2013年11月 岡山政経塾 体験入隊 特別例会
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◆下花 剛一(岡山政経塾 十二期生) 2013/11/24
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『国を守ることの意味』
はじめに 私は自衛隊について一般的な知識以上のことは理解しておらず、具体的にどんな組織なのか明確なイメージができていませんでした。
今回の体験入隊において、自衛隊の活動内容、組織の体制、隊員の意識、そして国を守ることの意味と尊さを学ぶことができるのだと、緊張感と期待感を持って望みました。

規律と統制の世界 早朝の移動で駐屯地へ到着。朝のひんやりと静まり返った空気の中、私には張り詰めるものがありました。ここで学ぶことが自分とこの国にどう影響するのか、期待が高まってきました。
基本教練では、規律の大切さと、有事においての統率力の重要性などを、体で実感することができました。
姿勢を整える、規則正しい動作、調和の中の緊張感、統制のとれた組織を重んじる世界がそこにあること感じました。
防衛に対する意識 国家の目的や10年後の脅威、世界のパワーバランス、防衛の役割などを自分たちで考え議論することで、我々がどうしていきたいのかを意識することに繋がりました。
それぞれ準備してきたせいか、あるいはいつもとは違う空気の中にいるせいか、討議は白熱し時間はあっという間に過ぎていきました。
正しい答えなどどこにも無く、政治が、そして我々が主体的に答えを導き出し決断していかなくてはならない、ということが結論ではないかと感じました。
懇親会にて、隊員の方々といろんな話をさせて頂きました。組織の厳しさや命令への忠実さ、普段の生活や最近の若い隊員についての話など、皆さんとてもやさしく接してくれて、イメージしていた感じとは違いました。
戦争の道具
2日目には、FH70という自走砲の発砲手順を実演して頂いたのですが、実際の発射まではしなかったものの、その良く訓練されている動作は見ていて美しさを感じました。
しかし、一つの砲台で発砲するために4,5人で対応しないといけないのは何とも時代遅れの風に見えたのと、美意識を呼び起こす程一生懸命に人を殺すための訓練をしていることの滑稽さを強く感じました。
その後、戦車に試乗し、大きなエンジン音、ひどい揺れではありましたが、これには確かに力強い躍動を覚え気分が高揚しました。
これらには剣道や弓道といった、武道に繋がるものが存在するのかもしれないと感じました。隊員のモチベーションを保つ手段として、競技会という訓練の成果を競う大会があることも聞きました。人を殺すのではなく、競い合い、互いに高め合うためのものになるのであれば、この先に何か見える気がします。
おわりに
正直な感想としては、戦争状態になった時に、現在のこの組織で本当に国を守れるのか、疑問は残りました。
自衛隊は独立している組織ではなく、政治の配下にあるものなので、隊員の方々の努力や意識だけではどうにもならない現状があることは明らかです。
これまで人類は、生きるため、欲望のために戦争をしてきました。
人類を未来永劫存続させるためには、愚かな人殺しの戦争を無くし、互いを尊重し、助けあい、共に成長していく、もっと調和のある社会を形成することにあると思います。
しかし現実問題として、無防備では太刀打ち出来ない、恐るべき脅威が存在することも事実です。
その脅威に対し、待っているだけではなく、解決の手段を主体的に模索し、積極的に実践することが必要だと考えます。
今こそ、受け身ではなく攻める防衛、人類が先に進む防衛を考えるべきだと。
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