2010年6月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会
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◆高梨 直(岡山政経塾 七期生)
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『2010年6月 岡山政経塾 自衛隊体験入隊 特別例会』
日本を守るということ
今回の自衛隊への体験入隊において、自衛隊から事前課題をいただきました。その課題は、非常にシンプルでありながら、私たち塾生の国家観が問われる、非常に重要な問いかけでした。
1.みなさんが考える日本の国家目的について簡素に述べてください。
2.みなさんが考えた国家目的に鑑み、日本の国家目標を述べてください。
3.10年後における我が国の脅威について考察してください。
4.脅威に基づき、日本の安全保障戦略、特に防衛が担う役割を述べてください。
皆さんは、日本の国家目的について考えたことはありますか?日本という国が何のために存在し、これからどのような道を歩もうとしているのか。国家の存在意義、国家理念を、この自衛隊合宿では正面から問われたのです。
中隊長からのメッセージ
1.目的意識を持て
2.一致団結せよ
3.時の人となれ
体験入隊の入塾式で、中隊長が私たちに伝えて下さったメッセージが非常に印象的でした。私も、「目的なきところに成果なし」というのは常日頃感じていることです。自分自身の現在の行動が何のために行われているのか。そして、その行動は目的から外れていないか。自分自身の生き方も、人生の目標があって、それに向かって行動できているかを、これからもチェックし続けていきたいと思います。中隊長はこうもおっしゃいました。「悩んだら初心にもどれ」。まさに我が意を得たりでした。私は、自分の考えがまとまらずに、ふらふらし、悩み、言ってることとやっていることが滅茶苦茶になってしまうことがあります。そういう時こそ、初心に帰ることが必要なんだと強く感じました。
続いて中隊長は、一致団結せよとおっしゃられました。個々の能力は高くとも、それぞれが勝手な行動をとれば、烏合の衆となります。私たち塾生は、体験入隊の期間中、一致団結できたでしょうか。恐らく、自衛隊の方々からみれば、まだまだひよっこに思えたことでしょう。これは、これからの課題だと思っています。岡山政経塾生が一致団結し、目的意識を共有して、また自衛隊に体験入隊することができればよいと考えています。
時の人となれという言葉は、私には難しく、いまだにその意味を考えています。先日、サッカーワールドカップの日本代表が、南アフリカでの戦いを終えて日本に帰ってきました。堂々と胸を張って帰ってくる選手、まだまだやり残したことがあるという表情を浮かべる選手、様々でしたが、まさに彼らは“時の人”でした。そして、このチームは、目的意識を持ち、目的の遂行のために一致団結して、そして見事に時の人となって帰ってきました。より高い次元の目的を掲げ、そのために一致団結し、そして時の人となるように、これからの人生を生きていきたいと思います。
最後に
日本という国は、いったい何のために存在しているのか。そして、国家の目的を達成するためには何をすべきなのか?今回の自衛隊合宿で問われたことは私の頭に今も残っています。そして、目指すべき国家像を今も考えています。
自衛隊合宿から帰ると、参議院選挙が公示されました。各党の政策・マニフェストが新聞紙面で比較されていましたが、残念ながら、各政党の目指すべき日本国の国家像は見えてきませんでした。たとえ、ひとつひとつの政策は実行できたとしても、目指すべき国家像・国家理念がなければ虚しいものとなります。各党が掲げる政策がどのような理念のもとに立案されたのか。そういうことが問われる政治を目指さなければならないと強く感じました。
最後になりますが、私たち塾生に、大変貴重な学びの場を提供して下さいました第13特科隊第1中隊の矢野中隊長を始め、休日返上で私たち岡山政経塾生につきあって下さいました多くの自衛隊員の皆様に心から感謝お礼申し上げます。皆様のゆるぎない信念、日ごろの鍛錬のおかげで私たち日本国民が平穏な日々を過ごせていること、感謝申し上げます。
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