2011年 100km Walk
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◆今井 裕之(岡山政経塾 6期生)
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岡山政経塾 100km歩行レポート 2011年5月11日
「生きながらにして、生まれ変わる!」
1.生きながらにして、自分の中の何かが生まれ変わる!
「生きながらにして、自分の中の何かが生まれ変わる!」
これが、私の100キロ歩行に対する実感です。
チベット仏教の教えは、わかりやすくまとめると2つだと教わりました。
ひとつは、自我をなくす事。自分の我(執着)をとりのぞいていくことだそうです。チベット仏教では「死」にたいする理解をとても大切にします。そこで、我をなくすために、苦行、荒行を通して身体を限界に近づけて、精神鍛錬をし、集中していきます。肉体の限界を超越したとき、自分の身体は自分のものではなく、天からの借物だと気づきます。自分が生きている、自分がやっているなどいう「自我」ではなく、自分は、天や宇宙に生かされているということに気づき、様々な物や人や自然や宇宙に対して「感謝」の気持ちが生まれてきます。
5年前の初挑戦の時、60キロから70キロの途中のリバーサイドで、肉体的限界を迎え、道路にひれ伏して、一人で数年分の涙を流したことがあります。自分の体が自分で動かすことが出来ないのです。その時、自分の心臓も呼吸器も、臓器や手も足も休むことなく働いてくれていることに気づけたのです。そして、これまでお世話になった両親、兄弟、友人、先生、仲間の顔や名前がたくさん浮かんできました。この時、自分は「生かされている」ということを悟った瞬間でした。
そんな時、携帯電話を見てみると、たくさんの応援メッセージ、格言、たとえ話、エールが届いていました。応援してくれている友人やこれまでご縁してきた人や大切な人のことを思い浮かべ、感謝の気持ちを伝えたら、びっくりするくらい歩き始める事ができたのです。そして、ゴールまで絶え間なく励ましの声を送り続けてくれたサポーターの声援や同期の頑張る姿に支えられ、くじけそうな時も乗り越える事が出来たのも実体験です。
2.「慈愛」というものを学ぶサポーター
もうひとつのチベット仏教の教えは、「慈愛」に生きることだそうです。ひらたくいうと、人にたいして親切に、愛をもって生きることだそうです。自分のためではなく、相手のために生きることだそうです。
人は、自分がされたことがないことを人にすることは難しいのだと思います。
食べたことのないお料理を作ることは、(レシピなしで)難しいし、聞いたことのない歌を(楽譜なしで)歌うことも難しいし、親切にされたことがないと、人に親切にすることが難しいのではないかと思います。チャレンジャーのときは24時間100キロ歩行中に、たくさんの人から受け取った親切、応援、励ましなどを通して「感謝」の本質を学び、サポーターとして参加する時には、「慈愛」に生きることを学んでいくのではと感じています。
3.微力なサポート ?祈るということ?
私は、入塾以来、今年で5回目の参加になります。はじめの3年は、チャレンジャーとして、「自我の解放」を学び、昨年、今年は、サポートする立場として「慈愛」について学ばせていただいているのだと思います。チェレンジャーの歩く姿に、かけてあげる言葉が見つからない時もありました。なぜなら、すでに頑張っているチャレンジャーに私が、「頑張れ!」「ファイト!」っていうのは、理屈で考えるとおかしい気がしたからです。しかし、チャレンジャーを見守っている、応援している、サポートしている、そういう意味で、形式上の言葉ではなく、伝えたい想いのほうが大切なのかと思えてからは、たくさんの声がけをしました。
私が担当させていただいた61キロ地点の通過ポイントでは、心を込めて温かい物を渡し、少しでしたがチャレンジャーと一緒に歩き、無事を祈りながら見送る!それくらいしかできませんでしたが、それが自分にできる最善でした。
4.最後に
5年前の目標に「全員100キロ完歩」をかかげたことを思い出します。その時のレポートに、24時間100キロ歩行に、完歩者の方が再参加したり、塾生以外の参加者が参加したりして、岡山の定例行事になれば嬉しいということを書いた記憶があります。今年、これは実現していることがとても嬉しいです。また、選挙期間中に一日、立候補者と関係者が100キロ歩きながら、政策提言をアピールしていくことも効果的ではと思ったこともありました。これも、きっと実現するかな。
最後になりますが、かけがえのない貴重な24時間、この1日を準備するために、安心、安全なサポートを行うために、事務局長、幹事、サポート隊長、副隊長、サポーターの方々をはじめ、多くの関係者の方々の準備と気配り、実践していただき本当にありがとうございました。
生きながらにして生まれ変わることの出来る24時間100キロ歩行を続けてこられた、OBの皆様、関係者の皆様にあらためて、感謝の意をお伝えしたいと思います。「これまで、運営に携われたみなさま、本当にありがとうございました」
心よりの愛と感謝の気持ちを込めて…
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