2012年11月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会
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◆白土 陽子(岡山政経塾 十一期生)
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『自衛隊体験入隊レポート』
◎はじめに
知らないことは体験して感じる。今回の自衛隊体験入隊は、まさにこの言葉通りでした。教育現場において、戦争や自衛隊はデリケートな話題で、あまり触れません。体験入隊をするんだと同僚に話した時、「え、そっち方面にいくの?」と大変驚かれ、変な目で見られました。同時に、そのような反応をされる自衛隊を、私自身何も知らないことにも気付きました。国家とは何か。国を守るとはどういうことか。未来の日本を創る子どもを育てている以上、感じて考えて知る必要がありました。
◎平和ボケ
社会の授業で、人口増加、石油枯渇、砂漠化、温暖化、食料不足、戦争、色々な話題を取り上げますが、どれも子どもたちにはピンとこないようです。今の日本の子どもたちにとって、今住んでいる地域が全てだからです。「何か起きても誰かが何とかしてくれる」と考える子どもがとても多い。では、大人はどうか。自分はどうか。
10年後の脅威について討論をした時、正直あまりピンときませんでした。脅威自体に意識を向けたことすらあまりありませんでした。もちろん、戦争がないことが一番ですが、日本が戦争を放棄しても、戦争が日本を放棄しないという事務局にある言葉通り、実際に攻めてこられた時に守ってくれるのは、今の日本では自衛隊しかありません。そのことに考えが至った時、改めて自分の平和ボケと自衛隊の方の覚悟を感じました。
◎体が資本
自衛隊の食堂の食事の質の高さと量の多さに驚きましたが、訓練で何十キロの荷物を担いで100キロを歩いたり、走ったりしていると聞いて納得しました。戦車や手で運ぶ装備を素早く扱うには相当の体力が必要なことは、実際に乗って触って持ってみることで容易に想像できます。自衛隊に入るには、体力があればいいと言われましたが、瞬間的な体力だけでなく、やり続ける忍耐力が必要だと思いました。
◎国を守るということ
国を守るということが、対外的に防衛することだけではなく、国内の災害援助も意味していることを今回改めて認識しました。特に、阪神淡路大震災でのお話は、聞いていて胸が熱くなりました。あの時、確かに道は瓦礫で覆われおり、大型の機械ではなく手作業で掘り返していたため救出が遅れ、助からなかった命がありました。失われた思い出がたくさんありました。しかし、同じことを繰り返さないようにと新しい装備を実際につくって備えられていること、有事の際にはすぐに動けるように準備されていることを知って頼もしく思うと同時に、1人1人が自分の身は自分で守る覚悟で備えておく必要があると感じました。
◎終わりに
今回の体験入隊を通して、日本人としての誇りと自覚を持って生きることの大切さを学びました。まだまだ言葉にならない部分もありますが、これからさらに自分の中に落とし込んでいき、未来を創る子どもたちに返していきます。大変貴重な機会を与えてくださり、ありがとうございました。
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