2012年11月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会

 
◆左子 敏憲(岡山政経塾 十一期生)

『自衛隊生活体験レポート』



○はじめに

 100キロ歩行24時間以内11期生全員完歩という奇跡から半年後、陸上自衛隊日本原駐屯地生活体験に参加させていただきました。今回は30時間、自衛隊で日本の安全保障・危機管理の現場を学ぶことと規律心・協調心を体得することを目的に気合いを入れて挑みました。入隊から30時間後、100キロ歩行ゴールと同じ言葉「ありがとうございました。」を連呼していました。今でも感動と感謝の気持ちが心から溢れています。


○入隊体験

 まず、基本教練から教わりましたが、現役自衛官と塾生の動きの違いは同じ服装を着ていても一目瞭然でした。また、声の張りも全く違い普段の訓練の厳しさが伝わってきました。これから先すべて勝手な行動は許されず、10分刻みのスケジュールを時間厳守でこなしていきました。規律と協調を基本教練で学びました。
 つぎに、精神教育で日本の安全保障体制と危機管理について中隊長から講話をいただきました。自衛隊の役割について防衛・PKO・災害派遣の3つが主要な柱であることを教わりました。近年、尖閣諸島・竹島問題・北方領土問題など日本の領土について世間では関心が寄せられています。そのなかで、陸上自衛隊は専守防衛、最後の砦として日本を守る役割を担ってくれています。世界的に軍事力と外交力は比例しており、平和主義を貫く日本としては日米安保体制をより強固なものにしていかねばならないと感じました。
 また、東日本大震災時には自衛隊10万人規模の災害派遣の実施と米軍2万人規模の「トモダチ作戦」の話を聞きました。困ったときはお互い様であり、献身的な活動がお互いの信頼関係を構築し日本の安全保障に貢献していることが大変心に残りました。雑談の時ですが被災者の方から「アリガトウ作戦」の恩返しがあったそうで、なんとも日本人らしい
話が聞けて良かったです。
 グループ討議では、事前課題について意見を交換しました。年齢も職業も異なる仲間の意見は様々でありましたが、生命と財産の安心・安全は共通しており、すべてが防衛という壁に守られていることに気づきました。この壁こそが自衛隊であり、何か事があったときだけ称賛を浴びるのではなく、日々ありがとうの気持ちを忘れてはいけないと強く感じました。


○体力測定

 2日目の朝、体力測定が行われました。結果、腕立て23回、腹筋30回、20mシャトルラン54回でした。現時点での私の体力です。情けない・・・。自宅に帰り2人の息子に言うと鼻で笑われました。日々努力し毎日体を鍛えていこうと決意しました。


○実体験研修

 テレビでしか見たことのない戦車に試乗させていただきました。あいにくの雨のなか、おそらくトップスピードを出してもらったと思います。地震体験以上の揺れを体験させていただきました。暴走ぎみなところが楽しかったです。
 つぎに砲班の陣地占領を拝見させていただきました。役割分担と統制がきちんとなされ
大砲を設置する手際の良さに驚きました。誰一人無駄な動きは無く、これぞ自衛隊の真骨頂が垣間見えました。日々訓練の賜物であり、できるまで繰り返し鍛錬が必要であると思いました。
 最後に災害派遣品装備品を実際触れさせていただきました。阪神大震災の経験上の教訓から現場で必要なものが準備され、東日本大震災で活躍したそうです。ここで大変参考になったことは現場の意見を反映させ、つぎに備えることが最も大切だということです。予備より準備のほうが必要であると感じました。防災においては自分でできることを把握し足りないものは用意しておくべきであると感じました。例えば、スコップ・バール・ロープ・消火器等個人でダメならご近所と協力して役割分担するという手もあるのではと思いました。せめて、近所のどこに何があるのかお互い確認しあうだけでも早急にしていきたいと思いました。


○最後に

 陸上自衛隊日本原駐屯地の皆様、大変お世話になり誠にありがとうございました。今回の体験を単なる研修としてではなく、学んだこと、感じたことを実践していき、感謝の気持ちをつねに忘れることなく、明るい未来へ行進していきます。
 また、寒雨の中、引率していただいた小山事務局長、見守っていただき大変ありがとうございました。11期生・OB塾生全員無事であったことに感謝いたします。