンジャー、サポート隊どちらで参加するとしても、今年の100q歩行での学びを踏まえ、全力で臨みたいと思います。